第二話 「変……辺境騎士団」の門をくぐる
暮光港を発って半日、街道は死に始めていた。
道の両脇に生えていた草が、まず消えた。轍を踏む響きが、柔らかな土から岩盤に変わった頃には、空は更に重くなっていた。鉛を溶かし込んだ紫灰色が、地平線まで一枚の蓋のように被さっている。陽は出ているはずだった。しかし光が届く前に何かに吸われている。
風もまた違った。ヴェルダナの港風は潮と魚と人の気配を運ぶ。ここの風は何も運ばなかった。乾いて、重く、石の上を這うように低く吹いている。鳥も獣もいない。渺々と砂利の擦れる音が響くだけだった。
喉がざらついた。
乾燥のせいではない。空気の中に、何か——名付けようのない異物が混じっている。港で嗅いだ匂いがいよいよ濃くなり、喉を灼く腐敗の気配が加わっていた。
「初めてか?」
補給隊の傭兵——四十がらみの、顎髭を伸ばした男が、馬車の荷台で話しかけてくる。風と瘴気に晒され続けた、鞣し革のような肌をしている。
「半年で慣れる。慣れなきゃ死ぬ」
慰めにもなっていない。だが男の口調には乾いた実感があった。
「水は少しずつ飲め。瘴気で喉がやられると、後が辛い」
懐の小袋を手で確かめた。翠工房の精霊力封入結晶——封霊晶。ヴェルダナを発つ前に両親が持たせてくれた三つのうち、一つは碧月海の船上で使ってしまった。残りは二つ。辺境では簡単に補充できない。翠工房でなければ製造できない品だ。
——まだ二つある。大事に使えば、何とかなる。
荷馬車の車輪が、灰色の岩盤の上で鈍い音を立てた。この土地は石すら脆い。前方の地平線に、黒い影が見え始めていた。
暮光城。辺境騎士団の本営。
影は次第に大きくなり、やがて鉛の空を背に、その輪郭が石と鉄の稜線として立ち上がった。城壁は高く、分厚い。そして美しくはなかった。装飾がない。ただ石を積み、鉄で補強し、用途だけで形を決めたような構造物だった。城壁の石は灰と黒の斑で、所々に補修の跡がある。新旧の石材が噛み合わされ、色の違いが年輪のように城壁の歴史を刻んでいた。幾度も壊れ、直され、建ち続けている。
飾り物ではない城。
その言葉が、不思議と胸に落ちた。
*
正門は開いていた。
開いていたというより、閉める気がないように見えた。門扉の蝶番には錆が浮いており、門柱に立つ兵は一人だけだった。痩せた壮年の男で、暗い緑色の外套を不精に羽織り、だらしなく欠伸を噛み殺している。
フェルンが近づくと、門番は欠伸の途中で目を開けた。
「辞令を見せろ」
翠波騎士団から受け取った出向の書類を差し出す。門番はそれを片手で受け取り、物憂げに一瞥した。そして書類をフェルンに返しながら、まるで朝の挨拶のように言った。
「ようこそ、辺境騎士団へ。ここは地獄だ。はっきり言っておく」
「……は?」
「定型句だ。全員に言ってる。次」
次——と門番が顎をしゃくった先に、別の集団がいた。
箱馬車が二台、停められている。護送用の、窓のないもの。記憶が一瞬、六年前の裏路地に引き戻された。
そのうち一つの錠が外され、中から三人の男が降ろされた。
いずれも若い。フェルンと同世代か、少し上か。そしていずれも——顔立ちが整っていた。
最初に降りた男は、見事な金髪を肩まで伸ばし、乱れた巻き毛の間から怒りに燃える碧眼を覗かせている。体格の良い青年で、手首に枷が嵌められていなければ貴族の舞踏会にでも居そうな風貌だった。その顔が、到着の瞬間から全力で不満を叫んでいる。
「ふざけるな! 俺はマルクス・フェロクスだぞ! フェロクス侯爵家の——」
「うるさい。黙れマルクス」
