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メカニカル☆ウィッチ  作者: 星乃祈
第1章「二人だけの約束」
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第5話「メカニカルウィッチ学園」



 ――メカニカルウィッチ研究所で起きた事件から数日後。ワールドユニオンの本拠地にて。


 今現在、地球上のどの国にも属していない国際的な中立地域。かつてWWⅢの末期にその名すらも封印された()()()()()が人類史上初めて放たれ、世界地図からも消滅した()()()()()()()()があった場所に、戦後作られた人工島の上にワールドユニオンの本拠地が建てられていた。


 ここは魔法科学による最新技術で世界で最も発展した場所となっていた。

 魔力や人工精霊を研究する世界最大規模を誇る巨大な研究所に、メカニカルウィッチを設計開発する工場や実験場などの施設。

 その周辺には世界大会の会場としても使われる、既存の全ての種類のバトルフィールドのスタジアムを内蔵する巨大な競技場。

 果ては世界平和を維持する為に名国の軍を統合して作られた『ワールドユニオン軍』の本部など、世界の中枢とも言える建物が集まっていた。

 そして、島の中央にはシンボルとも言える、人類初の『宇宙エレベーター』が世界を見下ろす様に建てられていた。


 そんな宇宙エレベーター内にある世界の頭脳とも言える場所、加盟する名国の代表が集まり議論する為の議会室で、先日の事件の議題が執り行われていた。


「――以上が、我が国で先日起きた事件の概要となります。 犯行に使われた機体は、細かい部分こそ違えど、軍が運用している『ユニオンソルジャー』で間違いありません。 現場で確認された三機は、軍の関係者を名乗る者たちが回収した様ですが……機体と中に乗っていたであろう人間を含め、その者たちの行方は不明で、現在調査中です」


 議会室の中央に立ち説明しているのは、美月の住むJP国の代表である白金光一(しろがねこういち)と言う名の男性だった。


 戦後、地球上のすべての国がワールドユニオンの元に統一されたことで、国名も元の中はつけられた記号で統一されることになった。

 自治権こそは以前の様に残されているものの、国のトップも『代表』と言う役職に置き換えられ、この議会の場では平等に一議員として扱われていた。


 白金代表は、自国で起きた事件に内心怒り心頭だったが、どうながら冷静さを保ち、説明を続ける。


「軍の機体は世間一般には公開されておらず、議会の承認なしでは動かせない様にプロテクトがかけられてる筈です。 それこそ何処ぞのテロリストの手に渡って、テロに利用されるなど絶対にあり得ません。 私は()()()()()()内部の者仕業だと疑っています」


 白金代表の鋭い視線が、この場にいる代表たちを射抜く。

 しかし、代表たちはまるで自分は関係ないと言った様子で、好き勝手に口を開き始める。


「全く……また()()()()()絡みの事件ですか……。 やはりこれを機に規制を見直すべきでは?」

「何を勝手なことを言うか!? 人類はもはや魔力なしでは()()()()()()()()()を解決できないのだぞ! 便()()()()()を規制してどうする!」


 怒鳴り合いを始めたのは、それぞれ『規制派』と『推進派』に所属する代表たちだった。

 

 ()()()()()と言う蔑称を使っているのが規制派だ。

 主に立場の低い国の集まりで、その規模こそは小さいが、人工精霊を人類の敵だと危険視する根強い信仰を持っている。

 

 その一方で便()()()()()呼ばわりしているのが推進派だ。

 こっちは逆に立場の高い国の集まりで、その規模は議会の過半数を超え、軍事利用を含めた人工精霊の利用を推し進めていた。


 WWⅢの原因ともなった深刻なエネルギー不足問題により、人類が新エネルギーである魔力なしでは生きられない程に依存したこの時代。その研究進歩はそのまま国力へと直結し、それは同時に議会での立場の強さに変わっていた。

