プロローグ編034/【縁条 禁偽(えんじょう きんぎ)】サイト0/【謎】の【エライザ】7
【禁偽】と【エライザ】は、【善悪研究闘技場】の観戦を少しする事にした。
【善悪研究闘技場】は【善玉】が集まる複数の【ジャスティス・サイド】と悪玉が集まる複数の【ヒール・サイド】のバトル大会があり、それに優勝するとそれぞれの優勝者が代表となり、【オペレーション・カップ】と言う大会があり、【善玉】16名と【悪玉】16名がぶつかると言う事になる。
【悪玉】での【強者】は【姑息】な手を使うと言うより、【急所】を攻撃すると言う【ラフファイト】を常とする者が多く勝ち残っていると言えるだろう。
対して、【善玉】での【強者】はあくまでも【クリーンファイト】を主体とする。
勝てなくても【姑息な手】は使わずにあくまでも【正攻法】で勝負する者達である。
負けても評価が下がる事は無いが、1度でも【卑怯な手】を使えば、【ヒールサイド】に落とされると言うものになっている。
【クリーンファイト】だけでやってきた【ジャスティス・サイド】が、【ラフファイト】を主体とする【ヒール・サイド】とぶつかった時、どんな化学反応があるか?
それを見るのが【オペレーション・カップ】である。
ちなみに、【ジャスティス・サイド】の選手の平均【戦闘力】は、【ヒール・サイド】の選手の平均【戦闘力】の10倍から100倍に設定されている。
あくまでも平均の【戦闘力】だから、必ずしもそうだとは言えないが、【クリーン・ファイト】で戦っても【ヒール・サイド】の選手は勝てない。
まともな勝負にさえならないだろう。
そのため、どうしても【姑息な手段】や【ラフファイト】を使わざるを得ない。
この条件でどっちが勝つかを見る実験場である。
手の届かない実力者を相手に【悪玉】達は、どう抗うか?
素のままだと、【上位】は【ジャスティス・サイド】の選手で埋め尽くされるだろう。
そうならないために【ヒール・サイド】はどう抵抗するか?
【姑息な手】や【ラフファイト】は何処まで通じるか?
それを見る大会である。
その時の観覧席での【禁偽】と【エライザ】の会話の一部を中継しよう。
【エライザ】は、
「旦那様、次のカードは何でしょうか?」
と聞いた。
【禁偽】は、
『ふむ・・・。
次のカードは、【ジャスティス・サイド】の【被検体ナンバー246597のリサ・ペンデルトン】と【ヒール・サイド】の【被検体ナンバー364978のカレン・ピースメイカー】のバトルになる。
実力値の差は【ヒール・サイド】の【カレン・ピースメイカー】を100とすると【ジャスティス・サイド】の【リサ・ペンデルトン】は1528程になる。
約15・3倍の実力差を【姑息な手】で埋める事が出来るかどうかがポイントになるな。
君はどちらが勝つと思うかね?
【ヒール】は【ジャスティス】に勝てると思うかね?』
と聞いた。
【エライザ】は、
「どうでしょう・・・?
旦那様はどちらを応援しているのですか?」
と聞き返した。
【禁偽】は、
『私はどちらも応援していない。
どちらが勝とうとそれを記録するだけだ。
勝敗には大して興味がない。
いや、興味が無いと言う事もないか。
勝敗は1つの結果だ。
どうなるかと言う結果だけが必要な情報だ。
その事に対する興味だけはある。
それ以外は論外だ。
実験として15・3倍の戦力差が妥当かどうか?
それを気にしている。
余り高すぎても駄目だし、低すぎても測定にならない。
絶妙な値を今後、どう産み出していくか?
それを気にしているな』
と答えた。
彼はショーとして見ていない。
あくまでも被験者達を使った実験としてとらえている様だ。
そこには実験結果以外、何の思い入れも無い。
どちらか、あるいはどちらも失っても何とも思わない。
無くなったら次の実験を用意するだけ。
その程度にしか思っていない。
情けの入り込む余地は全くない。
冷たい人間・・・では無く、【ラスボス】。
それが、【縁条 禁偽】と言う男である。
だからこそ、彼は【悪/ヴィラン】側の【ラスボス】として認識されているのだから。
この後、歓声が上がる。
【ジャスティス・サイド】の【被検体ナンバー246597のリサ・ペンデルトン】VS【ヒール・サイド】の【被検体ナンバー364978のカレン・ピースメイカー】。
結果は、【リサ】の勝利だった。
【カレン】が小細工する前に必殺の一撃を入れて勝利した。
15倍以上の戦闘力の差はどうにもならなかったと言う事になった。
【禁偽】は、
『ふむ・・・
拮抗する状況というのはなかなか作り出すのが難しいな。
次はもう少し、【ジャスティス・サイド】のレベルを落とすべきか・・・
7、8倍というのが妥当なのだろうか・・・
しかし、勝負は水物とも言うし、そのものの資質も影響する。
なかなか良い実験結果は得られないな。
だが、参考にはなった。
次に活かそう・・・』
と言った。
見た目は人と変わらなくても彼は人間ではない。
【ラスボス】であると言うのがわかる光景だった。




