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学園20

天国と地獄の板挟みな当の本人と言えば、自分に穴が空く程の視線を浴びせられる状況を想像して、



「レインコート持ってこようかな……」



空恐ろしい物を感じて、身震いをする。



ムッとしているリナと、ゾッとしている小此木、そんな二人にニコニコしながらツバメは、



「それじゃあ、三人手を繋いで行けば良いよね?」



「ふにゃ?」



「へっ?」



無理くりな正解を無理矢理作り出すと、驚いているリナと小此木の手を握り、ツバメは躊躇(ちゅうちょ)無くシミュレータ室の中に二人を連れ込んで行ってしまう。



「ツバメだ」



「また変わった事をしてる」



シミュレータ室では既に上級生と下級生が向かい合う様に整列し、その間に教官が立って待っていたが、今来た三人が普通に入って来たなら、さほど注目しなかっただろうが、入ってきた三人が手を繋いでいる事に全員が注目が集まる。



そんな視線の中、ツバメはいつも通りと気にせずに手を離し、



「二人共、番号通りに並んでね」



そう伝えると、上級生の列の中へと何事も無かったように入り込む。



それに対して、シミュレータ室にいる生徒達の目線があからさまに自分達を見ている事に、リナと小此木は気まずい思いをし、



「リナ……とにかく僕達も……」



「そうだね小此木……」



どう足掻いても、視線から逃れる事が出来ないと悟ると、二人は頭を下げてガックリとしながら、



(最初から幸先(さいさき)不安だよ……)



周りから注目されながら、下級生の列に混ざっていった。



それから、上級生は特に喋る訳でも無く、ただ時だけを重ねていく時計を見ていたが、下級生の方はこれから何が始まるのか分からないためか、ざわつきながら時間を過ごす。



無味無臭のような、時間を噛みしめながら少しすると、またドアが開き、



「ここスかアネキ」



「そうだ」



ポニーテールの少女と、それに付き従うように一人の少女がシミュレータ室に入って来た。

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