プロローグ編036/【縁条 禁偽(えんじょう きんぎ)】サイト0/【謎】の【エライザ】9
【エライザ】を通して【和瑞】の【何者】かは、
『そんなに警戒なさらなくても何もいたしませんよ。
私も貴方と同じで知らない事を知りたかっただけです。
私の存在は大きすぎるので、【宇宙世界】ではおさまりきらないので、【人形人間】を使って観察していた。
それだけの話です。
他意はありませんよ』
と言った。
【禁偽】は、
『ではどうやって私に気付かれず、【あなた】は、【人間】に見せていたのか説明してはいただけませんか?
とても興味がありますので』
と質問した。
『それは簡単な話です。
貴方の住む【宇宙世界】の常識から考えれば【全て以外】のものを動力として動かしていた。
だから、【宇宙世界】の物事を利用して調べようとしても【人間】としての部分を構成している物しか見えなかった。
ただ、それだけの話です。
【全て以外】の【全て】とは【宇宙世界】にあるありとあらゆる全部の事です。
【以外】とは【それ以外】の事を現します。
【全て以外】とは【宇宙世界】以外の物で構成されている物事であり、【宇宙世界】のありとあらゆるものを使って見ても当然、見えないし計れません。
だから、貴方は何も答えが得られなかった。
【肉眼】では私達の居る世界は【見えません】。
透明に映るだけです。
だから、貴方達は間接的に見るしかない。
それを貴方のご友人、【上抜 吟芯さん】は行っていた。
それが出来るからこそ、彼は、【世界他外】の【強者】に認められ、間接的にそれらと関わる事を許された。
この説明でご理解いただけましたか?』
『なるほど・・・
流石、私の【親友(【吟芯】)】だ。
私の上を行っていたと言うことか・・・
それならば納得が行った。
実に素晴らしい。
解答を聞いてしまえば他愛の無い事だった。
分かり易い説明をありがとうございます』
『それほどの事はしていませんよ。
それと残念なお知らせがあります』
『と言うと?』
『貴方は私に答えを聞いてしまった。
ですが、【吟芯さん】はご自身でこの解答を得ています。
この答えに自らたどり着いた者と答えを聞いた者とでは雲泥の開きが存在します。
貴方は彼には勝てない。
そう、言わざるを得ません。
遙かな高みを目指している貴方にはお辛い事かも知れませんが・・・』
『そんな事はありませんよ。
私は嬉しいのです。
私の手の届かない物事が存在する事に。
いや、【存在する】と言う定義も違うのでしょう。
私がしゃべる言葉では説明つかない事がある。
それがわかっただけでも私にはこれ以上ない収穫と言える。
私は敗北を恥ずかしい事とは思わない。
一時の負けは進化を促すと信じているからです。
今は手が届かない。
でもいつかは・・・
そう、思えるだけで、私の未来は明るい。
不可能だと言われれば言われるだけそれを覆してやりたいと思えるのですよ。
だから、【親友】には勝てない。
その言葉が素直に嬉しい。
これはまた私は更なる上を目指せる。
上が存在しないと言うのは張り合いがないものですよ。
遙かな高みに居るあなたにはわからないかも知れませんが・・・』
『いいえ・・・
私もまた、【世界他外】の第1層を司る無名の【和瑞】にしか過ぎません。
上には上が存在し、少し先の上は見ることも知覚する事も叶いません。
それだけ上はどこまでも存在していると思います。
上を目指せると言う事は良い事です。
無名の【和瑞】におさまっている私よりはよほど良い。
貴方は上を目指せる存在です。
それだけは保証いたしますよ』
『ありがとうございます。
それと、正式に【娘さん(【エライザ】)】との結婚を・・・』
『申し訳ありませんが、【離縁】させていただきます。
【エライザ】はあくまでも【世界他外】の【動力】で動いている【人形人間】です。
【宇宙世界】では【存在】する事によって、様々な弊害を伴う可能性が高いです。
【世界他外】の第1層を司る者として、それを認める訳には参りません。
どうか、他の方を妻となさってください。
【答え】を貴方に話してしまった以上、役目を終えた【エライザ】は、【世界他外】に引き取らせていただきます。
どうかご理解下さい』
『そう・・・ですか・・・
それは残念ですね。
本当に彼女は私の好みだったのですが・・・』
『申し訳ありません』
『いえ、こちらこそ、無理を言って申し訳ない』
と言う話なった。
その話を【吟芯】の元に行き、
『いやぁ~、フラれてしまったよ。
これでバツイチというやつだ。
誰か良い女性は居ないかね?』
と言った。
【吟芯】は、
『それはボクチンがお願いしたいくらいだよ。
結婚出来たんなら贅沢言わないで欲しいな』
と答えたのだった。




