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3話 異世界

今回の話、定番展開でキツイと思う方もいると思うので流し見でも大丈夫です。

 アーシャさんの話が終わった後、声を上げたものがいた。


「失礼ですが王女様、私は樋口慶と言います。

 すみません、僕たちもまだ混乱していてまずは状況を教えていただけませんか?」


 金髪、金の瞳、安心するような眼差し、整っている顔立ち、そこにいたのは樋口くんだった。

 アーシャさんがこくりと頷く。


「えぇ、そのつもりです」


 そこからこの世界についての説明が始まった。


「まず、この世界にはダンジョンというものが存在していて、ダンジョン内には凶悪なモンスター達が蔓延っています。

 そのモンスター達を、貴方たちが転移時に神から授けられた【固有スキル】でモンスターたち倒して欲しいのです」


 アーシャさんが固有スキルと言った途端皆んながザワつくのが分かった。

 僕は、目覚めてからそういうのに触れずにずっと勉強させられていたからよくわからなかった。


「モンスターや【固有スキル】についての説明をお願いしてもよろしいでしょうか?」


「ええ、そのつもりです。まずエリアボスというモンスターについて話させていただきます」


 アーシャさんは、エリアボスについて説明してくれた。

 まず、エリアボスは複数体いてダンジョン内にはそれぞれのエリアボスが治めている領土がある。


 ダンジョン内のモンスターは色々な種類いて、ゴブリンとアンデッド、それに動物の特徴を兼ね備えた亜人というモンスターもいるらしい。

 ダンジョンはそれぞれ階層があって、1階層、2階層・・・とどんどん上がっていってそれに比例してモンスター達も強くなるらしい。


 今のところ60階層まで攻略できた。

 けど戦力の消費が激しいから僕たちにそのエリアボスの討伐を手伝って欲しいということらしい。


 アーシャさんの説明が終わったあと、樋口くんは「ありがとうございます」と頭を下げた。


「それでは、皆さんステータスオープンと念じてみてください。

 そしたらステータスウィンドウが目の前に現れると思います」


 ステータスとは何なんだろうか?なぜそんなものがあるのだろうか?と少し戸惑ったが皆んなはそれを自然と受け入れていた。


 そして次々とステータスウィンドウとやらを開いていったので僕もステータスオープンと念じてみた。

 そう念じた途端目の前にステータスが現れた。



 【 名 前 】 伊藤慎二

 【 レベル 】 6

 【 H P 】 1500/1500

 【 M P 】 150/150

 【 S P 】 100/100

 【 魔 力 】 0/0

 【 筋 力 】 20

 【 脚 力 】 20

 【 抵 抗 】 8

 【 感 覚 】 7

 【 スキル 】 なし

 【固有スキル】 亜空間収納(インベントリ)

 【ステータスポイント】 0


 HPっていうのは体力ってことだよな。ステータスポイントってなんだろう?あと、MPと魔力これは同じではなかっただろうか?

 数々の疑問が頭によぎる中まず僕の目に入ったのはスキルの方だった。


 亜空間収納(インベントリ)、それがどういうスキルなのか僕にはわからなかった。


「では皆さんの目の前にステータスが現れたと思いますが、自分のスキルをタップしてみてください。

 そしたらそのスキルの詳細が見ることができます」


 アーシャさんがそう言っていたので、亜空間収納(インベントリ)のスキルをタップしてみた。

 そこにはこのスキルの詳細が載っていた。


 このスキルは荷物を亜空間に収納、そして収納してあるものを好きなタイミングで排出できるスキルらしい。


・発動条件は触れて発動させること。

・生きているものは入れられない。

・重量制限とか書いてない。


 中身を見る場合、インベントリのスキルをダブルタップすればいいらしい。

 そしてその亜空間内の時は止まっていると書いてあった。

 試しにダブルタップしてみると中身を見ることができた。

 まぁ、何も入れてないから空っぽなわけだけど。

 へぇー、少し試してみたいなと思っていたら一人の生徒が声を上げた。


「スキルの詳細に、?と書いている部分があるのですがこれは何なのでしょうか?」


 声をあげていたのは樋口くんだった。

 アーシャさんは少し考えたあと樋口くんにそのスキルの名前を尋ねた


「えっと、剣人と書いてあります」


 樋口くんがそう言った途端、周りにいた兵たちがざわつくのがわかった。


「今、あなた剣人のスキルを持っているとおっしゃいましたか!?」


 アーシャさんが目を見開き驚いた様子でそう言った。

 剣人って何なんだろう?僕がそう思っていた時、アーシャさんがそのスキルについて語り始めた。


「そのスキルは、経験を積んでいくごとに進化していくすごいスキルなんです。しかも進化していくことでHP、MPの自動回復、全ステータスの補正と様々な恩恵を得ることができます」


 それを聞いた、みんながしばし驚いた後、「すごいね!」「さすが樋口!」「頼りにしてるぜ!」と樋口くんへの歓声が巻き起こった。


 だが、みんながみんな樋口くんを好きというわけではない。

 柳、そしてその取り巻きたちも樋口くんのことを睨んでいた。

 アーシャさんは、まだ何か話したげだったが、ずっと黙っていた銀髪の少女が口を開いた。


「すみませんが、その話はあとにしてもよろしいでしょうか?」

「あっ!ごめんなさい」


 アーシャさんは、少し咳払いをしたあと話を続けた。


「すみません、取り乱しました。

 ではみなさん自分のスキルは確認し終わったようですね。

 とりあえずルナ、戦闘系のスキルとサポート系のスキル、そして未発見の開発できそうなスキルで、皆を分けなさい」


 ルナさんは慣れた手つきでみんなを振り分けていったのだが、渚さんと目を合わせた時少し固まった。

 ルナさんはアーシャさんに近づき何か耳元で囁いていた。

 アーシャさんは怪訝な顔で渚さんをみていた。その後振り分けが再開されたが、なぜか僕だけは呼ばれずに取り残されていた。

 そしてルナさんは僕に近づいてきた。


「アーシャ様、この生徒のスキルは開発できそうです」


「そう、ではその生徒を連れて行っていいわよ」


「了解いたしました」


 スキルの開発?意味のわからないことばかりで困惑していたがルナさんが僕に話しかけてきた。


「とりあえず、君はこれから私とそのスキルを開発するから」


 ルナさんはそういい、僕のことを引きずり部屋から去ろうとした。


 その瞬間僕のことを心配そうな目で見ている渚さんと目があった。

 だが目が合った瞬間直ぐに目を逸らされた。

 状況を把握するのに精一杯で謝ろうとしていたことを、忘れてしまっていた。


 ルナさんの手を振り解こうと努力するが、意外にも力が強くなす術なく僕とルナさんは部屋をさっていった。


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