護送兵の一人が、金髪の頭を手のひらで押さえつけた。フェロクス侯爵家を名乗った男はなおも暴れている。仕舞いには地に引き倒され、石畳に当たった枷が甲高い金属音を立てた。
二人目は対照的に静かだった。黒髪の細身の青年が、枷を嵌められた手首を気にするでもなく、まるで散歩の途中で足を止めたかのような顔で砦の城壁を見上げている。顔立ちは端正だが、何を考えているのか読めない目だった。視線が門柱の間隔から石壁の目地へと、奇妙に正確な順序で動いている。
三人目は——泣いていた。赤毛の、まだ少年と呼んだ方がいいような年齢の男が、鼻を啜りながら護送兵に引っ張られている。
「家に帰りたい……」
「帰れるか。お前の家が辺境送りを選んだんだろうが」
門番がフェルンの隣に来て、物憂げな顔のまま顎を突き出した。
「防衛協約第七条による徴発だ。知ってるか?」
「……ええ。軍制学で、少しだけ」
「各国が持て余した貴族の倅を辺境に突っ込む仕組みだ。建前は防衛義務の人的供出だが——」
門番は騒ぎ立てる金髪の青年を見やって、片眉を上げた。
「——実態は流刑だな。見ろ、今回も粒が揃ってる」
「粒が揃ってる、って……」
「顔がいいだろう。大貴族の倅は大抵そうだ。血統に金をかけてるから、顔だけは仕上がってる。中身は屑だがな」
彼は我が意を得たりという顔で言った。
「『屑の美男』。ここではそう呼ぶ」
城壁の内側を見渡せば——確かに、すれ違う兵たちの中に、明らかに「元は上流の出自」と分かる骨格と肌の者が混じっている。そしてもう一つ——
女がいない。
訓練場の端から端まで、兵舎の窓から覗く顔まで、一人も。
門番がフェルンの視線に気づいて、しばしば問われるのか、億劫そうに言った。「城壁の中は女人禁制だ。風紀維持とかいう規則でな。昔っからそういう決まりだ」
「ちなみに」と門番は怪訝そうにフェルンを見て付け足した。「あんたは志願なんだよな?」
「はい……ヴェルデンの正規出向枠で」
「物好きだよな。出向なんて三年ぶりだ……まあいい。副団長室に行け。二階の奥だ」
門を抜けると、中庭に出た。石畳の広場の中央に井戸が一つ。先ほどの金髪の青年——マルクスが、護送兵二人に担がれるようにして別棟に連行されていく。まだ喚いている。
「——俺を誰だと思ってる! 父上に言い付けてやるからな!」
「その父上が辺境に送ったんだ馬鹿者」
護送兵の返しがあまりにも的確で、フェルンは思わず吹き出しそうになった。堪えた。これは笑ってはいけない場面だ。多分。
泣いていた赤毛の少年が、別の兵に連れられて兵舎の方へ歩いていくのが見えた。まだ鼻を啜っている。背中が小さく、肩が震えていた。捨てられたのだ。その背中を見ていると、笑いかけた気持ちがすっと引いていった。
しかし——変……辺境騎士団。あの蔑称が、嫌になるほどしっくり来る光景だった。
*
二階の廊下は石壁に囲まれた薄暗い通路だった。窓は細く、採光よりも矢狭間としての機能を優先した造りで、壁の石は切り出したままの粗い手触りだった。
突き当たりの扉の前に立った。扉は厚い樫の一枚板で、表面に辺境騎士団の紋章——三重の輪の意匠——が浅く彫り込まれている。六年前に見た紋章だ。ただし「内側に向かう刃の鋭さ」は、彫刻では随分と穏やかに見える。
扉を叩いた。
「入れ」
短い一言だった。命令に慣れた人間の声だ。
扉を開けた瞬間、空気が変わった。整えられた空気だった。窓は開いているのに、室内に瘴気の匂いがほとんどない。張りがあって、清涼で、呼吸が楽になる。聖別された空間だ——と後になって知るのだが、この時のフェルンにはただ「ここに入った瞬間に喉のざらつきが消えた」としか感じ取れなかった。
