学園53
「……良かった」
「スプラッターにならないって保証されてても、あれは息を飲んじゃうッスね」
粉砕機に落ちる事無く、模擬戦が終わった事にホッと胸を撫で下ろすリナに、落ちる事は無いと保証されていても、見入ってしまったと笑うミィオだが、
「……これって、小此木は引き分けたって事?」
「……多分、引き分けたんスかね?」
「無事」に小此木がシミュレーションを終わった事は喜ばしいであり「無事」にシミュレーションを終えたという事は……
「もう充分!!もう二度とやらない!!」
「はぁ……そうは言っても授業でやるんだぞ……」
赤ちゃんのイヤイヤ期のように泣き叫ぶ小此木と、そのイヤイヤ期の赤ちゃんを相手にして、ゲッソリとした表情をして出て来る上級生。
「ほらっ、パイロットカードを教官に渡すぞ……」
上級生は、暴れる小此木の首根っこを捕まえて引き連れ、教官にパイロットカードを渡し、
「活きの良い奴に当たったな」
「参りました……精進します」
自分が、小此木にやられたと宣言した。
「「「…………」」」
その宣言を聞いた途端に、騒ぎはしないものの、下級生達の表情が明るくなる。
散々、上級性達にいたぶられて来た下級生達にとって、小此木の引き分けたというのは大きな戦果。
そして、その大きな戦果は、
「よしっ!!次の者達、準備しろ!!」
「はいっ!!」
下級生達に戦意を蘇らせる。
今一度、下級生が戦意を奮い立たせてシミュレーターに向かう中、
「しくしく……」
今一度、下級生達の戦意を奮い立たせるという功績を残した小此木は、涙目で列に戻るのであった。
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『模擬戦終了』
「うっ…うぅ……」
小此木の活躍で、戦意の高まった下級生達であったが、再びの上級生からのいたぶりによって、あの活躍が奇跡的な事。
この模擬戦は引き分けで確かに大金星……だが、それを正しく言えば、勝てないから引き分けで大金星なのであり、抵抗すら出来ない弱い者が引き分ける……というのは至難の業であり、小此木の活躍が自分達に光明を示す物では無く、彼自身、小此木に捧げられた賞賛の光だったと分かってしまう。
若い番号の者達の中で、小此木だけが引き分けて、後は殲滅されるという結果で終わり、中盤の番号の者達も順次やられていき、
「次の者」
「はい!!」
遂に、ミィオの番が来る。




