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(ファーブラ・フィクタイズム2)【オープス・パルマーレ】プロローグ編  作者: 羽絶 与鎮果


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プロローグ編063/【息吹 獅狼(いぶき しろう)】サイト0/【香月 美亜】からの依頼

 【獅狼】は、

「では改めて。

 【香月 美亜さん】、依頼内容を伺おうか?」

 と言った。

 【美亜】は、

「ありがとう・・・

 本当にありがとう」

 と顔を真っ赤にして感謝しつつ、続けて、

「あの・・・

 元カレのお姉さんを助けて欲しいです。

 元カレとは喧嘩別れしたんですけど、お姉さんには凄くお世話になっていて。

 お姉さんの名前は、【坂井(さかい) 紫乃(しの)さん】と言います。

 彼女は・・・」

 と言うと、【天羽】が、

「失礼・・・

 それは、もしかして【関係迷宮(かんけいめいきゅう)】の事ではありませんか?」

 と口を挟んできた。

 【獅狼】は、

「知っているのか?」

 と聞くと、【天羽】は、

「まだ、今の情報だけではそうだとは言えません。

 他にも心当たりのある案件はありますので。

 もう少し情報をいただけますか?」

 と言った。

 その上で【美亜】は【紫乃】が置かれている状況をいくつか説明した。

 【天羽】は、

「情報ありがとうございます。

 十中八九【関係迷宮】で間違いないでしょうね。

 【関係迷宮】とは、6日ごとに人間関係がガラッと様変わりする66名が囚われる人間関係の上での【迷宮】の事です。

 それを現象発生から666日目までに解消させないとその66名は行方不明、消息不明、神隠しなどと呼ばれ、全員が死亡するとされている大変危険なものです。

 【香月様】、【坂井 紫乃様】が囚われてから何日が経過しているかご存じですか?」

 と言った。

 【美亜】は、

「さぁ・・・

 【紫乃さん】が居なくなってからしばらくしてそれが解ったから。

 でも異変に気づいてから、300日以上は経過していると思う」

 と答えた。

 【獅狼】は、

「なら、連れ出せば良いと言う事か?」

 と聞くと、【天羽】は、

「そうですね。

 これを回避するには関係を断ち切ると言う事が重要です。

 もっとも単純な方法は物理的に他の存在と離す事です。

 一定の距離感の元にこの【迷宮】は成立しているとされています。

 66名の内、半数の33名を集まりの中から引き離せれば、この【迷宮】は、霧散するでしょう。

 役になりきっている人間に口で離れて欲しいと言っても従わないでしょう。

 だとすると強引に行く事になります。

 人さらいと言われるかも知れない。

 それでもやるしかありません。

 悪名を被ってでもやり遂げる事が出来ますか?」

 と言った。

 【獅狼】は、

「悪名だろうが賞賛だろうが、そんな事はどうでも良いと俺は思っている。

 やって来た事の結果が後から評価されるって事だ。

 世の中の目が曇っていたら不名誉な評価になる事もあるだろう。

 だが、俺は、世の中の目を信じている。

 一時的には批難される事もあるかも知れない。

 だが、それは結果的にあれは良かった事だと思ってもらえると信じている。

 見返りを求めるつもりはない。

 お礼を当てにして事に当たってもろくな事がない。

 だから、俺は俺を認めて良いと思える様な行動をしたい。

 万人に蔑まれても自分だけは褒められる。

 そんな人間になりたいと思って居る。

 と思っているのだが、きれい事だと笑ってもらってもかまわない。

 大事なのは自分を誇りに思えるかどうかだ。

 だから、誰にも認めてもらえなくても俺はやり遂げる。

 と言う事だ。

 この依頼、引き受けよう。

 時間が限られている様だから、早速仕事に取りかかろう。

 今、どこに行けば、そこに当たるかだが・・・」

 と言うと、【天羽】は、

「情報はお任せください。

 すぐに割り出しますので」

 と言って、現在、【関係迷宮】が成立している場所を特定して【獅狼】に教えた。

 【美亜】の持って来た依頼は決して楽な仕事ではない。

 だが、全力で取りかかる事にした。

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