室内は実務の部屋だった。壁面に書架、卓上に書類の束、墨壺、封蝋、地図。地図は辺境区の全域を覆う大判のもので、卓の半分を占めている。地図の上に小さな石の駒がいくつも並び、部隊の配置を示しているらしかった。物が多いのに散らかっていない。全てに定位置がある。
卓の向こうに、男が立っていた。
立っていた——正確には、立ち上がるところだった。書類を卓に置いて背筋を伸ばし、入室した者を見定める動作が、一つの流れとして淀みなく繋がった。
暗い金色のきっちりと撫で付けた短髪。日焼けした肌。均整の取れた体格は着込んだ団服の上からでも分かった。フェルンが見上げる高さだった。自分も小柄ではないが、相手の方が頭一つ高い。
目が合った。
鉄灰色。計算と判断の速い人間の目だ。教官の目とも違う。教官は型を見る。この目は結果を見ている。
「出向枠か。書類は届いている」
声は低めで、よく通った。
「フェルン・ネモリス、ヴェルデン連合王国の翠波騎士団第三中隊所属の従騎士です。本日付で辺境騎士団への正規出向を——」
「長い。名前と配属元と辞令番号だけでいい」
遮られた。しかし不快ではなかった。むしろ小気味良いほどの簡潔さだった。
「フェルン・ネモリス。ヴェルデン連合王国、翠波騎士団第三中隊。辞令番号一七六三」
「よろしい」
男が卓の上から出向受理の書類を取り上げ、墨壺を手前に引いた。
「私がこの砦の副団長を務めるファビウス・アクリスだ。配属先は追って伝える。今日から辺境騎士団の規律に従え。報告は簡潔にしろ。結果を出せ。過程は問わない。以上だ」
「はい」
「それと」
ファビウスは書類に署名しながら、顔も上げずに付け足した。
「名誉団長について聞きたいか?」
「はい、少しだけ——」
「飾りだ。気にするな」
簡潔だった。だがその一言を発する直前——ほんの一瞬、筆の走る速度がわずかに落ちた。
ファビウスは署名した書類を重ね、抽斗に戻しながら言葉を継いだ。
「ヴェスペル・アウレクス殿下は、アルカディア王の兄——故ルクセス殿下の御子だ。アルカディア王族の金髪ではなく黒髪で生まれたことから、内地では居場所がなかった——と言えば聞こえはいいが、要は邪魔者として体よく追い払われた」
声に感情はなかった。事実を報告する副団長の声だった。
「殿下は三階の団長室におられる。用がない限り近づくな。用がある場合もまず私に通せ」
——監視だ。
そう直感した。ファビウスの声と仕草の端々が、名ばかりの団長を「管理」する者のそれだった。
「最後まで立っていろ」
ファビウスは書類を閉じ、初めてフェルンの目を正面から見た。鉄灰色の目に、値踏みとも激励ともつかない光が一瞬宿る。
「それが辺境で生き残る唯一の方法だ」
「——了解しました」
背筋が伸びた。自分でも驚くほど自然に。
退室して廊下に出た時、フェルンは息を吐いた。緊張で止めていた息だった。
——有能な人だ。そして厳しい。
だが不公平な人には見えなかった。書類の扱いひとつ、声の張りひとつに、やるべきことを正確にやる人間の骨格があった。
「飾りの団長」のことは——簡単には片づけられなかった。疎まれ辺境に送られた、副団長により管理される王族の子。
だが今のフェルンには、その副団長の下で生き残ることの方が遥かに切実だった。
*
訓練場は砦の中庭を挟んだ東棟の裏手にあった。
