学園63
宙に浮いたミンクは、目と口を見開きながら驚愕する。
何百キロとあるはずの自分を、平然と打ち上げる力はミンクと同じ力。
喧嘩から殺し合いにまで発展した時の、本気の一撃。
それが自分の腹にぶち込まれて、腸が潰された勢いで、胃液が口に溢れて飛び散り、
「ぐるぅっぉおおぉぉぉおおぉおぉ!!!!!!」
目の前にいる人の形をした化け物は、どんな物でも打ち砕く自慢の大きな腕に、雄叫びを上げながら抱き着いて来て、
「がっっぁあぁあぁぁぁぁあぁぁぁぁっぁ!!!!!!」
後ろに吹き飛ぶ感覚が、前に変わったのを感じた時には、
『バッガァァァァ!!!!!!』
頭がスパークして目の前が真っ暗になり、頭の中にしこりが出来て、変な悪臭が鼻の中で漂う。
「死ねぇえぇぇぇぇぇぇえぇ!!!!!!」
獣のような雄叫びを上げていたリナが、再び人の言葉を放ったのだが、それは殺意の言葉であった。
『ガスッ!!ガスッ‼ガスッ!!ガスッ!!ガスッ!!』
サッカーボールを蹴り飛ばすように、執拗にミンクの頭を部分を蹴り飛ばす残酷な行為。
宙に浮いたミンクの大きな腕を掴んで、背負い投げで頭から地面に叩き付け、卵の殻ようにヒビが入った頭蓋骨に蹴りを入れ続ける。
なまじの人間ならこの先に、この行為を行い続ければどうなるか想像して躊躇ってしまう行為だが、
『ガスッ!!ガスッ‼ガスッ!!ガスッ!!ガスッ!!ブチュゥ!!!!!!』
『ビィックン!!!!』
パワードスーツの爪先越しに柔らかい感触がしたのが、躊躇する事無く押し潰すと、ミンクの体がビクンと大きく跳ねるが、それは反撃をする為に、立ち上がろうとしたのでは無い、命のスイッチを無理矢理落とされたから。
ミンクのはち切れんばかりの筋肉は、だらしなく垂れて、ヒモの切れた操り人形のようにグッタリすると動かない。
「……劣等種が」
完全に力負けをして敗北したミンクに、侮蔑の言葉を吐きかけるリナの表情は冷たかった。




