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学園60

『ブジュゥゥ!!!!』



ミンクの足首に突き立てられたヒートソードが、肉を焼いて鳴く。



ミンクの肉が余程美味しいのか、よだれが煙となって立ち上る。



このままパワードスーツと体の全体重を乗せれば、足首のもっと深い所、骨まで喰らい付く事も出来たが、



『ガァアァァァァアアァ!!!!!!』



足首にヒートソードを突き刺されたミンクは悲鳴を上げるのではなく、雄叫びを上げながら大きな腕を振って反撃をしてくるので、後ろに跳んで距離を取った。



ヒートソードは間違い無く、ミンクの足首に突き刺さったのに、苦痛に悶えないのは野生の生命が為せる技。



腹を喰い破られて口から血を吐き出そうと、引きずり出された腸が地面に垂れようと、生きようとする本能が、足首にヒートソードを突き立てられた程度では(くつがえ)る訳が無い。



ミンクはまた、大きな腕を前に出して肉盾にし、アメフトのように片手と両足を地面に喰い込ませるが、



『グゥォ……』



ヒートソードを突き立てられて方の足が言う事を聞かない。



感情も、本能も、目の前にいる敵を打ち倒さんとしているのに、足だけが拒否をする。



『カシャン……』



リナは、離れた所でハンドガンのマガジンを変えながら、ミンクの様子が戸惑っている様子を見て、足首に突き立てたヒートソードが、足首の腱を切った事を確信する。



筋肉を持つ生き物なら持っている、体を動かす為のパーツ。



腱が伸び縮みする事で、筋肉を動かす部分。



『グゥォグゥワァ……』



腱を切って即死する事は無いが、その効果は絶大で、感情と本能が戦おうとしているのに足を動かせない。



それは、意思とかやる気とか関係の無い怪我、物理的に足を動かせない。



それでも、戦う為に力が入らない片足を無理矢理に動かすものだから、大きな腕を支えられずにバランスを崩して横転してしまう。



まるで腰の弱い老人が、倒れてしまったかのように哀れな様であったが、



『バンッバンッバンッバンッ!!!!!!!!』



『ギャァッッ!!!!』



容赦無く頭を撃たれる。



『バンッバンッバンッバンッ!!!!!!!!』



『ギュギャァッッ!!!!』



無防備に晒してしまった頭に弾丸が飛び込み、頭に火箸を突き立てられるかのような痛みが走ると、慌てて大きな手で頭を隠すが、今度は体を狙われる。



『グゥワァァァァァァァァ!!!!!!』



大きな腕はハンドガンの弾を防げるが、他の部分はハンドガンの弾を耐えられる程度の肉体で、無防備にずっと浴びて良い訳では無い。



『バッッチンンン!!!!!!』



『カシャン……』



このまま防戦一方では、死に逝くと直感したミンクは、起死回生とばかりに大きな腕を振り上げて地面を叩き、焼けた栗が()ぜるようにリナの方へと跳ぶが、



『バンッバンッバンッバンッ!!!!!!!!』



リナは何一つ慌てる事無く、更に後ろに下がりながらマガジンを好感して、ハンドガンを撃ち続ける。



『グゥォォォ……』



自分の頭を守るのを止めての起死回生の行動が裏目に出る。



起死回生の一撃は、リナにとっては単なる苦し紛れに跳んだ過ぎず、身体的にいくら優れていようと、機関砲と同等の弾丸を顔面に何発も入れられては、耐えられる物では無い。



『ズシャッ…………』



「……ふぅ」



何十発も撃ったハンドガンを降ろした先には、蜂の巣のように穴が空いた頭から、赤い蜜を溢すミンクの死骸が転がる。

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