プロローグ編039/【雨条 雪寿納(うじょう ゆきずな)/(偽者)/元、札月 るわ(ふだつき るわ)】サイト0/【他任駒勢(たにんくぜい)】
回りの物事全てが【敵】に見える・・・
【雪寿納/るわ】はそんな心境だった。
とにかく安全を確保したい。
自分を誰かに守ってもらいたい。
そう言う心理が働いていた。
そんな時、【俳優の国】を目指す道中で、たまたま喫茶店で聞き耳を立てて聞いていた【商人?】の話に興味を示す。
【商人?】は、【ジョージ・ダグラス】。
【ジョージ】は、【ライザ・キャンベル夫人】に商談を持ちかけていた。
【ジョージ】は、
「どうでしょう、【キャンベル夫人】。
【他任駒勢】・・・
お薦めですよ。
【ヒューマンサイズ】はもちろん、【ラットサイズ】から、【ジャイアントサイズ】まで取りそろえております。
必要な状況に置いて貴女様のご命令、貴女様のお命を守るためにだけ働く、【駒】の【兵】にございます。
旦那様との関係にお悩みなのでしょう?
いつ、旦那様にお命を奪われる事になるか?
失礼ながら夫婦間の愛は既に破綻されているとか?
でしたら、ご自身を守るためにも、是非とも、貴女様だけの為に動き、貴女様だけのために朽ちる【兵器】/【他任駒勢】。
貴女様なら、特別価格でお譲りします。
ですが、今だけです。
今、契約なさらないと損をしますよ。
今ならお手頃価格です。
どうか・・・今のチャンスを逃さぬ様に・・・
今だけですよ、ホントに・・・」
と言った。
実際には、【ジョージ】は詐欺師であり、【キャンベル夫人】を騙そうとしている。
だが、重要なのは、【ジョージ】の口から、【他任駒勢】と言う言葉とそれが、
【ヒューマンサイズ】、
【ラットサイズ】、
【ジャイアントサイズ】、
と言うネズミから巨人サイズまであると言う事がわかった事。
それに契約者を守るために動く兵器だと言う事。
その情報をただで得られたと言う事である。
本物の【それ】を手に入れる事が出来れば【雪寿納/るわ】も少しは安心出来ると思えるだけの情報だった。
直接、【ジョージ】からそれを仕入れる事は出来ないが【情報】は【財】である。
それを手に入れる事が出来ればと思える希望にもつながった。
なので、まずは、【他任駒勢】と言う兵器がどんなものか?
それを調べる事にした。
【他任駒勢】・・・
それは、簡単に表現すれば、実生活で使える【将棋】などの【駒】の様なものと言えた。
【将棋】や【チェス】なども【自軍の駒】は、自分のターンで使う事が出来る。
そして、【将棋】や【チェス】などの様に、細かい戦略は必要としない。
簡単な【命令】や契約者の【命】を守るために、【駒】の方で判断して勝手に動いてくれるという物だからだ。
もう少し分かり易い言い方をすれば、【契約者】を守ってくれる【ボディーガード】がボディーガード以外にも【契約者】の利益の為に動いてくれる物ととらえれば良いだろう。
また、それは、【ヒューマンサイズ】に適応される表現であり、【ラットサイズ】なら、【偵察】や【隠密行動】などにも適しているし、【ジャイアントサイズ】なら、【巨大ロボット】の様に戦争や戦闘に参加させる事も出来る。
たくさんあれば、【軍事力】として利用する事も出来る。
国や軍のためではない。
個人のためにだけ動いてくれる【兵力】。
そう言う便利な物と言えた。
いつ刺客に襲われるかわからない【雪寿納/るわ】にとっては喉から手が出る程、欲しい物だった。
【雪寿納/るわ】は、
(それ、欲しい・・・
凄く欲しい・・・
ど、どうすれば手に入るんだろう・・・
どうすれば安全に持つ事が出来るんだろう・・・)
と思った。
幸い、【資金】はまだある。
逃げる時、苦労して、【雪寿納】の金は全部引き出せる様に、自分なりに細工したのだ。
【雪寿納】は自分の金をほとんど使わせない様にしていたが、セキュリティーがわりと雑だったので、【雪寿納/るわ】でも簡単に突破できたのだ。
本物が偽物には何も出来ないと高をくくっていたと言う事だ。
彼が徹底的に逃げまくる事が出来たのも、その【資金】を使ったからである。
つまり、【金】はある。
後は、その魅力的な【兵器】をどう、安全に手に入れるか?である。
臆病な彼は知恵を絞ったのだった。




