プロローグ編058/【息吹 獅狼(いぶき しろう)】サイト0/兄弟会議
【息吹 獅狼】は、
「これは、【兄上達】、揃いも揃ってどの様なご用件なんだ?」
と聞いた。
彼の前には彼の3人の兄、
長男【息吹 市郎】、
次男【息吹 時楼】、
三男【息吹 参朗】、
が居た。
【獅狼】は四男である。
【市郎】は、
「決まっている。
【息吹家】の四男として、自覚させるためだ。
考えを改めれば、勘当を解くと父上もお爺さまもおっしゃっている」
と言った。
【獅狼】は、
「考えを改めるとは何を指しているのだ?」
と聞いた。
【参朗】は、
「とぼけるな。
お前の仕事についてだ。
お前のは仕事とは言わん。
金をドブに捨てる行為だ」
と怒りを露わにした。
【獅狼】は、
「俺は【万屋】として、俺の心が震えた時に仕事をして、依頼者が思う料金を支払ってもらう。
そう言う仕事をしている。
それの何処が仕事では無いと言うのだ?」
と真顔で言った。
【時楼】は、
「仕事は生活出来るだけの糧を得られて初めて仕事として成立する。
お前の依頼者の中には、散々引っ張り回したあげくに【1円】しか支払わなかった者も居たとも聞いている。
それでは、生活が出来ない。
お前は【獅狼家】の財を食いつぶすつもりか?」
と言った。
【獅狼】は、
「断っておくが、俺は、【息吹家】の金に手を付けたつもりは無い。
【報酬】の中から、運転資金を捻出している。
兄上達の言うように、1円しか払ってくれなかった者も確かにいた。
だが、家が何軒も建つ様な報酬を支払ってくれた者も居た。
俺は大事なのは気持ちだと思っている。
俺は、【彼女】から、その事を学んだ。
家族が俺のやり方を気に入らないと言う事で俺は家を出る事にしただけの話だ。
俺は、間違っているとは思っていない。
必要なら、【息吹】の【名】を捨てても良いと思っている。
それでは駄目なのか?」
と聞いた。
【市郎】は、
「だから、何でそう言う話になる。
お前が家を出る条件として、【息吹】の名前を名乗ると言う事にしたはずだ。
それは、いざとなったら【息吹】の名前があれば、お前を助けられるからと言う親心だ。
それがわからんのか?
なぜ、そこまで我を通す?
【あの女】は何故、お前をそこまで狂わせた?
お前は兄弟4人の中でも飛び抜けた才能を持っていた。
だが、【あの女】と知りあった事でお前は変わった。
変わってしまった。
素直だったお前は何処へ行ってしまったんだ?
俺達は使う側だ。
使われる側じゃない。
お前の考え方は使われる側、利用される側の発想だ。
それで良いのか?」
と言った。
【獅狼】は、
「・・・使うとか使われるとか正直、どうでも良いんだ。
俺は俺が満足行く仕事がしたいだけなんだ。
収益につながるつながらないじゃない。
俺は胸を張って【彼女】の前に立ちたい。
そのために出来ることを全てしたい。
それだけの話だ。
【彼女】のためと言う事だがそれは俺の自己満足のためだ。
【彼女のせい】ではない。
俺がそうしたいんだ。
【彼女】に認めてもらいたい。
そう言う下心から来る、俺の欲望だ。
そのために【万屋】の仕事をしたい。
させて欲しいと思っている。
何を犠牲にしてもやり抜きたいんだ」
と言った。
兄3人と弟の意見は平行線。
どこまで行っても交わる事は無い。
それを察したのか、【時楼】は、
「わかった・・・
じゃあ、こうしよう。
お前の仕事に【秘書】を付けさせよう。
【秘書】がお前の仕事をサポートする。
それならば、俺達も折れようじゃないか。
そうじゃなきゃ、心配でおちおち寝ても居られない。
これは兄達からの頼みだ。
これくらいは認めて貰えるよな?」
と言った。
【獅狼】は、
「【秘書】?
言っておくが、俺は誰かを雇うつもりは・・・」
と言うが、【参朗】が、
「そこは、【秘書】達に自分の取り分を得られる様に仕事を導いてもらう。
俺達が1人ずつ【秘書】を探してお前に付ける。
これは確定事項だ。
反論は許さん。
良いな」
と言った。
【獅狼】は、納得出来ない様な表情を浮かべながら、
「・・・わかった」
と言ったのだった。




