プロローグ編041/【雨条 雪寿納(うじょう ゆきずな)/(偽者)/元、札月 るわ(ふだつき るわ)】サイト0/かすかな希望へとつながる出逢い
【雪寿納/るわ】は、
「はぁ・・・」
とため息をついていた。
ドンドン金は逃げていく。
だが、全然、【他任駒勢】の情報へはたどり着かない。
あっという間に、全財産の20分の1を使い果たしてしまっている。
まだ、20分の1と言う考えもあるが、このまま行けば、金は枯渇するのは明らかだ。
絶望感が彼を支配している。
そんな彼に、
「あの・・・
大丈夫ですか?」
と呼ぶ声が・・・
デジャブか?
前にも同じ光景があった様な。
【小百合】に声をかけられた時と状況が似ている。
だが、決定的に違う点が1つあった。
今回声を掛けた女性は白い杖、【白杖】を持っている。
つまり、【視覚障害者】。
要するに、【雪寿納/るわ】の事が見えないのだ。
顔が見えないと言う事は彼にとっては安心の材料になる。
【雪寿納/るわ】は【視覚障害者の女性】に、
「大丈夫・・・
とは言えないです。
絶望してしまっていて・・・」
と話しかけた。
相手から見えないと言う事がこんなに安心感があるのかと彼は思っていた。
女性は、
「私は、【白雪 萌笑】と言います。
よろしかったら、お悩みをお聞きしましょうか?
話すと楽になると言う事もありますし」
と言った。
【雪寿納/るわ】は、
「僕は、【雨条 雪寿納】と言います。
悩み事はすみません。
言えません。
言えば貴方も巻き込むことになる。
だから、言えないんです。
ごめんなさい」
と言った。
【萌笑】は、
「そうですか。
わかりました。
【雨条さん】とおっしゃられるのですね。
ごめんなさいね。
私では、お悩みの解決に至る力が無い様ですね。
では、気晴らしになるお話をすると言うのはどうでしょう。
絶望は取り除く事は出来なくても希望は足す事が出来ると思います。
駄目でしょうか?」
と言った。
【雪寿納/るわ】は、
「希望・・・
ですか?
・・・そうですね。
何か違う事を話している内に、何か良いことが見つかるかも知れない。
正直、打つ手無しで困っていた所です。
お話・・・
良いかも知れませんね・・・」
と答えた。
不思議とこの【萌笑】とは話してみたい気持ちになったのだ。
「そうですね。
人間、悩みだけ抱えているとふさぎ込んでしまいますよ。
時にはその悩みを忘れる事も必要かも知れません。
それならば、私も少し協力出来るかも知れませんね。
これも何かのご縁です。
私で良ければ力にならせてください。
私も色んな方に助けていただきました。
私もどなたかにそのご恩をお返ししたいのです。
そう言う意味では貴方を利用させていただいているのかも知れませんね」
「そんな事ないです。
気が休まります。
ありがとうございます」
と言う話になった。
出逢う存在全て敵ばかりだと思っていた【雪寿納/るわ】だったが、自分より弱いかも知れない【萌笑】とは味方だと思える様な気持ちになったのだった。




