プロローグ編011/【上抜 吟芯(うえぬき ぎんしん)】サイト0/オタクライバル、【クアンニュア】との邂逅1
【吟芯】は、【クアンニュア】の新情報として、【異能を食べる悪食】と言う情報と、【吟芯】が触れ合いたくても出来ない、【誰のものにもならない乙女】/【手に入らない少女達】/【秘隔離乙女】を保有したりしていると言うネタを新たに仕入れた。
【異能を食べる悪食】と言うのは【クアンニュア】の前で【異能】を使うと見ただけで食べられ、【異能】が奪われ、【クアンニュア】の物になってしまうと言う事を意味している。
そんな超チートな力を【クアンニュア】は持っていると言うのだ。
また、【秘隔離乙女】とは女性を愛する【吟芯】にとっては憧れの存在でもある。
また、【弱体化】してでも推す【他者】になろうとすると言う事があるという。
推し活としての究極の理想。
推している相手になると言う事。
それが、【クアンニュア】には可能だと言う事だ。
そんな情報を得ていたが、肝心な情報は仕入れていなかった。
そして、それはある時、突然理解するのである。
ここは、寂れた会場。
売れないアイドルがイベントとして【サイン会】を開こうとしていた。
売れないアイドルの名前は、【塩時 歌菜】。
ファンの数は数える程しかいない。
(100名も居ないとされる)
そして、非常にへんぴな場所しかサイン会場を確保出来なかったため、その数少ない【ファン】も来ないと思われた。
【マネージャー】は、
「ちょっと【歌菜ちゃん】、
もうちょっとちゃんとやろうよ」
と言う。
【歌菜】は、
「こんな所に【ファン】なんて来るわけないじゃない。
絶対事務所の嫌がらせだよ、これ。
私にアイドル辞めろって言ってるんだよ、きっと。
やる気も無くすよ」
と愚痴を言った。
【マネージャー】は、
「仕方ないでしょ、貴女が社長のご子息のラブコールを断ったんだから。
はっきり言って貴女程度のアイドルなんて他にも腐るほどいるから、商品価値は無いに等しいのよ。
もっと営業努力しないと引退になるわよ、マジで」
と言うやりとりをしていたら、
『引退しないで下さい』
『引退駄目にゅあ』
と言う2つの言葉が聞こえた。
【歌菜】は、
「え?
だ、誰?」
と言った。
すると、
『申し遅れました。
ボクチンは、貴女のファンです。
会員ナンバー0001です。
名前は【上抜 吟芯】と申します』
『初めましてにゅあ。
会員ナンバー0107の【クアンニュア】にゅあ。
応援してるにゅあ』
と言う声が同時にした。
そう。
【吟芯】、それに彼が調べていた【クアンニュア】。
この2名・・・実は、かなりの【オタク】である。
趣味も似ていて、【推し被り】をしている【オタク】としてのライバル同士。
それが初顔合わせをしたのである。
【吟芯】は、
『く、【クアンニュア】?
ま、まさか・・・
何で?
何で居るの?』
と言った。
【クアンニュア】は、
『お姉さん(【吟芯】は女体を使っているため、女性だと思っている)、会員ナンバー0001なんて凄いにゅあ。
尊敬するにゅあ。
そして推し被りのオタクとしてライバル宣言するにゅあ。
お姉さんには負けないにゅあ。
これから、ボキュは、お姉さんの先を行くにゅあ』
と言った。
【吟芯】は、
『ふっふっふ・・・
実力ではともかく、【推し活】として、ボクチンの上を行くつもりかね、き・み・は?
それと、わかっているだろうね?
【推し活】とは、極力、【異能】を使わない事に価値があるんだ。
努力という形で、推しの活動を支援する。
それこそ尊いのだよ。
わかるかね?
【異能】などを使って良いのは、会場が複数あって、普通では両方参加出来ないなどどうしようもない時に限る。
それ以外は邪道なのだよ。
いくら君が強くても【異能】に頼れば、【推し活】として負けなのだよ』
と啖呵を切った。
もちろん、【クアンニュア】に【推し活】で【異能】を使われては勝ち目がないため、こう言うしか無かったのだ。
【クアンニュア】は、
『わかったにゅあ。
【推し活】の先輩としてご指導感謝するにゅあ。
ボキュもそれで活動するにゅあ。
お互い正々堂々、切磋琢磨するにゅあ』
と言って握手を求めて来た。
【歌菜】は、
「あのぉ・・・君達・・・
大丈夫?」
と声を掛ける。
【吟芯】は、
『大丈夫です。
ファンとはどういう物か?
それを後輩に伝えただけなので』
と言い、【クアンニュア】は、
『そうにゅあ。
【歌菜お姉ちゃん】は気にしなくていいにゅあ』
と言った。




