プロローグ編014/【上抜 吟芯(うえぬき ぎんしん)】サイト0/オタクライバル、【クアンニュア】との邂逅4
【吟芯】の話は続いている。
『ちょっとしんみりしちゃったけど、話を続けよう。
次の9枚目から12枚目の4枚は、【驀進王】と言う【トレーディングカード】だ。
【驀進王】自体はそんなに有名な作品じゃないし、好きな人の数も少なめだから、【カード】1枚1枚の価値はそれほど高くない。
だけど、この4枚は、【驀進王】の5人のヒロインの内、一番人気の【花嫁 妃早紀】の人生を表現した【起】、【承】、【転】、【結】の【カード】であるだけでなく、通し番号が、【7777777】で一致して居るんだ。
どういう事かと言うと、このカードは、同じカードでも通し番号が、ついていて、全部違う番号が割り振られて居るんだよ。
同じカードは1つもない。
それが、この【トレーディングカード】の売りなんだ。
そして、【ラッキー7】で、7が7つ並んだ【カード】で、【起】、【承】、【転】、【結】が全部揃っていると言うのは凄い事なんだ。
【7】は【妃早紀】のラッキーナンバーでもあるからさらに価値が倍増する。
この4枚は4枚とも揃っていて始めて莫大な価値を持つカードなんだよ』
と言うと【クアンニュア】は、
『それは凄いにゅあ』
と言った。
【クアンニュア】にも【中古レアグッズ】の良さがしっかりと伝わっている。
『13枚目は、【ミスプリントカード】だ。
これは、【リリーナリーナ】と言う女子に人気の【お洒落】をテーマにした【トレーディングカードゲーム】のカードだ。
見ての通り、この【カード】は、外枠が上半分だけ印刷されている。
下半分はされていないんだ。
通常は破棄されるものなんだけど、間違って、市場に出回っていたものをボクチンが入手したんだ。
硬貨や紙幣なんかでも間違ったデザインのものは高値で売り買いされている。
これも相当価値が付くんじゃないかって思っている。
この良さがわかるかな?
ただの粗悪品じゃないんだよ』
『わかるにゅあ。
珍しいにゅあ』
『うんうん。
そうだろう、そうだろうとも。
さすが、ボクチンが認めたライバルだな。
そして、我がライバルよ。
これが最後の1枚。
そして、14枚中、もっとも価値があると思われる1枚だ。
【オンリーオブオンリーワン】と言う【トレーディングカード】だ。
これは、さっき言った、【驀進王】と同じ、同じカードは1枚も無い【唯一無二】の【カード】だ。
イラストは無茶苦茶特殊な【AI】が自動生成する【カード】でどんな【カード】になるか出してみるまで全くわからない。
そんな中でも【美少女系】の【カード】だけは、1000万枚に1枚出るか出ないかの貴重なカードで、その中でも超絶的に美麗に描かれた【超絶美少女系】の【カード】はたった1枚しか出ないと言われている。
そして、それが、この【超絶美少女系キャラクター/ファニーナ・シンシア】だ。
ちゃんとここに【超絶美少女系キャラクター】と書かれている。
このカードを手に入れるために、多数の国が動くとまで言われている。
これを手にした時、ボクチンは、感動で涙がちょちょぎれたんだよ。
嬉しかった。
どうだい?
このラインナップ。
まだまだお宝カードは持っているんだけど、とりあえずこの14枚をチョイスして持ってきた。
査定が楽しみだと思わないかい?』
『凄く楽しみにゅあ』
『では参ろう。
恐らく全部一年前よりもずっと高くなっていると思う』
『わくわくにゅあ』
『どれから査定してもらう?』
『聞いた順番がいいにゅあ』
『だよね~。
いやぁ~楽しみだぁ~』
と言って査定してもらった。
結果としては、13枚目の【ミスプリントカード】だけ、他にも同じ【カード】が出たと言う理由で査定額が、去年よりも落ちたが、それ以外は全て高値になっていた。
14枚目の【超絶美少女系キャラクター/ファニーナ・シンシアカード】に至っては去年のおよそ5倍もの値がついていた。
小国どころか大国でも買えそうな値段だった。
そこでタイムアップ。
【ヲタだらけ】での貸し切りが終了となった。
終わってみて、【吟芯】は、
『どうだった、【ヲタだらけ】は?』
と聞いた。
【クアンニュア】は、
『凄く良かったにゅあ。
お礼がしたいにゅあ?』
と言っていた。
『お礼か?
嬉しい申し出だが、今回は先輩として後輩に【オタ活】とはどういうものか?
それを導いただけに過ぎない。
お礼をされるほどの事はしていないつもりだ』
『でも感謝したいにゅあ』
『そうか?
じゃあ、少しだけ、感謝を受け入れるよ。
簡単なもので良いよ。
その代わりに次も何かをレクチャーしようじゃないか。
少しは先輩らしい事をさせてくれ』
『わかったにゅあ。
じゃあ、ボキュについてくるにゅあ』
『ん?
どこへ行くんだい?』
『行けばわかるにゅあ』
『そうか?
同じオタ道を行く者として楽しみだ』
と話したのだった。




