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(ファーブラ・フィクタイズム2)【オープス・パルマーレ】プロローグ編  作者: 羽絶 与鎮果


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プロローグ編043/【雨条 雪寿納(うじょう ゆきずな)/(偽者)/元、札月 るわ(ふだつき るわ)】サイト0/コネクション?

 【雪寿納/るわ】は、【萌笑】との会話を続けている。

 彼女は、

「私はとある【兵器】を開発している小さな工場(こうば)を経営している祖父のたった1人の家族です。

 その祖父もそろそろ引退を考えているらしいのですが、後継者として目の見えない私を指名しているのです。

 孫の私が言うのも何なのですが、祖父の技術は【兵器】として、大変優れているそうで、その技術の利権を得ようとする怖い人達が祖父と私の家を何度も訪れています。

 その過程で私は視力を失いました。

 そのため、私の中で善人と悪人・・・

 そう判断しても良いのかわかりませんが、人の悪意が少し感じられる様になったのです。

 でも、貴方は違う。

 失礼ながら、何かに怯えている様ですが、根っからの悪人という訳ではない様です。

 恐らくご自分ではどうにもならないトラブルに巻き込まれたのかと。

 そう、推察しております。

 人を殺めるかも知れない【兵器】を作っている家系で、何を偉そうにと思われるかも知れませんが、貴方を守れるものは祖父に頼めば、作っていただけるかも知れません。

 【他任駒勢】と言うのですが・・・」

 と言った。

 何と、ここで【当たり】を引いていた事がわかった。

 彼女は、【他任駒勢】を作っている【工場】の経営者を祖父に持つ跡取り娘だったのだ。

 しかも、目が見えない。

 そのため、家業を継ぐには、彼女が信頼するサポート役が必要となる。

 その役を【雪寿納/るわ】が行えば・・・

 そんな欲望が一瞬よぎる。

 だが、

(だ、だめだだめだだめだ。

 彼女に対して、そんな邪な気持ちで接しては・・・)

 と考える。

 それを感じ取っているのか、【萌笑】は、

「・・・貴方は本当に優しいお方ですね。

 私に対して誠実で居ようとしてくださっている。

 そう、感じます。

 私にはわかります。

 貴方は暖かい人です。

 祖父の家業が貴方に必要なのであれば、どうぞ、ご利用ください。

 私は貴方の力になりたい。

 実際に貸せる力は私のではありませんけどね。

 でも、祖父に頼む事は出来ます。

 祖父の技術は門外不出ですが、私はこの通り、目が見えません。

 だから、私の代わりに祖父の技術を習得していただく方を探しております。

 やっていただけないでしょうか?

 祖父にはあまり時間がありません。

 だから、祖父の技術を【思考技巧継承システム】に補完してあります。

 それを受けていただければ・・・

 1カ月もあれば、貴方にその技術が継承されます。

 駄目でしょうか?

 貴方は私に対して下心があるからとご自分を否定なさっているかも知れませんが、私もです。

 私も、祖父の技術を後世に残すために、貴方を利用しようとしている。

 お互い様なのです。

 貴方は私を利用したいと思い、

 私も貴方を利用したいと思っている。

 そして、私は貴方に少なからず好意を抱いています。

 貴方はどうですか?」

「うっ・・・

 ぼ、僕は・・・

 で、でも・・・」

「お願いします。

 祖父は余命半年と言われているのです。

 もう、後が無いのです。

 私の周りの者は信用出来ません。

 悪用する事しか考えていないのが透けて見えるのです。

 今後探しても、祖父が存命中に貴方の様な方に巡り会える事は無いでしょう。

 どうか、助けると思って・・・」

「それじゃ、まるで僕が人助けをしている様な感じになっているじゃないですか?

 僕は自分が助かりたいから、そう思って逃げて来た人間なんですよ。

 要するに卑怯者です。

 僕は貴女が言うような正しい人間じゃない」

「自分の悪いところを思って後悔している方は、そんなに悪い人間では無いと思いますよ。

 私じゃ、駄目・・・ですか?

 やはり、目が見えないのが・・・」

「ち、違う。

 貴女は魅力的だ。

 目が見えないなんて関係ない。

 貴女は僕の内面を見てくれた。

 僕は顔を変えている。

 この顔が好きじゃないんです。

 だから、僕の顔じゃなくて、内面を見てくれた貴女がたまらなく愛おしいんです。

 だからこそ、僕で良いのかなって・・・」

「なら、何故悩む事があるのですか?

 両思いじゃないですか。

 お互いを思い合っている。

 それが全てだと思いますよ」

「し、【白雪さん】・・・」

「【雨条さん】・・・」

 と話した。

 そこから先は男女の関係。

 2人だけの世界に浸って貰うと言うのが礼儀だろう。

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