学園39
『模擬戦終了 模擬戦終了』
「終わった」
「終わったッス」
同級生の顔に弾丸が撃ち込まれて、顔がグチャグチャになる……そのシーンが端末に映し出される事は無かった。
「見ての通り、このシミュレーターは限りなく現実に近い。それこそ、シミュレーションの中で起きた事で失神する者もいれば、最悪ショック死もする」
教官からの唐突な宣告に、下級民達は息を飲んで強張った顔をするのは当然。
今、シミュレーターカプセルの中にいる同級生は顔面に弾丸を撃ち込まれて終わった……となれば、その先でどうなっているかという話。
ショック死をしてもおかしくないという説明、顔面に弾丸が撃ち込まれた最後。
最悪のケースを想像するには余りにも容易く、下級生達の視線が、同級生がいるシミュレーターカプセルの方に視線が注がれ……
『ガチャ……』
みんなの心配……もとい、シミュレーターカプセルに死体が転がっているかもと、注目を浴びていたシミュレーターカプセルの扉が一人でに開くと、
「うっ…うぅ……」
呻きながらフラフラと、同級生が出て来た。
「さっきの話は、シミュレーターの制限を解除した場合の話で、普通に使う分には機械の方で精神状態と状況を照らし合わせ、危険域に達するとシャットダウンしてくれる」
『ガチャ』
呻きながらフラフラと歩く同級生、その隣のシミュレーターカプセルで戦っていた上級生が出て来ると、下級生の肩を受け止め、
「教官、催し物の最中ですが、下級生がシミュレーター酔いを起こしてしまったらしいので、保健室に連れて行きます」
「うむ、頼むぞ」
何ともわざとらしい事を言う上級生に、教官もわざとらしく頷いて許可を出すと、フラフラ歩く下級生を連れて外に出て行く。
「さて、次の者達はシミュレーターカプセルに入れ……あぁ、後何だが、取り出さなかったパイロットカードは差込口から機械に回収される心配するな」
一試合目の戦いを見せられて意気消沈する下級生だが、教官から次の模擬戦の準備をしろ言われて逆らえる訳も無く、二番目に戦う者が、上級生に連れられてシミュレーターカプセルに連れ込まれてしまう。
「完全に餌扱い……」
「嫌ッスねぇ……」
まだ自分達の番まで時間のあるリナとミィオは、自分達の置かれている状況をぼやく。




