プロローグ編028/【縁条 禁偽(えんじょう きんぎ)】サイト0/【謎】の【エライザ】1
【縁条 禁偽】は、
『私に何か用かね?
私は親友(【吟芯】)の所に行きたいので、君に付き合っている暇はないのだよ。
用件なら手短にお願いして欲しい』
と言った。
そんな彼の元には、一名の女性が。
女性は、
「私は、【エライザ・スミス】と言います。
貴方が【真理】を求める者だとお聞きしました。
お願いです。
【謎】を解いて欲しいのです。
貴方なら出来る。
私はそう思っています。
私に出来る事なら何でもお礼します。
お願いします」
と言った。
【禁偽】は、
『【謎】・・・とは?』
と聞いた。
興味が少し湧いた。
【エライザ】は、
「はい、【謎】です。
【私】と言う【謎】を解いてください。
私は【何者】でしょうか?」
と言った。
『何を言っているのかね?
くだらない・・・
見たところ、君はただの【人間】だ。
君を調べた所で・・・
失礼・・・
くだらないと言った事を詫びよう。
とても興味深いな君は・・・
どういう事だ?
理由に説明が付かない・・・
ふむ・・・
確かに君は興味深い。
是非、私と【結婚】して欲しい。
君は誰かと【結婚】しているのなら離別して欲しい』
と【禁偽】は言った。
どういう事だろうか?
【禁偽】はなぜ突然、心変わりをしたのか?
ただの【人間】と評価された彼女は一体、何者なのか?
謎は深まる。
【エライザ】は、
「流石です。
貴方は私が説明しなくても理解した。
私の【存在】がおかしい事に。
私は先ほど、【エライザ・スミス】と言いました。
でも、今は、【エライザ・ロバーツ】です。
この意味はおわかりですよね?」
と言った。
さっきは、【エライザ・スミス】で今は、【エライザ・ロバーツ】?
意味がわからない。
彼女は何を言っているのだろうか?
だが、彼女はウソはついていない。
記憶違いを起こしている訳でもない。
彼女は先ほどは【エライザ・スミス】で今は、【エライザ・ロバーツ】である。
その【エライザ・ロバーツ】である期間もいつまで続くかわからない。
そうこう言っている間に、彼女は既に【エライザ・トンプソン】になってしまった。
血液型もO型、A型、B型と変わっている。
年齢も19歳、24歳、22歳に変化している。
そう。
彼女は【存在】が安定していないのだ。
見た目は同じでも中身がすげ変わっている。
これは彼女が何らかの【異形】や【能力者】などならわかる。
それはあり得る事だからだ。
だが、【禁偽】が見た状態では何の力も無いただの【人間】だった。
ただの【人間】が別の【人間】に変わっている。
その事への【説明】がつかないのだ。
彼女は医者や異能力者などに診て貰った。
だが、最初に診た時、ただの人間と診断され、それ以上調べて貰えなかったり、2度診断してもらった時、全くの別人になっており、詐欺師扱いを受けたり匙を投げられたりした。
普通の存在からしてみれば、彼女は恐ろしく不気味なのだ。
しかも変わっているのは、彼女の肉体的変化だけではない。
彼女のプロフィールもまるごとすげ変わっているのである。
【エライザ・スミス】の時は、片田舎にすむ村娘。
【エライザ・ロバーツ】の時は、貴族。
【エライザ・トンプソン】の時は、医者の卵。
と言った具合に変化しているし、彼女の家族や友達、交流関係までまるごと変わっている。
そして、彼女にはその全ての記憶が残っている。
つまり、村娘の時の記憶を持ちながら貴族としての記憶もあり、医者の卵の記憶がメインとなったと言う事だ。
【エライザ】にとってこんなに恐ろしい事はない。
だから、藁にも縋る思いで、【研究狂】と名高い、【禁偽】の元に来たのだ。
彼がどんな残虐な事もやる【ラスボス】であろうと彼に縋るしか無かった。
【エライザ】は、
「私に出来る事ですから、その【プロポーズ】、お受けします。
ふつつか者ですがよろしくお願いします【旦那様】」
と言った。
いきなりプロポーズする方もする方だが、受ける方も受ける方である。
こうして、突然、【禁偽】は結婚したのだった。




