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4話 スキルの開発


「ちょっ、これ引きずる必要あります?」


「確かに」


 ルナさんはそういい手を離してくれた。

 だが急に手を離されたせいで、僕は尻もちをついてしまった。


 僕は尻についた埃を払いながら立ち、ルナさんは歩き始めた。


「これからよろしくね、えっと〜伊藤慎二くんだっけ?」


「えっ!」


 自己紹介したことないのに名前を言い当てられたので少し驚いた。


「あっ、驚いた〜?ほら君、ステータスウィンドウ見た時名前書いてあったでしょ。

 鑑定魔法はステータスウィンドウそのものを見るから名前もわかるんだよ〜」


 確かに、ステータス見た時名前も一緒に書いてあったな。

 それよりもずっと気になっていたことを聞いてみた。


「あの、さっき言っていたスキルの開発って何なんですか?あとお名前ちゃんと教えてくれませんか?」


 ルナさんはキョトンとして、「あれ?私言ってなかったっけ?」と返された。

 ちょっと抜けてる人なのかなと思いつつ僕の質問にルナさんは答えてくれた。


「私の名前はルナ・ファベット、みんなからルナって呼ばれてる。多分長い付き合いになるからよろしくね〜」


「そうそう、スキルの開発について説明して欲しかったんだよね。まず説明する前に魔法について教えておかないとね」


 ルナさんはそう言い魔法について教えてくれた。


「魔法は昔、神様が授けてくれたもので、魔法を使うには魔力を持っていないといけない。

 だけど魔力を持ってるのは一握りの人間しかいないんだよ。私はその一握りの人間、つまり結構すごいんだよ〜」


 ルナさんは自信満々そうに言った。


「それとスキル開発にどんな関係が?」


「まぁ、待って、物事には順序ってものが大事なんだよ。

 あ〜、あと魔法とか魔力と一緒に授けてくれたのがステータスとかスキル、君が持ってる【固有スキル】とかだね。


 まぁ、そこは追々話すとして、まず魔法と同時に神様が授けてくれた、魔法創造っていう魔法があってね様々な魔法を作ることができるんだよね。

 でも魔法創造を扱うのはすごく難しいし、資格も必要だから私って本当にすごいんだよ」


「少し聞きたいんですけどMPと魔力って同じ意味ではないんですか?」


 ルナさんは「あぁ」とそう言いMPと魔力の違いについて説明してくれた。


 MPはまぁみんなが持ってる力、それを使ってスキルとかを発動することができる。

 魔力は少数の人間しか持っていない力。

 魔法創造があるおかげでMPよりも自由度がすごく高い。

 でも扱うのはその分難しいらしい。


 神様、そんな曖昧なもの本当に存在するのかな?と疑問に思った。

 そして僕はさっき渚さんを見たとき何故固まっていたのか聞いてみた。


「あ〜、藤宮渚さんね。驚かないで聞いて欲しいんだけど、実は彼女固有スキル持ってなかったんだよね。

 こんなこと今までなかったからびっくりしちゃって固まってたんだよね〜」


 えっ!渚さんスキル持ってないの?!僕はすごく驚いた。

 いやでもよかったか。

 下手に戦闘系のスキルとか持ってると危険な目に遭うかもしれないし。

 僕がほっとしていたところルナさんはもう一つ衝撃的なことを言った。


「でも、彼女魔力持ってたから多分これから魔術師になるんじゃないかな?結構魔力量の数値高めだったし」


「ちょっと待ってください、そんなことあるんですか?転移者に魔力が宿るなんて」


「うん、普通にあるよ〜、元々器は持っている人がたまにいるから転移時、魔力を使って召喚するんだけどその時に秘められていた魔力がたまに覚醒するんだよね〜」


 これでは渚さんが危険な目にあってしまう。あんないい人に危険な目にあって欲しくないし、謝らないまま死んでほしくない。

 数々の嫌な考えが錯綜する中ルナさんの話はまだ続く。


「話が逸れたね、まぁ要するにつまり君の固有スキルを参考にして新しい魔法を作ろうっていう話だよ。

 他にもそっちの世界にある兵器とか諸々も参考にして作ってる。

 そっちの世界の銃火器とかも前の転移者の話を参考にして作ってるんだよ〜」


「えっ!前の転移者っていたんですか?」


 ルナさんはハッとした様子をした。


「あっ!これあまり言っちゃいけないんだけどね。君たちの前にも転移してきた人達いっぱいいたんだよ。さっきみんなを見た時に使った鑑定もその一つ。

 前の転移者たちの中に鑑定の固有スキル持ってた人いたからね。1ヶ月くらい前も転移してきた人達いたんだよ」


「あの、その転移者の人たちはどうなったんですか?」


 ルナさんは少し悲しげな顔をしながら、「ほぼ全員死んだよ。戦闘系の子たちは、エリアボスに殺されて、サポート系の子たちは仲間が死んだショックで自ら命を・・・」と答えた。


