学園23
「ストップアネキの悪巧みッス!!」
少女は慌てて下級生の列から飛び出すと、アネキの腕にしがみついて出て行くのを邪魔すると、美優は自分の腕にしがみ付いた少女に、
「三分で探す、一分で戻る」
自分がしようとする事を素っ気無く、端的に説明するのだが、それとは逆に動作は優しく、少女を振り払おうとせず、少女の肩を叩いて優しく離れるように促すが、
「ダメッス!もう時間が無いッス!」
少女の手はアネキの腕を強く握り締めて、彼女を行かせまいと必死だった。
「アネキは、いつも暴走するんスッから!!っていうか見付けるまで帰って来ないッス!!」
「いや、帰って来る」
「帰って来ないッス!!」
美優は、手を離さない少女を振りほどけずに動けない。
ポニーテールの少女は廊下の方を向き、
(迷子になってる所を助けられて、登録何かされたら……しょうがねぇ……)
心の中で短い考え事を終えると、腕にしがみついている少女のおでこに、曲げた指を近付けて、
「いてッス!?」
急におでこを弾かれた少女は、おでこに走った痛みに手を添えてしまい、アネキの腕を掴んでいた手を離してしまう。
そして、少女の拘束から逃れた美優は、
「さっさと列に並ぶぞ」
廊下に出て行くのではなく、シミュレータ室の中に入るのであった。
おでこにデコピンを喰らった少女は、口を尖らせて、
「酷いッス……自分は最初から並んでいたのに……」
強く小突かれた訳では無いのだが、おでこを痛そうに撫でながら下級生の列へと戻って行く。
だが、その時の少女は、アネキが自分の想いを優先してくれたのが嬉しかったのだろう、言葉とは逆に、表情の方は嬉しそうに笑っている。
少女は駆け足で自分のいた場所に戻ると、
「アタシ、リナって言うのよろしくね」
隣で並んでいた朱色のボサボサ髪の少女が、いきなり自分に自己紹介をして来た。
「じ、自分はミィオッス、よろしくッス」
いきなりの自己紹介で少女はつい反射的に、を深々と下げながら自己紹介をした。
「うん、ミィオって言うんだ」
リナは少女と自己紹介が出来た事が嬉しいのか、嬉しそうにしている。




