プロローグ編044/【雨条 雪寿納(うじょう ゆきずな)/(偽者)/元、札月 るわ(ふだつき るわ)】サイト0/後継者へ
【雪寿納/るわ】と【萌笑】は身体を合わせた。
お互いを思い合った末、1つになったのだ。
男女の仲になった2人がする事は【萌笑】の祖父、【白鳥 将三郎】に会って、2人の仲を認めて貰う事だ。
【雪寿納/るわ】は、
「は、ははは、初めまして。
ぼ、ぼかぁ・・・【雨条 雪寿納】とももっももも、申します・・・」
と思いっきりどもった。
【将三郎】は、
「いや、坊主。
何も捕って食おうってんじゃないんだから、そんなに緊張しなさんなって。
【萌笑こ】が連れてきたってんなら、人柄は保証されている様なもんだ。
この子は悪意が見えるみたいだからな」
と言った。
【萌笑】は、
「お爺さま・・・」
とつぶやいた。
【将三郎】は、
「【萌笑こ】から聞いてるだろ?
俺はもう、後がねぇんだ。
俺の技術を俺の代で途切れさせる訳にはいかねぇ。
そうは思ってるんだが、何も無理強いをしようとは思っちゃいねぇ。
後継者がいねぇってんならそれが俺の運命なんだろう。
元々、俺の代で始めた事だからな。
先代が居る訳でもねぇし、俺が後継者を探すのが遅かった。
ただ、それだけの話さ。
【雪寿納君】はどう思って居るんだ?
俺の後継者になってくれる気持ちはあるのか?
予め言っておくがこれは強制じゃねぇ。
俺の事は一切気にせず、君の気持ちを正直に答えてくれ」
と言った。
「ぼ、僕は、とある理由で逃げている人間です。
【雨条 雪寿納】と言う名前も本当の名前ではありません。
理由を話せば貴方達も巻き込んでしまうため、話せませんが、お孫さんの予想された通り、僕はある事に巻き込まれ、元の人生を捨てなくてはいけなくなった人間です。
そのため、逃げて逃げて、ここに流れ着きました。
僕は弱虫です。
弱いから、自分を守ってくれる何かを探していました。
ある時、この近くの喫茶店で、【商人】から、【他任駒勢】と言う兵器がある事を盗み聞きました。
そこから、それを求めて色々やりましたが、全部駄目で、絶望している時にお孫さんと出会いました。
僕は人間不信で自分の顔がある理由で変えているので、顔で判断されるのが苦手です。
失礼ながら、お孫さんの目が見えないと言う事で安心感を得られました。
見えないと言う事は僕の顔で判断されないと言う事だと思ったからです。
そして、お孫さんは僕の内面を見てくれました。
卑怯者で薄汚い僕の事を良い人だと言ってくれました。
こんなに素晴らしい人は居ない。
そうも思いました。
でも、それに答えるだけの資格が僕にあるのでしょうか?
僕はそれで迷っています。
素晴らしいお孫さん。
それに似合うのは僕じゃないのでは・・・
そうも思いましたが、お孫さんに背中を押されました。
僕でも良いんだ・・・
そう思ったら、何だかすっと緊張が緩んだ気がしました。
貴方が【他任駒勢】を作る工場を経営されていると言う事はお孫さんから聞きました。
一瞬、渡りに船だと思ったのも事実です。
こんな僕でも認めて貰えますか?
お孫さんとの交際を。
そして、貴方の後継者となることを」
「なるほど・・・
話せるだけ正直に話したって感じの話だな。
確かに、【萌笑こ】が認めるだけのある男じゃねぇか。
うむ・・・
気に入った。
孫との交際。
及び、俺の後継者となる事。
どちらも認めようじゃねぇか。
ただし、俺の修行は厳しいぞ。
【思考技巧継承システム】は構築してあるが、問題は手足や身体全体の動きにそれをなじませなきゃなんねぇ。
それが、辛いと思うぞ。
一応、1カ月での習得コースにはしているが、無理なら、3カ月や半年って場合もある。
それに耐えられるか?
やれるか?
どうなんだ?」
「は、はい。
やらせていただきます」
「おーし、よく言った。
なら、修行が済むまで、孫とのじゃれつきはお預けだ。
たった今から修行に入る。
さっきも言ったが俺には時間がねぇ。
お前さんに技術をたたき込むからしっかり学べよ」
「はい」
「良い返事だ。
俺も気合いを入れて教え込むからよろしくな、弟子」
「はい。
よろしくお願いします」
と言う話になった。
こうして、【雪寿納/るわ】は、【将三郎】から、【他任駒勢】を作る技術をたたき込まれた。
流石に1カ月でというのは無理があったが、それでも1カ月半で見事習得したのだった。




