プロローグ編029/【縁条 禁偽(えんじょう きんぎ)】サイト0/【謎】の【エライザ】2
形だけとは言え【禁偽】と結婚したからか?
【エライザ】は、
【エライザ・スミス】の時は、片田舎にすむ村娘。
【エライザ・ロバーツ】の時は、貴族。
【エライザ・トンプソン】の時は、医者の卵。
の様に、時間が経つとプロフィールが変化する事は無くなった。
だが、身体の方は相変わらず、調べる度に変化している。
【旧姓】と言う形では絶えず変化しており、今は、【旧姓】は【トンプソン】では無く、【トラボルタ】となっている。
【禁偽】は、
『良いモルモット・・・
いや、嫁が手に入った。
これは、しばらく親友(【吟芯】)の所に行くのを休まなくてはならないな。
まぁ、結婚報告として会いに行くか。
【エライザ君】、着いてきてくれたまえ。
【親友】を紹介しよう。
彼も君の変化には気付くと思うぞ』
と言った。
【縁条 エライザ】は、
「はい。
旦那様」
と言った。
そして、【禁偽】、【エライザ】夫婦は、【吟芯】の元を訪れる事になった。
道中、【エライザ】の背後から突然、男が出現した。
男は強力な【異能】をいくつも使い、【禁偽】を襲った。
【禁偽】は男を消滅させた。
【エライザ】は、
「申し訳ありません。
私の責任です」
と謝罪した。
【禁偽】は、
『いや・・・
かまわない。
他の【存在】も出るのか・・・
実に興味深い。
非常に魅力的だ、君は。
【結婚】して良かったよ。
つまらない女なら別れていた所だ』
と逆に喜んだ。
【エライザ】は、
「そう・・・ですか?
恐縮です」
と引きつった笑みを浮かべた。
【吟芯】の元に着くと、【禁偽】は、
「やぁ、【吟芯君】、突然だが結婚したんだよ。
妻の【エライザ君】だ」
と言った。
【禁偽】の声が【ラスボス】としてのものではなく、【人間】の物になっている。
【吟芯】は、
『そいつはおめでとう。
声が人間になってるよ。
どうやらそっちの子(【エライザ】)が原因の様だね。
よろしく【エライザさん】。
君、ずいぶん、珍しいタイプだね』
と言った。
一瞬にして、【エライザ】が異質であると感じ取った。
一瞬、くだらないと評価した【禁偽】より、上回る勘の良さだ。
【禁偽】は、強引に【ラスボス】の身体に戻り、
『流石は、【吟芯君】だね。
私より気付くのが早かった。
そして【エライザ君】。
ますます惚れ直したよ。
私にまで影響をもたらすとはね。
私も人間になったのは初めてだ。
良い体験をさせてもらった。
感謝するよ』
と言った。
【禁偽】以外の【ラスボス】が自分を勝手に存在変更させた相手など不気味に思って遠ざけるものだが、【禁偽】は違う。
彼は、自分にも影響を及ぼしたとしてかなり興奮していた。
むしろ、愛おしい物を見るかの様に妻になったばかりの【エライザ】を見つめた。
彼にとって、異性に対する恋や愛というものはよくわからない。
だが、彼にもわからないと言う事は彼にとっては愛情を与える対象となり得るのだ。
【エライザ】はその条件を満たしていると言っても過言では無かった。
【吟芯】の方も、【エライザ】が居れば、当分、自分に【禁偽】がちょっかいをかけにやって来ないと思って歓迎したのだった。