剥き出しの灰色の地面——石畳すらない。踏み固められた土に砂利が混じり、あちこちに刃物で抉ったような溝が走っている。模擬戦の跡だ。ヴェルダナの練兵場では、模擬戦の後に必ず石工が修繕を入れた。ここでは傷をそのままにしている。
数名の兵が、訓練場の奥で組み手をしていた。号令をかける教官の姿はない。各々が自分の間合いで打ち合っている。自主訓練だった。息を吐く音、靴底が地面を蹴る音、金属が噛み合う音。それだけで——ここが学院とは別の場所だと肌で分かった。
その中に、見覚えのある体の動きがあった。
刈り込んだ亜麻色の短髪。日に焼けた肌。広い肩幅。
槍を手にした青年は、相手の突きを盾で受け流し、間合いを半歩詰めて柄で胸を突いた。華がない。しかし隙もない。足元を見た。体の軸がまるでぶれていない。受け流してから打つまでの動作が、ひとつの流れとして完結している。
組み手が区切りを迎え、青年が槍を肩に掛けて水桶の方へ歩き始めた。重心が低い。足音を立てない歩き方だ。その途中でフェルンの視線に気づいた。
立ち止まった。
静かな瞳がフェルンを捉え、一瞬だけ細まった。記憶を辿るような間があった。
「——ヴェルダナの宿屋の倅か」
覚えていた。
「フェルン・ネモリスです。ガルス様、あの時は本当に——」
思わず感謝が口を衝いて出た。しかしガルスの方が先に眉を顰めた。
「様はやめろ。お前の方が身分は上だ」
そうらしい。フェルンはヴェルデンの下位貴族の子弟でしかないから、ガルスは平民なのだろう。
「じゃあ……ガルスさん」
ガルスは一瞬、口の端を歪めた。苦笑だった。
「まあ、それでいい」
水桶から柄杓で水を掬い、口を潤してから、ガルスは改めてフェルンを見た。視線は上から下へ、武人が相手の体を測る時の目の動きだった。
「本物の騎士になれたか?」
「……まだです」
「そうか。ならここで証明すればいい」
短い。六年前と同じだ。多くを語らない。だが言葉の一つ一つに、余分な空気がない。
ガルスが訓練場の方に顎をしゃくった。
「ここには本物しかいない。飾りは来た時点で叩き直される。——お前が志願で来たなら、叩き直す必要もないだろうが」
「……門番に物好きだと言われました」
「間違っちゃいない」
笑みが浮かんだ。口の端だけの、素っ気ない笑みだ。だがその目は、六年前にフェルンの問いに答えた時と同じ——静かで、真っ直ぐだった。
その視線が、一瞬、砦の奥——本営の最上階に走る。
「殿下がいるから、ここは面白いぞ」
——殿下。
「名誉団長のことですか?」
「そうだ。あの方の下で働けることが、俺の誇りだ」
嘘をついている口調ではなかった。そしてその声には、「頼れる上官を尊敬している」というだけでは済まない重みがあった。
「……ちなみに」
別の話題を探すように、フェルンは口を開いた。
「学院で噂を聞いたんですが。名誉団長は……『黒髪の怪物』と呼ばれている、と」
空気が変わった。
ガルスの目が冷たくなった。笑みが消え、灰色の瞳が硬質な光を帯びた。
「内地の連中は」
低い声だった。
「——あの方の皓目も確かめずに、怪談ばかり垂れ流す」
聞き慣れない言葉が耳に残った。
「皓目——というのは、目のことですか?」
訊いてしまってから、踏み込みすぎたかと後悔した。
「見れば分かる」
それだけだった。まるで、言葉で説明したところで噂の上塗りにしかならないと——そう言いたげな沈黙だった。
ガルスは水桶の柄杓を元の位置に戻し、訓練場へ歩き始めた。その背中を見送りかけたフェルンに、振り返らないまま、低い声が届いた。
「——あの方の髪も、怪物の証だと内地では言うらしいな」