 それ故に自国の運命を左右する人工精霊の扱いを巡って両者は対立する。


「……ただでさえ、ウィッチバトルなどと言う野蛮な競技が蔓延する中で、軍用機を開発するからこう言うことが起きるのです……! 全くあんな人間もどきに人類の代理戦争を任せるなど……!」

「貴様! 人類の長年の願いである恒久和平の為の計画に対して何たる言い方を!」


 両者は益々ヒートアップしていく。


 ワールドユニオンは決して一枚岩ではない。

 あくまでもWWⅢの様な戦争を繰り返さぬ様、加盟していない国を国際上国として認めず、平和を脅かす世界の敵として徹底的に排除することで、半強制的にすべての国をまとめ上げ、無理やり世界を一つに纏めているに過ぎない。

 それでも設立されたこの五十年近く、一度も内部崩壊することがなかったのは一重にトップに立つ人物のおかげだった。


「――みなさん、そこまでですよ」


 どこか圧が込められた静かな声が響き渡る。

 すると、その声の主に気づいた議会室が一瞬で静まり返った。


「「アダム議長!?」」


 議会室の入り口からアダム議長が入って来たことで、さっきまでの争いがまるで嘘の様に、二つの派閥は息ぴったりになる。


「アダム議長、ご無事で良かった! 無事だとは耳にしていましたが、私はもう心配で心配で!」

「全くですな! アダム議長の身にもし万が一のことが起きれば、今の平和な世界は終わってしまいかねない!」


 アダム議長はワールドユニオンのトップとしての立場もあって、どちらの派閥にも表立って所属している訳ではないが、両者の考えに理解を示している。

 そんな彼はこの組織をまとめ上げ、戦後から今に至るまで()()()()()()が一度も起きなかった平和な時代を築いた英雄として、あの戦争を経験した高齢の世代からは、心の底から尊敬されていた。それこそ神格化された存在として。


 そんな中で、戦後生まれの世代である白金代表はアダム議長に疑惑の目を向けていた。

 議会の承認なしに軍の機体を動かすだけの権力を持ち、尚且つ、いくら平和の為とは言え、目的の為なら()()()()()を厭わないのが、この目の前の人物だ。


 白金代表は、議会室の中央へと歩いてくるアダム議長に声をかける。


「アダム議長……ご無事で何よりです。 身の安全の為にも、我が国の方で専属の護衛と、専用の施設を手配させていただき筈なのですが……」

「ええ、白金代表、ありがとうございます。 何分、急ぎの用事があったものでして……。 その話はまた後程……」

「待って下さい! 私にはお尋ねしたいことが……!」


 話をうやむやにされかけたことで、白金代表が慌てて駆け寄ろうとすると、アダム議長が独り言の様にポツリと呟いた。


「さて、私がこの場に着いたことですし……そろそろですかね?」

「何を……?」


 その呟きの意味に疑問を覚えた白金代表が声をかけようとすると、突如議会室の明かりが暗くなった。

 それと同時に中央にある巨大なモニターが起動する。


『――これが貴方のやり方なのですね……アダム議長』

「貴方はっ……!」


 白金代表が驚きの声を上げるのも無理もない。モニターに映ったのは、今から約一週間前の四月の始まりに起きた宇宙ステーションの事件で行方不明になっていた明日斗博士だった。


「お待ちしておりましたよ、明日斗博士」

『……』


 ――ワールドユニオンのトップであるアダム議長と、メカニカルウィッチを開発した明日斗博士。共に今世界で最も影響力を持つであろう二人の人物が静かに対立した。



*****



 ――同時刻。JP国の首都ミライトウキョウにある『メカニカルウィッチ学園』にて。


 メカニカルウィッチ学園。それはJP国に建てられた、魔法と科学が融合した最先端の分野である『魔法科学』を専門とし、特に人工精霊並びにメカニカルウィッチに力を入れている学校だ。

