学園67
「どうする、もっと力を入れてみる?」
「これ以上押し込んだら、バランスを崩すでしょ」
「正解」
拮抗して肩をぶつけているこの状況ではあるが、押して押されての状態というよりは、リナの方が押してて、ツバメの方が耐えているような感覚。
この力押しはあくまでもリナの方が勝っているが、そのまま押し切れ無かったのがいけない。
ここで一歩二歩と前に出れば、ツバメの態勢を崩す事も出来るが、それはツバメが何もしないで耐え続けてくれるというのが前提であり、ここから押し込めばツバメは体を横にずらして避けるのは必須。
これでは互いに身動きの出来ない、硬直した状況が続いてしまうと思われたのだが、
「大丈夫、リナのヒートソードのエネルギー切れを待つようなマネはしないから」
「えっ?えぇ!!!?」
リナがいきなり、前のめりに飛んでしまう。
何が起きたの変わらず、間の抜けた声を上げていると、
「イメージとしては三脚かな?しっかりと足で踏ん張っていたのを、一本足にするイメージ。抵抗していた力がいきなり消えたらビックリするでしょ」
ここでも、ツバメが何をしたのかを教えてくれるが、今度は返事をしている暇は無い。
いきなり独り相撲となって前に吹き飛んだのは仕方の無い事、ツバメに手玉に取られというだけの話。
「この!!!!」
リナは、体をぐるりと回しながらヒートソードを振って、ツバメを牽制するが、
「そうするよね」
『ガッッギン!!!!』
「ぐっ!!」
その動きは読まれていたらしく、バランスを崩している所にヒートソードをぶつけられて、自分が持っていたヒートソードを手放してしまう。
「うぐっ!?」
無防備なままで地面に倒れてしまうリナ、まだ始まって少ししかしていないのに、格の違いを見せ付けられてしまう。
(劣等種……)
侮蔑を込めてミンクに言った言葉が自分に刺さると、
「ツバメの方が優秀だな」
思い出さないようにしていたトラウマが、頭の中に響く。
ツバメよりも優れた肉体を持ちながら、ツバメに劣るのは年齢の差なのか、それともツバメが持っている潜在能力が高いのか……そんな事を言われ続けて……リナにとって、ツバメは仲良くしてくれる姉であるが、それと同時に、
「ツバメに負けない!!!!」
『バッッ!!!!』
絶対に、負けたくない相手であった。