フェルンは口を開きかけたが、ガルスの足は止まらなかった。
——触れてはならない場所に触れた。
ガルスにとって名誉団長は、噂話にしてよい存在ではないのだ。皓目。黒髪。怪物の証。——いくつかの断片が、まだ像を結ばないまま頭の片隅に沈んでいった。
*
兵舎の寝台は薄かった。
藁を詰めた布の上に毛布が一枚。石壁から滲み出す冷気が、毛布ごと背中に食い込む。
それでも体は限界まで疲れていた。暮光港からの半日の道のり、入城、副団長への挨拶、ガルスとの再会——一日の密度が、翠波騎士団での一月分に匹敵する。
消灯の後、兵舎は静まり返った。しかし完全な沈黙ではない。砦の外壁を瘴気帯からの風が打ち、低い唸りのような音を立てている。石壁を透かして届くその音の中に、あの淀んだ匂いが混じっていた。
隣の寝台で、先に横たわった兵が規則正しい寝息を立てている。こんな匂いの中でも眠れるのは、瘴気に慣れている証だ。フェルンの反対隣の寝台は空だった。その向こうに、もう一つ空の寝台が見える。戻ってこなかった兵がいるということだ。
学院の噂では変……辺境騎士団などと言っていた。確かに変だ。門番は欠伸をしている。徴発されてきた美男が泣いている。金髪の暴れ馬が大声で喚いている。女は一人もいない。
だが——
ガルスさんの目は嘘をついていなかった。
あの裏路地で見た静けさは、ここにあった。ファビウス副団長の声の張りも、訓練場の兵たちの無駄のない動きも、全てが——飾りではなかった。
封霊晶を握りしめた。小袋の中で硬い結晶が指に当たる。ヴェルダナの両親が持たせてくれた、最後の二つ。故郷はもう、海と水道の向こうだ。
——ここで、俺は本物になる。
瘴気の匂いが混じる風を、肺の奥まで吸い込んだ。吐いた。あの傭兵が教えてくれた通り、喉はざらついた。だがその痛みさえ、今は——ここにいる実感として、全身に染み渡った。
その夜、フェルンは硬い寝台の上で、故郷を出て以来はじめて——夢も見ずに眠った。
■黄昏辺境区防衛協約
・第一条(定義および目的)
本協約は「黄昏辺境区」の地理的境界を確定し、同区域の絶対防衛を全人類の存亡に関わる最優先課題として定める。
・第二条(指揮権および統治権)
アルカディア王国の推挙する者を「辺境伯」に任じ、全批准国の同意をもって、同区域の独立した統治権ならびに特権的軍事指揮権を付与する。
・第三条(出資・派兵の義務)
各批准国は、自国の国境なき防衛のため、国力に応じた資金、物資、および精鋭部隊を黄昏辺境区へ定期的に供与・派兵する義務を負う。
・第四条(教団との連携)
浄滅教団ならびに「終焉の灯修道院」に対し、完全かつ不可侵の治外法権を保証する。辺境騎士団は、修道院による聖別・浄化活動を最高優先度で保護・支援しなければならない。
・第五条(特例資源の分配権)
黄昏辺境区内にて獲得された特異な魔物素材、および瘴気に関する未踏の知見については、防衛への貢献に対する代償として、特定の批准国(碧月海商都連盟など)に優先的な商取引・分配の権利を認める。
・第六条(多国間統合軍の編成)
防衛線の単独維持が困難であると辺境伯が認定した場合、各批准国は直ちに正規軍本隊を派兵し、辺境伯の指揮下に統合作戦軍を編制する義務を負う。
・第七条(特権的強制徴発)
辺境区の防衛に不可欠と認められる非常の事態において、辺境伯は自身の裁量により、全批准国の領土内から人員および物資を強制的に徴発する絶対的権限を有する。いかなる国内法も本条の行使を妨げてはならない。




