プロローグ編051/【芦原 涼天(あしはら りょうてん)】サイト0/【黒闇の存在】と【黒闇のゲーム】4
子供達は、
「えぇ~、【香秋ちゃん】、あいつと一緒のグループになるのぉ~」
「私やだよぉ~」
「あいつと組むなら私は他の子とグループに入るよ」
「そうだよ。
【香秋ちゃん】、優しすぎるんだよ。
あんな無愛想な奴、ほっときゃ良いんだよ」
などと言う。
【香秋】は、
「そんな事言うから、【涼天くん】が孤立しちゃうんだよ。
良いよ別に・・・
誰も組むつもりが無いなら、私と【涼天くん】がグループを組むよ。
2人だけで、グループ組めるかどうか先生に聞いてみるから良いもん」
と言った。
子供達は、
「えぇ~?
何でよぉ~」
「【河本】、【芦原】の事、好きなのぉ~?」
「夫婦だ、夫婦」
「エッチだ。
何かエッチだ」
「ひゅー、ひゅう」
「夫婦、夫婦、夫婦」
などとからかう。
【香秋】は、
「良いねぇ~。
じゃあ、いっその事、本当に結婚する?
今は無理でも将来、結婚する?
フィアンセって事にしちゃおっか。
許婚ってやつだね。
よろしくね、ダーリン」
と子供達のからかいに対抗して、【夫婦】と言う事を肯定する。
こういう場合、否定したら、【涼天】が傷つく事がわかっているから、【香秋】はあえて、意地悪な子供達のからかいに乗ったのだ。
そう言う気遣いを感じるからこそ、【涼天】は嬉しかった。
恐らく、この頃だろう。
彼女をはっきりと【好き】と認識したのは・・・
だが、この頃の【涼天】は素直になれず、
「別に・・・
1人でも良いし・・・」
と強がった。
ウソだった。
本当は、【1人】は嫌だった。
誰かと一緒に居たかった。
一緒に居ることで幼い彼は安心したかった。
だが、素直になれるほど、当時の彼は大人では無かった。
単なる子供。
弱い子供そのものだった。
だから、【香秋】の事を気遣う様な事は言えなかった。
このままでは、【香秋】の立場がない。
折角、彼女が【涼天】を思い、からかわれるのを承知で、【夫婦】と言われた事に乗ったのに、【涼天】にフラれた事になり、彼女に恥をかかせた事になる。
そんな【涼天】の弱さも感じ取っていた、【香秋】は、
「ありゃりゃ・・・
フラれちゃったかなぁ~。
私、君となら、一緒になっても良かったんだけどなぁ。
残念。
じゃあ、夫婦は駄目なら、恋人って事で妥協しておく?
私達、お互いを知らないからね。
そりゃ、知らない者同士じゃ夫婦にはなれないか。
じゃあ、お互いを知るために恋人って事で・・・
駄目かな?
よろしくお願いします。
駄目?」
と再度、アタックしてきた。
だが、【涼天】は、
「・・・」
と無言で返した。
そこで、【香秋】は、
「これも駄目?
じゃあ、お友達からって事で・・・
よろしくお願いします」
と言って手を差し伸べた。
流石の【涼天】もこのままじゃ不味いと思ったのか、
「・・・ん・・・」
と言って、彼女の手のひらに、指先をちょこんと置いて見せた。
これが当時の彼にとって勇気を振り絞った行動だった。
【香秋】は、
「これは、お友達になってくれるって事で良いのかな?
お友達・・・になったんだよね?」
と尋ねた。
それを上目遣いで、言われて【涼天】は耳まで真っ赤になって、
「・・・ん・・・
よ、よろしく・・・」
と答えた。
「ありがとう。
これで、私達は友達だね。
だったら、一緒のグループを組んでも全く問題ないよね?
だって、友達だもん。
赤の他人じゃないもん。
友達なら同じグループでも良いでしょ?」
と他の子供達に言った。
他の子達は、
「・・・仕方ないなぁ・・・」
「【香秋ちゃん】には負けたよ」
「じゃあ、私達も一緒にグループを組みたい。
一緒で良いでしょ?」
「友達の友達は、友達だって事だな。
仕方ない。
入れてやるよ、そいつも」
「嫌いって言った事は忘れてよ。
仲良くやろ」
と言って、グループを組んだ。
と言う所で、タイムアップ。
【右中】は、
『そこまでだ。
この中から間違いを13箇所言い当てろ』
と言った。




