表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

41/42

第40話 冷却処置

ブレイズの大きな手が、捲り上げられたわたしのふくらはぎをマッサージするように圧迫する。


「っ……!ブレイズ……?」


「すげえな……。温泉のおかげか?いつにも増して、しっとりと吸い付くようだ」


彼のごつごつとした指が、火照った肌を確かめるように指圧する。

柔らかくなった肌に彼の指が沈み込む感触。その手のひらの熱が、わたしの体温にさらに油を注ぐようだ。

甘い痺れが喉の奥で引きっつた瞬間、背後からふわりともう一つの気配に包み込まれた。


アズールだ。

彼はわたしの背中にぴったりと密着するように座り込み、退路を完全に塞いだ。


「まだ、喉が渇いているでしょう?」


囁きと共に唇が重なる。彼が自らの口に含んでいた冷水と、小さな氷の欠片が流れ込んできた。

口内で転がる氷の鋭い冷たさと、それを溶かそうと絡みつく彼の舌の蕩けるような熱。相反する温度に頭がくらくらとし、わたしは声を漏らさないよう彼の衣類をきつく握りしめる。


息を継ぐために唇が離れた瞬間、今度は足と肩口に、同時に強烈な冷気が走った。


「冷たっ……!」


ブレイズが膝の裏側に、アズールがはだけた襟元から鎖骨のくぼみへと、真新しい氷を滑らせたのだ。

氷が体温で溶け出し、冷たい雫となって熱を持った素肌をツーッと伝い落ちていく。その鮮烈な温度差の刺激に、背筋がゾクンと弓なりに跳ねた。


肌を伝う冷たい水滴を、彼らの視線が追いかける。


「……こんなに熱くなっちまって。もう限界だろ?」


ブレイズの腕が、わたしの腰を強く抱き寄せた。

彼から立ち上る雄の匂いと、有無を言わせぬ強い力。

後ろからはアズールがわたしを抱きすくめ、耳元に甘い毒のような囁きを落とす。


「あなたの火照りを、ボクたちが鎮めて差し上げましょう」


二人の男の濃密な愛執と独占欲に挟み込まれたまま、わたしの意識は抗うことなく、甘く深い夜の底へと暗転していった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