 首都にある『ミライトウキョウ校』を始めとし、全国の地方に合計七校の姉妹校が存在していた。

 それぞれの学園が建てられている場所は、国内でも特に高い魔力が流れている土地であり、その魔力を利用してスーパーウィッチバトル用の巨大なスタジアムを敷地内に所有していた。

 また、全寮制の為、食堂や購買部を始めとした各種施設も建てられていた。


 学園内には大学と高校があり、実質的なエスカレーター方式になっている。

 この学園の卒業生には、今現在二大チャンピオンと呼ばれている天王寺麗や海姫ネオンを始めとした有名人がおり、多くのプロリーグの選手やワールドユニオンの研究者を輩出していた。

 魔法科学が最先端となり、それに関わる仕事に就くならば、この学園を卒業するのが最も確実かつ、一番の近道と言われており、それ故に入試の倍率も凄まじいことになっていた。


 ――そんな学園に、明日斗博士が推薦した特待生として入学した美月はと言うと……。


「ど、どうしましょう、サターン! もう直ぐ集合時間だけど……まだ心の準備が……! うぅ、私、推薦された特待生として、入学式で新入生代表として挨拶しなきゃいけませんし……。 うぐっ、緊張で吐きそうです……」

「お嬢様……」


 プレッシャーによる緊張で押し潰されそうになっていた。

 先日とのあまりのギャップに、サターンの声が若干引きつる。


 美月の護衛の為に同行して来たサターンは、今は一般的なメカニカルウィッチと同じ手のひらサイズの大きさ、つまりアークサターンの機体に宿っている状態だった。

 その見た目も、戦闘用の武装類を外した日常用の姿であり、外見上は小さな人間にしか見えず、今は美月の両手の上に乗っていた。


「新入生のみなさんはもう間も無く集合時間になりますので、お急ぎ下さい」

「保護者の方は此方へどうぞ。 ご案内します」


 学園内の敷地内を、案内役である実体を持たない人工精霊たちが飛び回る。

 この学園はとんでもなく広いので、新入生とその保護者が万が一にも迷わない様に、案内設備や人工精霊による誘導を徹底していた。


 こんなギリギリの時間になってまで、まだ教室に着いていないとすれば、単純に遅刻するか、こうしてわざわざ隠れている人くらいだろう。

 今、こうして学生棟の入り口の近くにある建物の影に隠れている美月みたいに……。


 美月はかれこれ一時間程、こうしてこの場でオロオロと立ち往生していた。

 理由は単純。勇気が出ないからだった。


「お嬢様、先日はとても勇ましかったではないですか。 あの時と同じ様にすれば大丈夫ですよ」

「あ、あれは……その場のテンションと言いますか……緊急事態だからスイッチが入っちゃっただけで……」


 先日の事件の後、サターンに言われるがまま逃げる様に自宅に帰った美月は、家に着いた途端張り詰めていた緊張の糸が切れた途端、すっかり元の弱気で臆病で、人見知りな自分に戻ってしまった。

