学園78
「だったら、なぜパワードスーツを脱いでいる」
些細な問題ではあるが、奇妙な部分があるのも事実、どこかで言いどもる所があればと聞いてみるが、
「それはあの子に、チャンスを与えてあげたんです。あの子は歴代一位の成績で、体力検査を抜けたので、パワードスーツを使うよりも肉体でやり合う方が互角になるかもしれなかったので。その結果が、胸の骨を折られるという結果でしたが」
「うむ……」
言い返して来るの、真っ当な事だけ。
「私も最後は熱を上げて、止めを刺そうとしたのはいけなかったですが、致命傷を負わせても終わらないトラブルは、私のせいでは無いはずです」
「……そうだな」
教官という立場で言えば、そんなのは詭弁だ……そう言ってツバメを断罪する事も出来るが、証拠が無いのもそうだが、
「もう列に戻って良いぞ」
「はい」
これが校風だからだ。
「疑わしきは罰せず」ではなく「生きる為になら悪事も、見つからなければ許される」というのが暗黙のルール。
あの体育館で行われた闇賭博も、非合法という名の合法。
ならば、何をしても良いのかと言うとそうでもない、見付かればそれ相応の罰があり、学校の無償奉公、退学、悪ければ法律で裁かれて、最悪の場合は死刑もあり得るが、その話は別として、
(協力してやったのに、ふざけたマネしてんじゃねぇぞ……)
(ごめんって)
証拠の無いツバメは列に戻り、美優からの鋭い目付きに謝るのであった。
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その頃、視聴覚室では巨大なモニターを見ながら、上級生逹が騒いでいた。
「今のって見れないのか?」
「無理だな、アクセスするとなるとメインサーバーにする事になるから、さすがに止めた方が良い」
「そうか……世紀の一戦だったが……掛かった時間と勝敗だけ分かれば、賭けは成立するから仕方無いか」
どうやら視聴覚室で、この上級生と下級生の模擬戦を観戦する事が出来るらしく、ただ観戦する者もいれば、賭けに興じる者もいた。
「去年もツバメはヤバかったが、地上に降りて、更にヤバくなったってのは本当だったな」
「あそこまでやれるのは才能だよ」
上級生の話は、ツバメの勝敗よりも、残酷なまでにズタズタに刺した行為に注目が集まる。




