プロローグ編048/【芦原 涼天(あしはら りょうてん)】サイト0/【黒闇の存在】と【黒闇のゲーム】1
【芦原 涼天】は、【また現場】に置いて行かれた。
現場とは【クエスト/冒険】での【ボスキャラ】との戦闘となった場所である。
仲間達が敵わないと思い、【涼天】を1人を残して逃げ出したのだ。
仲間というのは語弊があるかも知れない。
仲間とは名ばかりの【涼天】の強さを利用して彼に戦わせて漁夫の利を得ようとしていたクズ達だ。
敵わない敵に遭遇した時、【涼天】を囮にして、逃げたのだ。
そして、これは初めての事じゃない。
無口な【涼天】はその強さを利用して、利益を得ようとする輩とよくパーティーを組み、よく置いて行かれた。
その度に死線をかいくぐって生き延び、彼はドンドン強くなって行った。
ただ、強くなった訳じゃない。
彼は、【黒闇の存在】と呼ばれる者達と【黒闇のゲーム】をしていた。
ひとりぼっちで敵の前に取り残された【涼天】に、
『けひひひひ・・・
まぁた、取り残されてやんの・・・
お前も懲りないねぇ・・・』
と話しかける声が。
【黒闇の存在】の【使い魔】/【デュウェヴィル】だ。
【涼天】は、
「いつもの事だ・・・
問題ない・・・」
と言ったかと思うと、それまでのレベルの【ギア】を2つ3つ跳ね上げて、その場に居た敵をあっという間に一掃した。
【デュウェヴィル】は、
『お前も役者だなぁ~。
お前を利用しようとしている奴らの前では、その力、使いたくないって事なんだろうが、お前が普段の力はただの表向きの活動レベルに調整している。
だが、お前の実力はそんなもんじゃねぇよなぁ。
お前は【黒闇のゲーム】で勝利し、人知を超えた力を手にしている。
お前はどこまで強くなるんだろうなぁ~。
だが、忘れるなよ。
お前は【ライフ・ポイント】を使い切ったら、魂をいただく。
そう言う契約だったよなぁ~』
と言った。
【涼天】は、
「わかっている。
しつこいぞ・・・
何度言えば気が済むんだ?」
と言った。
【デュウェヴィル】は、
『何度も言うのは俺の優しさだよ。
それより、今回はどのお方がお出でになるんだろうなぁ~。
【左薬様】がお出になると良いなぁ~』
と言った。
【左薬】とは何を意味しているのか?
それは、【指】を意味している。
【黒闇のゲーム】を【涼天】としている【黒闇の存在】は10名居るとされている。
それは両手の指に対応し、
【右親】は【右手の親指】、
【右差】は【右手の人差し指】、
【右中】は【右手の中指】、
【右薬】は【右手の薬指】、
【右小】は【右手の小指】、
【左親】は【左手の親指】、
【左差】は【左手の人差し指】、
【左中】は【左手の中指】、
【左薬】は【左手の薬指】、
【左小】は【左手の小指】、
にそれぞれ対応している。
この10名は元々は人間だったが、超高次元の力により、【黒闇の存在】となった。
【黒闇の存在】を元の人間に戻すには、対応する【指】が考えた【黒闇のゲーム】を全てクリアする必要がある。
そして、【左薬】と呼ばれた存在は、【涼天】が最も大切に思っていた女性。
恋人・・・と言いたい所だが、彼は【片思い】と思っている。
実際には、【左薬】となった女性も彼の事を思っていたから【両思い】だったのだが、恋人に発展する前に、彼女は【堕天】ならぬ【堕存】し、【左薬】となってしまった。
なって日が浅い、【左薬】が現在持っている【黒闇のゲーム】の種類は10種類とされている。
だが、日が経てば、当然、【左薬】が持っている【黒闇のゲーム】は増えていく。
そうなってしまえば、彼女を元の人間、【河本 香秋】に戻せなくなってしまう。
だから、少しでも早く、彼女と【黒闇のゲーム】をして、彼女を戻したいと思っているのだ。
そうは思うのだが、都合良く、彼女が出てくれる訳ではない。
毎回、【ルーレット】を回し、当たった所の【黒闇の存在】と【黒闇のゲーム】をする事になる。
【ゲーム】をする【条件】と言うのは、【デュウェヴィル】が出てこないと【黒闇の存在】を呼び出せない。
ひねくれ者の【デュウェヴィル】は、今回の様に、【クエスト】に出て、敵の前で囮として扱われ、1人置いて行かれると言う状況じゃないと姿を現さない。
だから、置いて行かれると言う事は彼にとってはある意味歓迎出来る状況だった。
要は【デュウェヴィル】さえ出て来てくれれば目的は果たせるのだから。
後は今、やった様に、中途半端に強い敵をあっという間に倒して、【黒闇のゲーム】をするだけだ。
【涼天】にとってはそう言う話である。




