プロローグ編012/【上抜 吟芯(うえぬき ぎんしん)】サイト0/オタクライバル、【クアンニュア】との邂逅2
【吟芯】と【クアンニュア】は、売れないアイドルの【潮時 歌菜】のサイン会で、仲良くなった。
【吟芯】の見た目は16才前後の少女、【クアンニュア】の見た目は3才くらいの幼女であり、世代間ギャップがある。
【吟芯】は知りあった記念として、年上ならではの【オタ活】の場所を紹介する事にした。
彼が紹介したのは、【中古アイテムショップ】の王道、【ヲタだらけ】と言う総合店のある場所だった。
ここには中古のレアグッズがたくさん売られている。
【クアンニュア】がいくら凄いと言っても生まれて間もない存在?である。
つまり、昔の作品などにはまだまだついて行けていないところがある。
そこで、中古グッズの良さを伝えるために、【吟芯】はここをチョイスしたのだ。
そして金に物を言わせて、1日、【ヲタだらけ】を貸し切りにしてもらった。
【吟芯】は、
『ここには世に出回ってないレアなグッズがたくさん売られて居るんだ。
お金で考えるのは邪道だと、ボクチンは思っているけど、明確に金額でそのアイテムの価値を示してくれる場所という事で、目に見える判断基準になっている。
そこで、今日は、【レアカード】を十何枚か持ってきたので、それを買った当時の値段と今の値段を比べて見ようと思っているよ。
それを一応、メインイベントとしてとっておいて、それ以外にもゲームソフトや駄玩具、カプセルトイやTシャツ、CDやその他キャラクターグッズなど、オタクグッズが山ほどある。
今日だけで、全部回るのはもったいないからそこからピックアップして、いくつか一緒に回ろう。
そこで中古グッズの良さをプレゼンしようじゃないか。
聞いたら、君もはまると思うぞ』
と言った。
【クアンニュア】は、
『それは楽しみにゅあ。
【先輩】、宜しく頼むにゅあ』
と言った。
メイン主人公とラスボス。
それは倒し合う関係であると言う必要はない。
時にはレアグッズを求めてライバルとして切磋琢磨する。
そんな主人公とラスボスの関係があっても良いのではないだろうか?
そう。
【吟芯】と【クアンニュア】・・・この2名は揃ってオタク道を進もうとしていた。
バトルよりもコレクション。
それを重視する間柄となったのだった。
【吟芯】は、
『今回は、先輩として何でも10点、君に奢ろうじゃないか。
何を買うか?
じっくり選ぶと良い。
資金は十分、持ってきた』
と言った。
【クアンニュア】は、
『ホントにゅあ?』
と聞いた。
【吟芯】は、
『今は女体で活動しているけど、男に二言は無い。
それより、そのちびっ子的な身体だと不便だろう。
適齢の別の女体の身体を貸すからそれを使うと良い』
と先輩風を吹かせていた。
『感謝するにゅあ』
と言って仮の身体を借りる事にした。
こうして、16才くらいのオタク少女2名の姿となった2名は、【ヲタだらけ】に足を踏み入れた。
【吟芯】は、
『まず、押さえておきたいのは【中古マンガ】の店だな。
作品を知るには、【中古マンガ】を見ないと始まらない。
初版本にはびっくりする様な価値がついていたりする事もある。
やっぱり、マニアとしては、初版本を手に入れておきたい。
そう言う気持ちはわかるかな?』
と言った。
【クアンニュア】は、
『わかるにゅあ。
やっぱり、最初に刷られたものを手にしたいにゅあ。
伝説はここから始まるにゅあね?』
と答えた。
『その通り』
『お薦めを教えて欲しいにゅあ』
『もちろんだ。
ヲタ沼にどっぷり浸かってもらうから覚悟すると良い』
『望むところにゅあ』
『では参ろう』
とまるで、長い時間を共にした親友/マブダチの様な感覚の会話が続く。
2名はまるでソウルメイトの様に急速に親しくなった。
【クアンニュア】は【異能を食べる化獣】である。
【吟芯】のオタ活の知識なども広い意味では【異能】と言えなくもない。
だが、【吟芯】は【クアンニュア】に【オタ活】のマナーを説いている。
必要以上の力を使って【オタ活】をしてはならない。
この事が、【クアンニュア】から【吟芯】の知識を奪うと言う行為に歯止めとして成立しているのである。
そう言う意味では、【吟芯】は運がよいと言える。
【クアンニュア】は【吟芯】の知識を奪う事はしなかったが、それでも【吟芯】の口から語られる知識を滝壺が滝の水を受け入れるがごとく、急速に吸収して行った。
そう。
【吟芯】は自らの趣味と同じ趣味を持つ【オタク】として、【クアンニュア】を育てているのである。




