学園55
ミィオの試合も気になるが、目の前の上級性が気になるのも事実で、試合が始まるまで上級生の事を見ていようと思っていたのだが、
『ガチャ』
「ちょっと来てくれるか」
「どうした?」
「彼女の方にエラーが出て、模擬戦が出来ないんだ」
「エラー?分かった」
ミィオにシミュレーターカプセルの使い方を教えようとした上級生であったが、ミィオの方に何かトラブルがあったらしく、今回の催し物をするにあたって、プログラムを担当している仲間を呼ぶ。
呼ばれるがままにプログラムを担当している上級生も、ミィオのシミュレーターカプセルに入り、それから少しして、
「教官、申し訳無いのですが来てい頂けますか。見た事の無いエラーコードで」
「見た事の無いエラーコードだと?」
あくまでも立ち合いという形でいた教官ではあったが「見た事の無いコード」という言葉で、足を運ぶ。
教官もシミュレーターカプセルの中に入って、また少しすると今度は、ミィオも一緒にシミュレーターカプセルの中から出て来て、
「すまないが、あのエラーコードは私も知らない物でな」
「はい」
「君に付いては、また後日という事で良いか」
「はい」
ミィオに付いては、後日対応するという話で決着が付いてしまう。
ミィオだけは、上級生からの魔の手から逃れた……と言えば、下級生達は羨ましがるかもしれないが、
「………………………………………………………………………………………………………………………………………………………」
鬼の形相で不満をあらわにしている美優を見ては、そんな事は口が裂けても言えない。
美優は、ミィオが上級生に勝つというのを信じていた、確信していた。
笑みを浮かべながらVサインをするミィオ、それに対して満足そうに頷いて喜ぶ自分……そこまでの光景が見えていたからこそ、美優にとってこの結果は不本意以外の何ものでも無い。
トラブルという形で、せっかくの大金星が消えた。
「………………………………………………………………………………………………………………………………………………………」
トラブルというのはどこにでも起きる、それを誰かにぶつけてはいけない……トラブルをみんなで乗り越えるのが仲間だというのを肝に銘じているからこそ、美優は暴れる事無く、行き場の無い不満を、自分の腹の中で必死に溶かそうとしている。




