学園72
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「まだ……」
ツバメの足首を掴み、自分がまだ戦えると意思表示をし、
「まだだぁーーーー!!」
大声を上げて、今出せる最大の力で逆立ちをして、踵でツバメの顔を狙うが、
「元気一杯だ」
『ブゥォン!!!!』
ツバメは、リナの踵が顔面にぶち当たる前に、新体操の選手のようにバク転しながら後ろに下がり、リナと距離を置いた所で、見事に体勢を整えて地面に着地する。
「この位で終わる訳無いよね。リナもナイフいる」
手を開いて、握り締めるとナイフが現れ、
「いらない、私はこっちの方が得意だから」
それに対してリナは、立ち上がって拳を手の平で叩く。
「休憩は」
「少し」
「そう」
「美優って誰?」
「私の相棒」
「浮気ってこと?」
「浮気ってこと」
「じゃあ、あたしも浮気する」
「妬けちゃう」
他愛の無い話をしているが、ツバメはナイフを突き出して構え、リナは拳を突き出してファイティングポーズを取る。
一言二言で会話が終わるのは、二人のテンションが間違って姉妹のような仲の良い関係に戻らないようにする為。
他愛の無い短い会話に意味は無く、お互いの心の中では、どうやって相手を仕留めるかの想像を掻き立てていて、
「もう良い?」
先に、搔き立て想像が形になったツバメが、お預けはもう良いのはと聞くと、
「もう行ける」
リナも同意した。
「それじゃ遠慮無く」
「どうぞ」
戦いの火蓋が切られたが、すぐに襲い掛かったりはしない。
リナはステップを踏んで、ツバメの周りをクルクルと動いて跳び掛かろうとする素振りを見せたりと、相手を翻弄するような動きをするが、ツバメはナイフをチラつかせ、無鉄砲に攻撃すれば一瞬で叩きのめすと伝える。
ツバメは、さっきのような悪ふざけのような行為は、もうしないと牽制しながら、
(知性の無い化け物なら、簡単に倒せるのにな……)
内心で、リナの人間の標準を超えた運動能力と、人ならではの知性がある事を面倒に思う。
(接近戦に持ち込まれたら、正直どこまで持つのか分からない……遠くから、ハンドガンで撃っても当たらないだろうし…………唯一の利点は経験)
自分が持っている優位性を再確認し、それを最大限に生かす戦いをするようにと心掛けていると、
『タッ、タッ、タッ、タッ』
リナが、短いステップを踏んで揺さぶりを仕掛けながら、自分の方へとジリジリと攻め込んで来る。