「すみません、思い出させるようなこと言って」


 そうこうしているうちにルナさんが歩みを止め、魔法研究室と書かれている部屋があった。


「さぁついたよ〜」


 ルナさんはそう言い、ドアノブに手をかけドアを開けた。


「とりあえずこれから研究頑張ろうね〜」


___________________


「ふぅ」


 僕は、ベッドで横になり一息ついていた。

 なぜ僕がベッドにいるのかいうと、それは研究室に着いたところまで遡る。


 実は研究室、思いの外汚くて、掃除魔法で綺麗にしとくから部屋で待っててと言われ、部屋に案内されたのだ。

 暇だなーと思っていたその時、窓の外から声が聞こえた。


 その声確認すべく窓の外を眺めてみるとなんと、樋口くんが転移時に見た屈強な兵士に木刀で切りかかっていたのだ。


 もう樋口くん訓練してるんだ。と思い見ていると樋口くんの動きが常人とかけ離れていることに気づいた。

 確かスキルの効果で全ステータスに補正かかるんだっけ?と僕がそう思っていた。


 樋口くんは、兵士の恐ろしく早い抜刀を身を翻して避けその隙に樋口くんが連撃を叩き込む。


 兵士は連撃を受け切ることができたが体制を崩してしまい、その隙に樋口くんは、頭に思い切り木刀を振り下そうとしていた。


 流石にやりすぎだろ、と思っていたが横の団長らしき人間がありえない速度で樋口くんに近づき攻撃を易々と片手で受け止めた。


 マジかよ。

 樋口くんは、思い切り剣を振り下ろしていた。全体重をかけてそれなのに片手で受け止めるなんて・・・

 

 レベル上げていくとあんなになるのか。僕がそう思っていた時、扉が開か音が聞こえた。


「掃除終わったので、早く研究しますよ〜」


 ルナさんが僕のことを呼びにきてくれたらしい。

 ちょうどいいので、あの人は何なのか聞いてみた。


「あ〜、もうレベル上げしてるんですね。実はあの佐々木さんっていう人、貴方たちと同じ転移者なんですよ〜」


 へ〜、僕たち以外にも転移者まだいたのか。

 あと、レベルを上げる方法を聞いたことがなかったので聞いてみた。


「あ〜、説明してませんでしたね、レベル上げの方法は全部で2つ。1つ目は、モンスターを倒す。

 2つ目は、強い相手と戦うことでレベルを上げられます。まぁ〜、経験を積むとレベルも上がるんですよ〜」


「そして、佐々木さんは全ての兵たちを束ねる騎士団長なんです。あの人、化け物みたいに強いのであまり刺激しない方がいいですよ〜」


 ルナさんがそう教えてくれた。


「さぁ、早く行きますよ〜」


 ルナさんはそう言い僕とルナさんは研究室に向かった。

___________________


 僕とルナさんは綺麗になった研究室へ向かっていた。

 やっとスキルの開発を始めるのか。


「ついたよ〜」


 研究室に着き、僕は少し緊張しながらドアを開ける。

 その先は、ゴミ一つない綺麗な部屋が広がっていた。

 さっきまでは、本が山積みになっていたり、本たちは埃を被っていたのに完璧になくなり、本はきちんと本棚に整頓されていた。

 掃除魔法って便利だな。

 そう思いつつ、部屋の中に入り少しあたりを見渡す。


 辺りを見ていると杖やら高そうな短剣があったがそれよりも目立つのが、机の上に置いてある青く光る石だ。


「この青い石たちはなんなんですか?」


「これは、魔鉱石と言ってね、君ステータス見てみてMPと魔力っていう項目あったでしょ。

 やっぱりMPと魔力とかって強い奴ほど多く持ってるんだけど、ずっと溜め込んでると体に毒だから少しずつ排出してるんだよ。

 そのMPとか魔力たちが石に宿って魔鉱石ができる、そしてこれはその中でも結構、高純度の魔鉱石なんだよ」


「こんな量の魔鉱石、どうやって入手したんですか?」


 ルナさんは思い出すように僕の質問に答えてくれた。


「魔法協会っていう、私たちのことを支援してくれている人たちがいるんだよ。その人たちがこれをくれるんだよ〜。

 魔法協会もダンジョンを早く攻略したいみたいだし。まぁ、こんな高純度の魔鉱石の出所はわからないけど」


 次にその高純度の魔鉱石とやらの使い道を聞いてみた。


「これは転移させる時に使うんだよ。一人だけじゃ魔力が足りないからね、魔力を抽出して補うんだよ。

 少し話が逸れたね、さぁスキルの開発を始めようじゃないか」


 ルナさんは、その藍色の瞳を輝かせながら言った。


「すみません、スキルの開発って言ってもまず、固有スキル使ったことないんですけどどうやって発動させるんですか?」


 ルナさんは少しキョトンとした後、こう言った。


「あ〜、そうか君固有スキル使ったことないのか。でも結構簡単だよ〜。なんか発動するみたいな感じで行けば発動できるよ」


 その、全くタメにならないアドバイスに僕はため息をついた。


「とりあえず、やってみます」


 適当に周りにあるペンを手に取り、亜空間収納(インベントリ)とスキルを発動させる。

 その途端、ペンは光り僕の手に吸い込まれるように消えていった。


「お!成功だね、亜空間収納(インベントリ)の中とかにペン入ってない?」


 僕はステータスを開き、亜空間収納(インベントリ)をダブルタップしたら、さっき見た時はなかったペンのマークが描かれたのがあり、右下には×1と表示される、中に入っているペンの本数を表しているようだった。


「ちゃんと中に入ってるね〜」


 感心しているとルナさんが亜空間収納(インベントリ)をのぞいてきた。


「ふむ、見てみる限り亜空間に物を収納するってことは転送魔法と空間魔法をうまく改造すれば作れそうだな」


 ルナさんはすごく興味深そうに亜空間収納(インベントリ)を見つめていた。


「ちょっと、もう少し見せてもらってもいいかな。それみながら作ってみるから」


 ルナさんは藍色の瞳をキラキラと輝かせながら僕をみてきた。

 僕なんかが力になれるならと思い、僕とルナさんは時間を忘れて研究に没頭した。


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