 事件を耳にしたリンや爺やたちから、物凄く心配されたけど、サターンがいろいろと説明してくれたらしい。


「それに……今年こそはお友達を作りたいんです……! その為にはなにより、第一印象が大事なんです……! だから()()()()は失敗しない様にしないと……!」


 小学校と中学校の時を思い出す。

 お嬢様人格を使い過ぎたせいで、周りからのイメージが完璧超人のお嬢様として固定されたことを。

 そのせいで、同級生の子はおろか、年上である先輩や先生たちにまで敬語を使われ、もはや住む世界が違うお姫様として扱われたのだ。

 無視されている訳ではないが、誰もが恐れ多いと話しかけて来なくなり、距離を取られたのは中々に辛かった。


 そんな過ちを繰り返す訳にはいかない。


「今回だけは絶対に失敗できません……! せめて……日常生活の間だけは、素の自分を出せる様にならないと……!」


 お嬢様人格自体は悪くないのだ。母がくれた勇気のお呪いだったと思い出すことができたから。

 でもそれはそうとして、大事な時は兎も角、四六時中この状態だと疲れるのだ。


「で、でも……お母様、教室に行くまで……その間だけにしますから、私にまた勇気を貸して下さい……!」


 前言撤回。もう既に頼ろうとしていた。

 美月は学生棟の背を向け、サターンを肩の上に移動させる。精神を集中させるべく目を閉じ、母の形見であるペンダントを両手で握りしめる。


「頑張れ、()。 頑張りなさい、()()()……」

「――ねえ、君! 大丈夫?」

「ひゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ〜〜!?」


 不意打ち気味に突如後ろから声をかけられたことで、美月はその場に響き渡る程の大きな悲鳴声を上げた。


「ご、ごめん! びっくりさせちゃて……! 影でじっとしてたから、どこか体調が悪いのかなって思って……!」


 バクバクと鼓動する心臓を抑えながら後ろを振り返る。

 するとそこにはメカニカルウィッチ学園の制服を着た少年がいた。

 少年は炎の様な真っ赤な髪に、星の模様が入った赤い瞳をしており、頭部にはゴーグルをつけ、その上に大きなアホ毛が一本と伸びていた。


「あ、えっと……その……」

「ああ、ごめん! 俺は(ほむら)! 赤火焔(あかひほむら)! 今日からこの学園に通う一年生なんだ! よろしく!」


 焔と名乗った少年がこちらに手を差し出してくる。

 ちゃんと挨拶を返さなきゃ……無意識にお嬢様人格のスイッチを入れる。


()()()()は美月。 黒土美月ですわ。 先程はお見苦しい所をお見せしました……」

「黒土美月……素敵な名前だね! あれ? でも君……()()()()見たことがある様な……?」


 こっちも手を差し出し握手をすると、サターンが割り込む様に会話に入って来た。


「おい、貴様。 この方は明日斗博士のご息女なのだぞ! 気安く触れるんじゃない!」

「ちょっと、サターン……!」

「明日斗博士って……メカニカルウィッチを開発した人じゃん! あ、そう言えば君のこと、テレビか何かで見た気がする!」


 美月は焦る。この流れは不味い。また小学校と中学校の時と同じ様に、明日斗博士の娘として扱われる流れだ。

 しかし……。


()()()()()さ! 彼が君の相棒なの!? 煌めきカッコいいね! もしかして明日斗博士が作ったの? あ、俺、メカニカルウィッチが大好きでさ!」

「ええっと……」

「あ、そうだ! 最初見た時に俺よりも背が高いからもしかしたら先輩なのかなって思ってたけど……同級生ってことでいいのかな? なら同じクラスになれるといいね! 後、良かったらウィッチバトルしようよ!」

「あわわわわわ……!」

「それでね!」


 興奮した様子の焔は、目を輝かせ、顔を目と鼻の先までグイッと近づかせて来ると、美月の手を両手でガッチリと握り、ブンブンと大きく振り回した。

 そして、そのままマシンガントークを始める。


(か、顔が近いです……! ど、どどど……どうしましょう!? こんな展開……生まれて初めてです!?)


 他人……それも同年代の子にここまで近づかれた経験がなかった美月は、胸をドキドキさせながら、恥ずかしさから目がグルグルになり、頭が沸騰して爆発しそうになる。


「ええい、貴様! いい加減に……」

「――コラ、焔君! 女の子に対して失礼でしょ!」


 その様子を見てブチ切れかけたサターンの声を遮る様に、焔のマジカルウォッチから女の子の声が聞こえて来る。


 マジカルウォッチの機能の一つに、相棒を登録することで、魔石ごと端末に入り、その機能を補助することで人間のサポートしたり、移動する時や表に手で来れない時に、中で待機したりする物がある。


