学園19
「プレゼントですか……食料でも配給されるんですか?」
「なんだろうね?でも、きっと楽しい事だよ」
さっきまで平安時代にいた小此木は、急に現代へと勝手に帰って来ると、今までしていたギャグ等は忘れたかのように話しているが、自分の頭を撫でる為に座り込んでくれたツバメに、手を差し伸べるのは忘れない。
そんな紳士的な行為を忘れない小此木に、ツバメも微笑み返して、手を握り返してゆっくりと立ち上がると、
「フンッ……」
そんな紳士的な行為を見て、リナは鼻を犬のように鳴らし、不機嫌そうに腕を組んでその場で仁王立ちする。
小此木は、ツバメを立ち上がらせると手を握ったまま、
「それじゃあ、自分達も行きましょうか」
「そうだね……」
二人は手を握ったままドアの方へと歩み出し……
「へ~~~~~~……そのまま行くんだ……」
仁王立ちで、こちらを睨むリナと目が合ってしまう。
何か気まずい感じがした小此木は、空いている方の手でリナに手を振ってみるが、そんな「デート途中で偶々あったね」みたいな雰囲気に、リナは黙ったままこめかみを引くつかせる。
小此木は、こめかみを引きつかせながら仁王立ちする姿について一言「弁慶ですか」と言おうとしたが、怒りでこめかみ動かしているのに、それに触れたら自分の身が危なくなる事に感付き、小此木は手を振るのを止めて、その場に直立したままリナと同じように黙りこくる事にした。
リナも小此木もツバメも、黙ったまま無意味に時間を過ごす……訳では無く、さすがのリナも、時間が無い事に気付いているのだろう、不機嫌な顔は変えずに、
「そのまま、手を握ったままで行くんだ……」
小此木とツバメの握っている手に、視線を落とす。
「手って……あぁ、すみません!?」
小此木は、リナに指摘されるまでツバメと手を握っている事に素で気付いてなかったのか、はたまたわざと声を上げたのかは分からないが、すぐにツバメから手を離した。
手を離して、ツバメから申し訳無さそうに離れたが、それでもリナは不機嫌そうにそっぽを向き、
「まぁ、手を繋いだままでも良いんじゃない!?他の男子に睨まれる位で済むんじゃない!!どてっ腹に穴が空く位に!!」
小此木に悪態付くのだが、その悪態に応えたのは小此木では無く、
「小此木なら、手を繋いだままで平気だよね」
ツバメが、何かを期待しているかの様な雰囲気で、微笑みながら応えた。




