プロローグ編019/【陰陽 瞳態(おんみょう どうたい)】サイト0/【アン・カリティクル】達との邂逅1
【瞳態】は、【吟芯】の所から離れても不満が取れなかった。
【瞳態】は、
『くそが・・・
くそが、くそが・・・
くそが、くそが、くそが、くそが、くそが、くそが、くそが、くそが、くそが、くそが、くそが、くそが、くそが、くそが、くそが、くそが、くそが、くそが、
くそが・・・』
と不満を口にした。
そこへ、
『認められないって辛いよね・・・
私が認めてあげようか?
認められない辛さはわかるし・・・
もちろん、その代わりに条件を出させてもらうけどね・・・』
と言う声が。
【瞳態】は、
『・・・誰だ、てめぇは?
少なくともただものじゃねぇな・・・』
と言った。
声の主の【女性】に対して、言いしれぬ恐怖を感じてもいた。
臆病という訳ではない。
相手の強さを認識出来るだけでも大したものである。
声の主は、
『惜しいね。
【てめぇ】・・・じゃなくて、【てめぇら】が正解かな?
だって、私達は複数居るし・・・』
と言った。
その声に反応してか、複数の気配が突然現れた。
【瞳態】は自分の認識外から突然認識されたその感覚に戦慄し、
『誰だ、てめぇらは?・・・』
と言い直した。
最初の声の女性は、
『私達は、【四代目カリティクル】・・・
になれなかった・・・
襲名出来なかった存在?よ・・・
なれなかったという事は何者でも無くなったと言う事。
それによって私達は、【アン・カリティクル】と言う曖昧な存在になった。
【四代目カリティクル】とその座を争うだけの実力が有りながら負けて、何者でも無くなった。
私達には名前が無い。
だから、君が私達に【名前】を与えて頂戴。
そうすれば、私達が、君に、【絶会】の【ライセンス】をあげる。
これは取引。
私達は名前が欲しい。
君は、【絶会】の【ライセンス】が欲しい。
お互い、ウィンウィンの関係になれると思わない?』
と言った。
【瞳態】は、
『負けたんだろ、てめぇらは、・・・【四代目】に。
負け犬と手を組めってのか?』
と言うと、最初の声の女性、改め、【アン・カリティクルその1】は、
『言ってくれるわね。
でも、【四代目】とその座を争うだけの実力はある。
それも間違いないわ。
それに負け犬なら貴方もでしょ?
【上抜 吟芯】とか言ったわね。
【女装趣味】の彼に毎回負けているじゃない。
貴方に私達を負け犬と蔑む資格は無いと思うけど?』
と言った。
『うるせぇ。
んなこたぁ、てめぇらに言われなくてもわかってんだよ』
『お互い、競争に負けた者同士、勝った相手を見返してやりたいとは思わない?
それに消滅しなければ負けじゃないわ。
今は負けていても後で勝てば良い。
貴方もそう思っているんじゃなくて?』
『・・・』
『否定しないのね?
ってことは肯定と受け取って良いのかしら?』
『・・・全部で何名だ?』
『ん?』
『てめぇらは全部で何名だって聞いてんだよ。
名前与えたら、俺に仕えろよ。
だったら聞いてやるよ』
『・・・その物言いは気に入らないけど・・・
まぁ、私達は名前が無ければ何者でも無い訳だから、甘んじてそれを受け入れるわ。
今、ここに居るのは8名よ。
もっとも名前が無いから【名】と言う言い方はおかしいけどね。
表現するなら【8無】ってところかしら?』
『・・・まだ居るのか?』
『居るわ。
無数の【存在】を無くした無がね。
【カリティクル】の名前はそれだけ絶大な意味を持つわ』
『良いだろう。
質より量だ。
全員、俺が引き受ける。
負けた奴を多く集めりゃ、勝った奴を上回る事もあるだろう。
片っ端から名前をつけてやる。
それだけで力を得られれば儲けもんだ』
『それは無理ね。
名前を付ける以上、名前を覚えていなくてはならない。
誰も認識しないと言う事は【無】に戻ると言う事。
だから、貴方は貴方が忘れずに覚えて居る数だけ、名前を与えられる。
それ以上はないわ』
『なるほど。
そう言う事か。
良いだろう。
とりあえず、8名分くらいは覚えていられるはずだ。
今から名前をつけてやる。
俺に感謝しろよ』
と言って、【アン・カリティクル】達8無に名前を与えた。




