学園62
先程の一対一のミンクの処理は、ベテラン兵士なら出来る者は結構いる。
ミンクを処理する所を周りの同期や上級生に見られたとしても、ツバメに教えられたとでも言っておけばいくらでも誤魔化せると踏んで、手順を踏んで始末したが、
「だったら、準備運動しないとね」
そんなまどろっこしい真似を、しなくても良いらしい。
『ゥギャァアァ!!!!』
片腕が大きい、異形な姿をしたミンクは雄叫びを上げながらリナの方へと突っ込み、その勢いのまま大きな腕を振り抜くと、
『バッァゴォォォォォン!!!!!!』
何十キロとある重たいパワードスーツが、軽々と吹き飛ばされてしまい、
『ガァツガッガァザザザザーーー…………』
地面を跳ねて転がった。
『パワードスーツを緊急開放しますか、パワードスーツを緊急開放しますか』
ミンクのたった一発の拳でパワードスーツの装甲は危険域に達し、装甲の緊急排除を提案をしてくる。
「……胴体、腰の装甲を排除」
『胴体部、腰部の装甲を開放します』
「ふぅ……」
パワードスーツごと吹き飛ばされたリナであったが、何事も無かったかのように立ち上がると、ロックを外した部分のパワードスーツが落ちて、ウェアが露出する。
「今ので、やられちゃったかと思った」
「本気で言ってないでしょ」
道端であったミンクの一撃を避けれるリナが、新たなミンクの一撃を避けられない訳が無く、殴られる寸前に真後ろに体を下げて、パワードスーツをひしゃげさせないが、パワードスーツがダメになるようコントロールしたのだ。
ミンクの一撃を避けられるのに、なんで、そんなまどろっこしい真似をしたのかと言うと、
「スイッチが入りそう」
自分の中のテンションのギアを上げるために、あえてミンクの拳を受けたに過ぎない。
その場で屈伸を、腰から上半身を左右に捻り、腕を伸ばして戻して、眠っている体を起こそうとしていると、
『グゥォオオォオォ!!!!!!』
その様子が挑発に見えたのか、ミンクが今一度、拳を掲げて襲い掛かる。
一発目の拳が入った事でミンクは、目の前の人間が、大した相手で無いと思ったのだろう、自分の力を誇示しながら迫ると、
「ぅがぁあぁぁぁっっっぁあぁああぁぁ!!!!!!!!」
リナが突然、獣の様な咆哮を上げて、次の瞬間にはミンクの目の前に跳び込んでおり、
「ぐるぅっああぁあぁああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
『ゴゥェッ!!!!!!!?』
口の中で声を回して、アッパーをミンクの腹に叩き込むと、ミンクは情けない声を出して宙に浮く。




