プロローグ編068/【上抜 吟芯(うえぬき ぎんしん)】サイト0/【オタクラスボス】/【上抜 吟芯】
【上抜 吟芯】は、
『ヨクゾ、ココマデタドリツイタナ。
ソレハホメテヤロウデハナイカ・・・
ウッシッシ・・・
ダガ、オマエタチノコウウンモココマデダ』
と棒読みで話した。
何か変だ・・・
【吟芯】はこんなしゃべり方をする様な存在ではない。
【勇者/ファクト】は、
「お前が、【上抜 吟芯】って奴か?
お前を倒して名を上げに来た。
俺の名前は、【勇者/ファクト】だ。
お前の天下もここまでだ。
覚悟しろ」
と言った。
【吟芯】は、
『ヨクゾ、ココマデタドリツイタナ。
ソレハホメテヤロウデハナイカ・・・
ウッシッシ・・・
ダガ、オマエタチノコウウンモココマデダ』
と同じ言葉で返す。
【勇者/ファクト】は、
「何、同じ事の賜っているんだ、この野郎。
今、俺がてめぇの息の根を止めてやる。
覚悟しろよ、クソ野郎が。
今、俺達がぶっ殺してやっからよぉ」
と息巻く。
【吟芯】の反応は・・・
『ヨクゾ、ココマデタドリツイタナ。
ソレハホメテヤロウデハナイカ・・・
ウッシッシ・・・
ダガ、オマエタチノコウウンモココマデダ』
とまるで、繰り返しボタンを押したかの様に同じ台詞を繰り返す。
【勇者/ファクト】は、
「何度も同じ事、言ってんじゃねぇよ、クソが。
てめぇ・・・
ひょっとして怯えてんのか?
はっ・・・俺が怖いってか?
俺の偉大な功績はこの世界の端っこに閉じこもっているてめぇの耳にもしっかり入っていたってことだなぁ。
ビビッてる所悪いがよぉ。
てめぇにかける情けなんてねぇんだよ、こっちは。
てめぇをぶっ殺せば、俺は【ラスボス】を倒した偉人として名が残るんだ。
てめぇの首は貰った」
と言って、仲間と共に、戦闘を開始した。
【吟芯】の首はあっさりと飛ばされ・・・
いや・・・
違った。
違っていた。
【吟芯】に見えていたのは、彼が用意した【フェイク】。
偽物だった。
彼は逃げ出したのか?
それは違う。
全然違う。
彼は、【勇者/ファクト】が怖くて逃げ出したのではない。
彼は【オタクイベント】に参加するために、居城を留守にしていたのだった。
留守番に【吟芯君人形】を残しておいて、適当に、
『ヨクゾ、ココマデタドリツイタナ。
ソレハホメテヤロウデハナイカ・・・
ウッシッシ・・・
ダガ、オマエタチノコウウンモココマデダ』
と言う言葉を再生させておいたのだ。
正に雑な仕事。
自分に興味ある事以外はホントに適当に仕事する。
それが、【上抜 吟芯】と言う男だった。
【勇者/ファクト】は、
「何処にトンズラこきやがった野郎。
何だこの奇妙なオタク部屋はぁ~?
こんなもの、こんなもの、こうしてやる」
と言って、【吟芯】の居城に飾ってあった【オタクグッズ】を破壊して、立ち去った。
それからしばらくしてオタクイベントから戻った【吟芯】は、
『はぁぁぁぁぁぁ・・・
な、何て惨い事を・・・
だ、誰だ?
誰がこんな酷い事をっ・・・
・・・許さん・・・
絶対に許さん・・・
絶対にぶちのめす。
防犯カメラだ。
防犯カメラをチェックして。
・・・こいつらか・・・
こいつらがボクチンの宝物を・・・』
と普通の【ラスボス】とはズレた事で激怒したのだった。
その後、【吟芯】に捕まった【勇者/ファクト】一行は【吟芯】にぼてくり回され、
「す、済みませんでした。
べ、弁償させていただきます。
だ、だから許して・・・」
と詫びを入れていた。
【吟芯】は、
『ふざけるなっ。
これは一点物だ。
二度と買えないんだよぉぉぉぉ。
侘びで済んだら勇者は入らないんだよぉぉぉぉ』
と絶叫していた。




