学園56
「アネキ、そんなに不機嫌になっちゃダメッスよ」
「分かってる……」
「別に自分が活躍出来る場はここだけじゃないッスよね。今回は、自分の運の良さを見せ付けれたじゃないスか」
「分かったよ……」
自分の腹の中で不満を溶かそうとするが、それでも溶かしきれない不機嫌が溢れ出る美優であったが、ミィオの宥める言葉で、不満が溶けて、美優の中に不機嫌が治まる。
「……いや~昔から、運が良いんスよ」
ミィオは、模擬戦をせずに済んだ事を良かった言っているが、模擬戦が出来なかった事を残念そうにしている。
美優が勝てると太鼓判を押したように、ミィオ自身も、上級生に勝てると思っていたのかもしれない。
「うん、ラッキーだった」
「幸運だったッス」
大金星を拾えたのに拾えなかった……それは不運なのかもしれないが、ミィオが幸運だというのにケチを付けるのは良くない、リナは、ミィオが「運が良かった」と言うように、彼女の運が良かったと讃えるが、
「それじゃあ、次はリナの番ッスね」
「……うん」
そう、ミィオの次はリナ、遂に自分の番が来る。
「頑張るッス」
「うん……」
今の今までは自分の番では無かったから、他に気に掛ける事も出来たが、自分の番となればやはり、自分自身に集中しなければならない。
「ふぅ…うっ……」
ちょっとしたトラブルで、おかしくなってしまったシミュレーター室の空気を吸ってしまった体内から、おかしくなった空気吐き出す為に息を吐き出すのだが、
「さぁ、私達は真面目にやろうか」
「ツバメ……」
ツバメのその一言で、シミュレーター室の空気が凍り付く。
去年、上級生に勝ったというツバメ。
そのツバメの周りにいるのは同級生達……という事は、ツバメがどうやって勝ったのかを知っているという事になる……知っているから空気が凍り付き、
「良いかツバメ、戦おうとするな、これは模擬戦だからな」
教官ですら、ツバメに警告をする。
「戦おうとするな?どういう意味スか?」
これから模擬戦をするというのに「戦おうとするな」というのはおかしな話、ツバメと繋がりのあるリナに、何があったのかと聞くと、
「……上級生の力を知りたいからって、リンチをしたの」
「リンチ!?そんなのどうやるんスか!?死にそうなダメージを受けたら」
「そうだよ、死なないようにボコボコにしたの……」
「そんな事が出来るんスか?」
「殺さないようにやれば、システム的にも出来るし、それをするだけの実力があるんだ」
リナは、ツバメを睨み付けながら、何があったのかを簡単に教える。




