プロローグ編005/【宇宙世界編の主人公】/【雨条 雪寿納(うじょう ゆきずな)/(偽者)/元、札月 るわ(ふだつき るわ)】サイト0/【雪寿納】&【るわ】
【吟芯】、【瞳態】、【禁偽】の話はスケールが大きすぎた。
そこで、スケールを落とした主人公達の話をしよう。
やはり、【宇宙世界】が舞台ならば、それに相応しい【主人公】と言うのが存在する。
だが、これから紹介するのは、【主人公】となるはずだった者の【偽物】である。
【主人公】の代わりに、【主人公】として、生きることになった偽物の【主人公】。
それが、【雨条 雪寿納/(偽者)/元、札月 るわ】である。
【雪寿納】は、
「俺は最強だ。
最強の勇者だ。
その俺と立場を入れ替える事が出来るんだ。
いい話だろ?」
と声をかけた。
かけられた相手は、【るわ】だ。
「ぼ、僕には無理だよ・・・」
と気弱な反応だ。
【雪寿納】は、
「ほんのちょっとの間、入れ替わるだけだって。
俺とお前の体格が似ているからお前以外に入れ替われる相手が居ないんだよ。
俺になれば、女にモテモテだぞ?
よりどりみどりだ。
女は掃いて捨てるほど寄ってくる。
いい話じゃねぇか」
と言う。
「何で、そんなに僕と入れ替わりたいの?」
「決まってんだろ?
隠れてしたい事があるからだよ。
人の目があると不味いから、お前みたいな冴えない奴と入れ替わるのが一番なんだよ」
「だけど、僕は怖いよ。
顔を変えるなんて・・・」
「元々、骨格が似てるから問題ないって。
金は俺が出す。
【形状記憶手術】ってのがあってな。
元々は事故で顔とか身体の部位が傷ついた奴が、元の健康な肉体に戻るために、肉体情報を登録しておいて、もしもの時に超特別再生医療として、AUHI(ARTIFICIAL ULTORAHYPERINTELLIGENCE/人工極超絶知能)を使った自動手術なんだ。
俺の分は既に記憶させているから、後はお前の情報を記憶させるだけで出来る。
本来は本人に使用する所だが、俺とお前を入れ替えて【形状記憶肉体情報】を使う。
それで、それぞれ、相手の姿になれるって寸法だ。
だから、誰にもばれやしないって。
俺の用が済んだら、元に戻してやるからよ。
もちろん、報酬は支払う。
お前が一生賭けても稼げないだけの金をやるからよぉ。
なぁ、良いだろ?
ボロ儲け出来るぜ。
お前しか居ないんだ。
頼むよ。
俺がこんだけ頼んでも駄目だって言うのか?
お前、俺の誘いを断ってただで済むと思ってないよな?」
と半ば脅していた。
何故、【雪寿納】は、【るわ】と入れ替わりたいか?
それは、【雪寿納】としてではなく、【るわ】として犯罪をしようと思っているからだ。
【雪寿納】は殺したい相手が居るが、【雪寿納】のままでは殺せない。
そこで、【るわ】として、その殺したい相手を殺して、【雪寿納】に戻り、罪を【るわ】に被せようとしていた。
【雪寿納】が殺したい相手は、複数名いるため、それが表沙汰になれば、【雪寿納】は死刑になる。
だから、【るわ】を犯人に仕立て上げて、死刑にさせてしまおうと企んでいるのだ。
【雪寿納】は名声こそあるが、中身はクズ。
【勇者】の風上にも置けない男だった。
結局、【るわ】は強引に【雪寿納】を入れ替わる事になり、【るわ】が【雪寿納】として、生活を強制されている間に、【雪寿納】は【るわ】として、殺したい相手の一人目である、愛人の【大沢 真弓】を殺しに向かった。
【真弓】は、資産家と結婚しており、【雪寿納】とただならぬ仲になっていた。
【真弓】は資産家と別れて、【雪寿納】と一緒になりたいと言っていたのが【雪寿納】は鬱陶しかった。
そこで、殺してしまおうと思いついたのだが、【真弓】も【雪寿納】が自分に対して殺意を抱いていると女の勘で気付いていたため、資産家の夫に暗殺者を雇ってもらっていた。
そこにのこのこやってきた【雪寿納】は暗殺者に射殺される。
ミイラ取りがミイラになったと言う訳だ。
結局、【雪寿納】は、そこで絶命。
【真弓】は、
「ちょっと・・・
【雪寿納】じゃないじゃない。
どうなってんのよ?
【雪寿納】が雇ったヒットマン?
まぁ、良いわ。
始末して頂戴」
と言って、【るわ】の姿となっていた【雪寿納】の遺体を山に埋めた。
結局、【るわ】は行方不明扱いとなり、【雪寿納】のふりをしている【るわ】は、【雪寿納】として生活をせざるを得なくなった。
元に戻る方法は、【雪寿納】しか知らない。
その【雪寿納(本物)】は既に死亡している。
結果として、【るわ】は、【雪寿納(偽物)】として生きるしか無くなったのである。
【雪寿納/るわ】は、いつ戻るかわからない、【雪寿納(本物)】を待ち続けながら、【雪寿納(本物)】が用意した、【雪寿納】を演じ続けるしかなかった。
強制的にウソを突き続けなければならない生活を強要された【雪寿納/るわ】。
彼はどうなってしまうのだろうか?
彼の迷走を追うのも1つの視点である。




