学園51
「なんだ!?」
コンテナのようなゴミ箱に入った瞬間に、叫び声から悲鳴に変わったのを何事かと覗き込むと、そこには底の無いポッカリと開いた闇がある。
「ああぁぁあぁぁぁぁ」
「…………」
小此木は、分厚いコンテナ様な集積ゴミ箱の中に入って時間稼ぎをしよとしたのだが、底が無いものだから、安全紐の無いフリーフォールをする羽目になって悲鳴を上げたのだ。
「ぁぁぁぁぁぁぁぁ…………」
底の無いコンテナのゴミ箱に落ちていく小此木、これが意図した行為では無いとしても、このままでは逃げられてしまう。
「……くそっ!!」
上級生は、バイザーに移る作戦時間にもう余裕が無いと判断すると、底の無いコンテナのようなゴミ箱の中に飛び込み……
「やってしまったな……」
「「えっ?」」
シミュレーター室で観戦している教官が、上級生もコンテナのようなゴミ箱の中に入り込むとついつい声を漏らしてしまい、今まで模擬戦に一回も感情を表さなかった教官が、声を漏らさなかったのにここで感情を出した事で、全員の視線が教官に注がれる。
「むっ…うぅん……まぁ、話をせざるを得ないか」
場を提供し、トラブルが起きないように立ち会い、あくまでも見守るというスタンスであったのだが……
感情を見せてしまっては話をせざるを得ない。
「この地枷施設に付いては後で話すが、お前達、我々の鳥かごでは、ゴミをどうしている」
「……?はい、ゴミ集積場にゴミを出して、それを清掃員の方がゴミ収集センターに運んで処理をします」
「そうだ、その通りだ。しかし、こうは思わないか、そんなまどろっこしい事をしないで、下層にゴミを集める方法を造れば、ゴミの処理が手軽に済むと」
「はい…まぁ、そうかと」
まるで他愛の無い話をする教官に、上級生は困りながら当たり障りのない返答をしていると、
「助けてぇぇえええぇえぇぇ死ぬぅうぅうぅう!!!!!!」
「暴れるな落ちる!!!!!!!!」
端末の中から二人の叫び声が聞こえて、そちらの方に視線を移すとそこには、鉄格子にしがみつく二人がいて、
「これが、この鳥かごの中では地下処理場を造らなかった理由だ」
『ゴォゥンゴォゥンゴォゥンゴォゥン』
小此木と上級生の真下一面には、上から落ちて来た物を問答無用で粉々にする破砕機の回転式刃物が、轟音を鳴らして獲物を待っていた。




