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68話 調査結果


 僕、樋口慶と晶はその廊下を歩いていた。

 僕たちは79階層で"墓荒らし"と接敵、何とか逃げ帰ることができた。

 だが僕は王都に帰還した瞬間、疲れのあまり意識を失っていた。

 意識を失っている間、佐々木さんが"墓荒らし"について調べてくれているそうだ。

 丁度意識が回復した僕は調査結果を確認するため、佐々木さんの部屋に行っていた。


「大丈夫なの?もう少し横になってた方がいいんじゃ……」


「平気だよ、それよりもあの大男についての詳しい情報が知りたい」


 そんなことを話していると佐々木さんの部屋に着き、僕は扉を開けて中に入った。

 開けるとそこには佐々木さん、そして柳くんがいた。

 机には大量の資料が散らばっている。

 何故柳くんがいるのか僕たちが困惑していると佐々木さんがとりあえず座れと促してくる。


 警戒しながらもソファーに僕と晶が座り、正面に柳くんと佐々木さんは座った。

 どうやら佐々木さんは帰って来てから休んでいないようで目の下にクマをつけていた。

 そして体調がすぐれないようで柳くんは脂汗をかいていた。


「お前ら今回も襲われたんだろ?大丈夫だったか?」


「う、うん……

 柳くんも大丈夫だった?頭痛が酷いようだけど」


「お前らが受けた傷よりかはマシだよ。

 俺も……少しは力になりたかったけどな、肝心な所でいなくて悪かったな」


 柳くんはそんなことを言いながら頭を下げた。

 僕は晶の方を少し見るが晶は首を振った。

 僕がその結果に少し困惑していると佐々木さんが一度咳払いをし本題に入って行く。


「お前らを呼んだのは今回襲って来た"墓荒らし"、そして判明した"原罪"という組織についてとことだ」


「それはわかったんだが、どうして俺をここに呼んだんだ?

 前の奴と今回のやつの戦闘時、俺はいなかった。

 俺がいても何にもならないと思うが……」


「まぁ聞け、それについては調査結果を共有した後にしよう。

 最初は今回襲って来た墓荒らしについて話していこう」


 そして佐々木さんは机に置いてある資料を一枚取り、読み上げて行く。

 

「あいつは3ヶ月ほど前から姿を現しはじめた。

 墓荒らしは文字通り、あいつはただ墓を荒らす。

 表面化していなかっただけで今回本格的に調査してみると、何年も前からダンジョンでアンデッドモンスターを喰うやつがいると噂が立っていた。

 顔を見た人間もいない、人間なのかはたまたモンスターなのか誰も知らない」


「けど今回で何故あいつが墓を荒らすのかがわかった」


 僕がそう言うと佐々木さんは首を縦に振り話して行く。


「あいつの目的は恐らくアンデッドを喰うことにある。

 墓を荒らすという行為から、喰うのはそいつに残っている"魂を喰らう"というとこか」


「私たちを殺すとか言ってましたけど、それは目的じゃないんですか?」


「多分違うと思う。

 あいつが僕たちを襲った時、余りやる気がないように見えた。

 現に面倒くさいとかそんなことを言っていただろう?

 僕たちを襲った理由は上の人、"原罪"という組織のリーダー的なものから命令されてしたことと、あいつの発言から予想できる」


「恐らくそうだろう、次は"原罪"について話していこう」


 佐々木さんは欠伸をしながらも、そう話す。

 そして手に持っていた資料を置き、調査結果について話して行く。


「正直に言おう。

 兵を総動員させ調査したが"原罪"なんていう組織は影も形もなかった。

 闇ギルドかとも思い調査してみたが……」


「そうですか……」


 "原罪"……

 一体何が目的で僕たちを襲うのだろうか。

 そんなことを考えていると柳くんが口を開いた。


「それでどうして俺を呼んだんですか?

 話を聞いても俺がいる必要性が……」


「安心しろ、これから話してやる」


 佐々木さんはそう言うと柳くんを強く睨みつけ、話す。


「前回に続き、今回の襲撃それに共通点を見つけたのだ。

 両方とも、ある人物が同行していなかったんだよ」


「それ、って……」


「あぁお前だよ柳蓮。

 お前は"原罪"と繋がってるのか?」


「そ……」


 "原罪"、あいつらは僕たちの死を願っている。

 恐らく江口くんたちを殺したのも"原罪"という組織。

 もしも、柳くんが……繋がっているのなら。

 どんな手を使ってでも……


「そんなわけ、ないじゃないですか」


 その言葉を信じ、僕と佐々木さんの警戒は解け胸を撫で下ろしため息を吐く。


「悪かったな蓮、疑って……」


「本当にごめんね、柳くん」


「いや、大丈夫ですよ。

 クラスメイトが殺されてるんですから、手がかりがない中疑心暗鬼になるのは仕方がないことですよ」


 僕たちに負い目を感じさせないよう、柳くんはそう言う。

 けどやはり気になる、今の彼はまさに好青年そのものだ……

 どうして伊藤くんをいじめて、ダンジョンに閉じ込めるまでに……

 そんなことを考えていると柳くんは口を開いた。


「ただ"原罪"って名前どこかで聞いたことある気がするんです」


「それは本当か……!?」


「とっても、小さな頃……

 水の中で誰かが」


 水の、中……?何を言って……

 それを言った途端、柳くんは取り乱しはじめた。


「あれ……何で?

 何で何でなんでなんでナンデナンデナンデェェ!?」


「柳くん!」


「蓮落ち着け!」


 柳くんは頭を抱え、倒れ込む。

 すぐに僕たちは駆け寄り、抱き抱える。


「わ、た……」


 そして柳くんは意識を失った。


***


 そして僕たちは医務室に柳くんを運び、治癒師さんが柳くんの様子を見ていた。

 佐々木さんが治癒師さんに柳くんのことを聞き、僕と晶は廊下で待機していた。


「晶……!」


「えっ渚?!どうしてここに……」


 柳くんが出てくるのを待っていると藤宮さんが来た。

 急いで来たようで息を荒げている。


「柳くんが倒れたって聞いて……

 私、柳くんのことよく治してたから」


「そっか、よく渚に頭が痛いって治してたよね」


「藤宮さんは柳くんの頭痛の原因、知ってるの?」


「いや、知らないよ」


 藤宮さんは首を振る。

 柳くん、大丈夫かな……?

 そんなことを考えていると晶が急に藤宮さんに抱きついた。


「えっどうしたの晶?!」


 僕と藤宮さんが困惑していると、晶は藤宮さんに顔を埋める。


「私、信じてるから……」


「……うん、私もだよ」


 そう言いながら藤宮さんは晶の頭を撫でる。

 晶もいっぱいいっぱいだったのだろう……

 そんなことを考えていると佐々木さんが医務室から出て来た。


「柳くん、どうでした?」


「恐らく過度な頭痛の影響だろう。

 あいつはよく悪くしてたからな。

 とりあえず今日はもう遅い、早く寝ろ」


 変な病気とかじゃないようで僕は安心し、自分の部屋に向かって歩き出した。

 "原罪"……絶対に、江口くんたちを殺した償いをさせてやる。

 僕は拳を握りしめながら、そう誓うのだった。




本日、約束していた18時に投稿できず大変申し訳ございまさんでした。

言っていた通りの時間に投稿できなかったこと反省しております。

読者の皆様、本当に申し訳ございません


活動報告に記載した通り、明日から平日は19時に投稿することに決めました。

いつもより2時間ほど速くなりますがぜひ読んでください。

これからも応援よろしくお願いします!


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