学園33
例え「気にしていない」と、直接口から言われても自分がした事が無くなる訳では無く、また、気を使われているのは考えるまでも無い。
ミィオが許すという態度を見せているからと言っても、リナの心が、それを許容出来無い。
ミィオは、リナに元気が無い事には気付いてはいるが、さすがに教官の説明を受けている時には、リナに構う事は出来無いらしく、脇目に触れない。
教官は、下級生全体を見渡して、リナだけが何もしていない事に気付いたが、
「パイロットカードを壁に差し込め、壁が開いて中にある端末が使えるようになる」
これ以上リナの為だけに話を止めて、時間を使う気にはなれなかったのだろう、何もしないリナを放置して説明を続ける。
「中の端末は、パイロットカードと交換する事で使用出来る。それと端末は他でも借りられるが、それに付いては後日詳しく話す。まずは、端末を受け取って、モニターから出る指示に従って操作しろ」
「ハイテクッスねぇ」
ミィオは、教官の説明通りにパイロットカードを壁に差し込むと、教官が言った通りに壁が開いて、中には胸の幅程あるモニターが置いてあった。
置かれている端末の表面には液晶画面といくつかのボタン、フレームは分厚く無骨なデザインで、
(だいぶ重たそうスね。戦闘に出た際の時に耐える為スか)
このまま地上に持って行っても、問題の無さそうなデザインをしている端末を手にしてみると、その見た目の通り重たかった。
モニターを壁の中から取り出すと、収納場所と化していた壁が閉じて、元の壁に戻る。
「さて、どうやっ……」
『キューーン』
モニター端末の起動スイッチを探そうとした時、モニター端末が独特な電子音を鳴らして自動的に起動を始める。
『起動中……起動中……』
モニターには起動準備を表す文字が浮かび上がっては消え、浮かび上がっては消えてを繰り返して最後に画面が青色に染まると、小さなアイコンがモニター内に並べられていた。
これだけなら良くあるモニター画面だが、そのアイコンよりも前に、中央部分にデカデカと、
『今日のチュートリアルだよ。押してね。上級生より』
っという謳い文句が画面を占領していた。
(悪趣味ッスな)
これが仕掛けられた罠だというのは十分に理解しているが、それでもここはチュートリアルを起動させざるを得ない。
書かれているがままに、アイコンを押そうとしたが、そこで何気無くリナの方に視線を向けると、リナは相変わらず下を向いたまま動いていなかった。




