学園77
美優はツバメの肩を掴むと、
「随分と……」
「二択だ…アタシの妹から離れるか、殺されるか好きな方を選べ……」
「アネキ……」
ツバメが軽口を叩くのすら許さない……いや、こうして選択する余地を与えるのは、ツバメに対する関係性があるからこそ。
ツバメに、自分とやり合うかの選択肢を迫るが、
「お前だって分かってるだろ…アタシが本気を出したら、お前の骨がグチャグチャになる事くらい」
「降参よ。美優に掴まれた状態で、抵抗する者なんている訳無いじゃない」
ツバメは呆気なく降伏して、肘から腕を上げると、降参のポーズを取る。
「よし、下がるぞ」
「分かったわ」
「ほらっ、そいつを保健室に連れってやれ。場所は教えたから分かるだろ?」
「うっス!!」
上級生に詰められた時は、生きた心地がしなかったが、前から立ち向かってくれたアネキは、やはり頼りになると思いながら、
「行くッスよリナ」
「…………」
背中に担いでいるリナに声を掛けると、リナは返事をする代わりに、顔をミィオの首に擦り付けるのであった。
そうして、リナを連れてミィオが出ていた所で、
「こっちへ来なさい」
「はい」
教官が、美優を呼び付ける。
「私は、模擬戦を始める前に忠告したはずだが」
「お言葉ですが、私は普通に戦っていただけですが?」
「下級生をあんなに、ズダズダに刺してか」
「はい」
いたぶるなと忠告したのに、それをしたツバメの真意を聞こうとするのだが、ツバメの顔が微笑んでいるのが不気味でならない。
去年の時は、上級生をズタボロにしてもなお、
「それは私が原因なんですか?」
冷たい言葉を放って、つまらなそうに顔色一つ崩さなかったのに、今は笑っている……ツバメがこんなに嬉しそうに笑っていたのは……
「教官、私とあの子はただ戦っていただけです。最初から致命傷になるように胸を刺しました」
「なに?」
「けれどシミュレーションは終わらず、あの子も必死に抵抗して来て、血みどろの戦いになっただけです。現に、私も頬をやられて、胸の骨にヒビが入っています」
「確かに、最後の映像には、こいつの頬から血が流れていますし、大まかな怪我の中に、肋骨の骨折があります」
ここで美優が、端末に最後の部分を見せて、ツバメが怪我しているのを見せて助け舟を出す。




