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(ファーブラ・フィクタイズム2)【オープス・パルマーレ】プロローグ編  作者: 羽絶 与鎮果


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プロローグ編015/【上抜 吟芯(うえぬき ぎんしん)】サイト0/オタクライバル、【クアンニュア】との邂逅5

 【吟芯】は今度は【クアンニュア】の接待を受ける事になった。

 【クアンニュア】に連れられてやって来たのは、不可思議な場所だった。

 【クアンニュア】は【クアンスティータ】の流れを汲んでいるので、【第1本体/クアンスティータ・セレークトゥース】の勘違いの力、【ミステイク・フィルタ】に近い力を持っている。

 【ミステイク・フィルタ】とは、【セレークトゥース】が思いこむ事で、実際の物とは異なる現象を引き起こす力だ。

 例えば、【ミサイル】を【鉛筆】だと思いこめば、【ミサイル】が【鉛筆】に変わるし、【月】を【ボール】だと思いこめば、【月】が【ボール】に変わると言うものだ。

 【クアンニュア】は、この【ミステイク・フィルタ】と親戚関係にある力、【イグジスト・リアル】と言う【異能】を持っている。

 【イグジスト・リアル】とは、実際には存在して居なくてもそこにそう言う物があると思い込む事によって、存在していない物が【実在】すると言う力であり、【ミステイク・フィルタ】より高度で、強い力となる。

 その【イグジスト・リアル】の力を持って、【クアンニュア】は、存在していない行きたい場所への【移動通路】を作り出し、そこを渡って、存在していない【場所】を作り出したのだ。

 口で言うのは簡単だが、とんでもない力である。

 【芦柄 吟侍】が【クアンスティータ】に挑む資格として、【不思議な力】を認識する力を示していたが、【吟芯】もまた、【クアンニュア】を任せるに良いだけのこの力を凄いと認識する力があった。

 【吟芯】が連れて来られた【場所】は、【コールドスリープ】の【カプセル】の様な物がずらっと並んだ空間だった。

 【クアンニュア】は、【吟芯】から借りた身体を取って元の3歳児の姿に戻っている。

 【クアンニュア】は、

『先輩だから教えるにゅあ。

 これは、【秘隔離乙女(ひかくりおとめ)】と言うにゅあ。

 他者と触れる事で穢れてしまうために大切に保管しているにゅあ』

 と自慢気に言った。

 【吟芯】は、

『ふむ・・・

 いかんな・・・』

 とつぶやいた。

 【クアンニュア】は、少し不機嫌になり、

『む・・・何がいかんにゅあ?』

 と聞いた。

 返答次第ではただでは置かないと言う意思を感じる。

 【吟芯】は、

『これでは、折角の【秘隔離乙女】の輝きを潰してしまっている。

 確かに、【クアンニュアちゃん】の言うように、他の存在との交流が折角の純粋な存在に悪影響を及ぼす可能性がある。

 【秘隔離乙女】は本当にピュアだとされているから、それだけで彼女達の死にもつながりかねない。

 だから、現実の世界と隔離するのはわかる。

 だが、これでは、【生きている】とは言えない。

 眠らせているだけだ。

 ボクチンとしては、彼女達が楽しめる環境を作ってあげるべきだ。

 ボクチン自身も純粋とは言えないから彼女達と触れる事は出来ない。

 それはわかる。

 だから、ボクチンも会わせてくれとは言わない。

 これは貴重な存在だ。

 大切に保護していかなければすぐに滅んでしまう。

 彼女達の中に生まれる悪意が自らを滅ぼしてしまうという非常に儚い生命体だ。

 本来、世に存在する事が叶わないほど脆弱な存在。

 それが彼女達だ。

 だけど、彼女達にも最低限の楽しみは分け与えてあげるべきだ。

 例えば、【花】だ。

 【花】を愛でるくらいさせてあげても良いと思う。

 彼女達に悪意が生まれない範囲で、彼女達のケアをするくらいはするべきだ。

 それが、彼女達を保護している者としての最低限の責務だ。

 ボクチンはそう思う』

 と言った。

『どうすればいいにゅあ?』

『よくぞ、聞いてくれた後輩。

 ボクチンの力ではこの存在を育てる事は出来ない。

 だが、君とボクチンが力を合わせれば、この小さき存在に花を与える事が出来るはずだ。

 絶滅するしかない稀少な生命体を愛する君の優しい心には敬意を払おう。

 だが、保有しているだけでは駄目だ。

 しっかりと育てて行かなければ。

 これは人に似ているが人ではない。

 大切に扱わなければ、死に絶えてしまう。

 だから、ボクチンも一緒に育てさせてくれ。

 ボクチンには案がある。

 こういうのはどうだろう?』

『こういうの?』

『そう。

 例えば・・・』

 と言う感じで、【超絶的な美しさ】と引き替えに、【絶望的な儚さ】を持つ、【秘隔離乙女】をどう扱って行くか?で盛り上がった。

 理想としては、【自立】して、【世の中】に出しても一定の【純粋さ】を確保しつつ、悪意により、【死亡】が無い状態にする。

 【植物】に例えれば【品種改良】の様な事をしようと【吟芯】は【クアンニュア】に持ちかけていた。

 そこには、【秘隔離乙女】と知りあいたいと言う下心が無かったとは言えないが、自分のせいで、【秘隔離乙女】が死ぬのは絶対に嫌だと彼は思っている。

 【秘隔離乙女】の純粋さを保つためなら、自分が不幸になっても良い。

 それが、【オタクボス】でもある【吟芯】と言う男?だった。

 もっとも、今は女体で活動しているが。

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