 端末から飛び出して来た魔石を核として、メカニカルウィッチの体が生成されると、女性の姿となり、焔の頭の上に着地した。

 その女性は血の様な暗めの赤い髪に、紫の瞳をしていた。


「ご、ごめん、マーズ……! またメカニカルウィッチに煌めい……じゃなくて熱くなっちゃった……!」

「……熱くなるのは良いけど、初対面の女の子にいきなりグイグイ行くのは、お姉ちゃんあまり感心しないわ」

「えっと、君……じゃなくて()()()()とサターン……だよね?もごめんね!」

「うちの弟が……焔君がごめんね……。 熱くなることが多いけど、本当は良い子なの!」


 姉の様なマーズに宥められたことで落ち着いた焔が謝って来る。


「フンッ! 次からはくれぐれも気をつけるんだな!」

「……」

 

 サターンはまだどこか怒りが治っていない様子だったが、それよりも気になる部分があった。()()()()


(あんなにグイグイ来たのに、どうして名前だけ真面目に苗字呼びするんですか!?)


 そう呼ばれるのはいつものことだが、こんなにも積極的な子は初めてだった。

 もしかしたら……もしかしなくても、これは初めてのお友達を作れるチャンスかもしれない。美月は勇気を振り絞る。


「ええ、気にしていませんわ。 それにもし良ければ気軽に名前で呼んで下さいませんか? わ、わたしくも……その……焔さんと……」

「勿論だよ! よろしくね、美月! あ、呼び捨てで良いかな? 俺のことも焔って呼んで良いからさ!」

(私から頼んだんですけど……! この子の距離の詰め方がイマイチ読めません……!)

「ええ、構いませんわ、焔」

(でもやりました私! 頑張りました!)


 勇気を振り絞ったかいもあって、良い感じに距離を詰められた気がする。

 後はこのまま……。


「そ、その……よろしければわたくしと……お、お友……」

「あ、そうだ! 焔君、時間よ、時間! 今朝寝坊して、遅刻する、遅刻するってここまで走って来たのを忘れたの!」

「「あ……」」


 急に思い出した様に叫んだマーズの言葉を聞いて、美月と焔の声が重なった。

 新入生の集合時間のことをすっかり忘れていたことを思い出す。


「し、しまった……。 コイツのせいですっかり忘れていた……。 お嬢様……申し訳ありません、集合時間まで……残り一分です……」

「ど、どうしよう、サターン! 初日から遅刻なんて不味いです……! 私、新入生代表なのに……!」


 美月はお嬢様人格が崩壊するレベルでパニックに陥っていた。

 流石にこれは不味い。やらかしのレベルを超えている。このままでは父の顔に泥を塗ってしまう。

 思わず泣きそうになっていると、その手を急に焔に掴まれた。


「きゃっ……!?」

「ごめん、美月! 俺のせいでギリギリになっちゃった! 早く行こう!」

「ほら、焔君! 早く、早く! 急ぐわよ!」

「貴様! またお嬢様の手に軽々しく触れて!」

「ち、ちょっと待って下さいませ……!」

(え? 何ですか、この展開!? 前に読んだ本にこんなシュチュエーションがあった様な……? わ、私……まるでヒロインみたいです……!?)


 四人は慌ただしく集合場所の教室がある学生棟へと走っていく。

 そんな中、美月は生まれて初めての展開に、自分の心臓がドキドキしていることを感じていた。


 ――そのせいで美月はすっかり忘れていた。入学式で新入生代表として挨拶をしなければならない緊張で、一時間近くオロオロしていたことを。そして、今回こそは自己紹介からちゃんと失敗しない様にと悩んでいたことを。



*****



 ――その結果。


「ごきげんよう、わたくしの名は黒土美月ですわ」

(もう! 私のばかぁ!?)


 ――この学園でも美月のイメージが完璧超人のお嬢様に固定されてしまったのであった。


 

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