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42話 限定


 その瞬間、ライオッドは俺に向かってとんでもない速度で向かってくる。

 そしてライオッドからの横薙ぎを俺は身を屈めることで回避、反撃しようとしたがライオッドは一瞬で俺の上空を通り過ぎていった。


「随分と速いじゃねぇか!」


 後ろにいるライオッドに振り向きざま『天絶』を打つがライオッドはそれを難なく避ける。


 俺たちは同時に走り出す。

 こいつ相手に力で勝負しちゃダメだ絶対負ける。

 刀で受けても軽々と吹っ飛ばされる筋力、どうしたもんかな。


 俺は一歩、強く地面を踏み締め土埃を上げる。

 俺は気を身に纏うことで隠密を発動させる。

 ラオオッドは足を止め、俺の攻撃からの反撃に備える。

 その瞬間ライオッドは土埃の微妙な変化を捉え、大剣を振るう。

 ガシャンと人体を破壊する音とは程遠い音が響いたと思えば、その瞬間天井から轟音が響きライオッドの体は沈み込む。


 俺は背中に突き刺した刀に『風刃』を使うことで肉を抉る。

 もちろんそう長くは続ける方は叶わず、一瞬でふりほどかれ俺は後方へ飛ばされる。

 もう十分貯まった!


 俺は空中で身を翻し、『天絶』を撃ち片腕を飛ばす。

 だがそんなこと気にも止めず俺に向かって突進、右腕に持っている大剣を薙ぐ。

 やべっ──

 俺は避けることを選択肢を捨て、全力で腕に硬化を回し受け止めると同時に、風を生成し深く大剣が入る前に後方へ飛びダメージを最小限に抑える。


「ッ痛てぇ」


 だが相手はエリアボス、ダメージを最小限に抑えたといえど骨にヒビが入るほどの傷を俺は負った。

 まぁこれで済んだだけマシか……

 治癒(ヒール)を使い腕の傷を治し、調子を確かめるようにプラプラと腕を振る。


「及第点、ってとこか。

 土埃で俺の視界を塞ぎ、陽動、不意打ちをした。

 あそこは『天絶』撃ったほうが良かったんじゃねぇか?」


「敵に塩を送るような真似すんなよ。

 お前は俺の師匠かよ」


 俺はその助言を鼻で笑い飛ばす。

 まぁあいつの言う通りではあるんだがな、どうしても『天絶』のチャージに時間がかかりすぎる……どうにかしねぇと。


 俺が勝つにはやっぱキリサメのいう通り『不倶戴天』を今ここで完成させるしかねぇか……!

 でもさっきの『不倶戴天』で"霜月"の中にある気全部使っちまったし、撃てるのはあと一発。

 慎重にやんね……


「戦い中に考え事かよ?」


 その言葉で我に返り前に向き直すが、ライオッドの攻撃はもうすでに眼前に迫っていた。

 硬化を……いや間に合わねぇ……じゃあ受け──いやダメだ……

 受けたら確実に致命傷を喰らう、その隙を見逃すはずがねぇ!

 俺の脳内はこの状況を打開しようと、前の経験から何か策がないかと掘り出していく。


 ──やるしかねぇ!

 俺は腕を前に出しその大剣に触れ、固有スキルを発動させた。

 その瞬間、ライオッドの持つ大剣と俺の腕は弾き飛ばされる。

 俺はその反動をうまく使い、ライオッドから距離を取った。


「あっぶねぇ……!」


 俺の全身から汗が同時に吹き出す。

 あそこ、本気で死にかけた……考えてる暇もくれねぇか。


「なんだ……今の?

 お前の固有スキルは吸収的なもんじゃねぇのか?」


 そしてライオッドは語りかけるように自分の剣と向き合う。

 俺はその隙に刀に気を込め『天絶』の準備を、そして壁や床に気を流していき新しく考えた作戦の準備をする。

 そうこうしているとライオッドは俺の方を向きニヤリと笑った。


「さぁ存分に撃ってこいよ……」


 ライオッドはその言葉と同時に身を低くし走り出した。

 ライオッドは俺のスキル警戒して遠距離からの『風刃』含め飛び攻撃はしてこない。

 だからあいつは『天絶』を簡単に撃たせねぇように必死に俺との距離を詰める。

 『不倶戴天』のヒント探しながら、作戦をするための状況を作る。


 その瞬間ライオッドの突進からの横薙ぎを俺は軽く跳躍し回避、次はちゃんとライオッドの位置を見定め刀を抜く。

 だがその瞬間ライオッドは地面に手をつき壁を生成、自分の体を暗ませると同時に隠密を発動し気で自分の位置を感知できないようにした。


「……チィッ!」


 俺はライオッドの位置を予想して『天絶』を放つ。

 だが放つと同時に壁が爆ぜ、大量の瓦礫が俺を襲う。

 視界が塞がりライオッドの位置がわからなくなる。

 その瞬間俺の全身を優に超えるほどの影が現れた。

 俺が上へ向くがライオッドはすでに大剣を振り上げ、攻撃体制に入っていた。


 俺は火を生成、足で爆ぜさせ後ろに飛ぶことでギリギリでそれを避けるが大剣は地面に激突、とてつもない轟音と共に土煙が上がり姿を暗ます。

 ──しまっ……

 その瞬間俺の肋に大剣が振り抜かれ、易々と俺の体は吹っ飛ばされ、天井、壁、床、あらゆるところにバウンドしたのち地面に倒れた。


 体がぶち壊れる、骨も砕け、臓腑も傷ついた。

 その瞬間、赤黒い血液が吐瀉物のように口から吐き出される。

 強い痛みに俺は涙を堪え、絶叫を噛み殺す。


「終わりだ、慎二……」


 ライオッドはもうすでに俺の目の前に立っていた。

 俺は治癒(ヒール)を回しなんとか動ける状態にする。


「もう諦めろ、お前に勝機はねぇ。

 じゃあな」


 その瞬間、大剣が振り下ろされ土煙が舞う。

 仕方ねぇか……!

 それと同時に──ライオッドは殴り飛ばされた。

 その衝撃にライオッドはよろめき、体制を崩す。


「何が……!」


 その隙を見逃さず俺はライオッドに対して『天絶』を放つ。

 なんとか横に避けることで足を犠牲に回避した。


「ライオッド。

 こいつは俺の奥の手だ、使ったからにはすぐに終わらせるぜ……」


 身体強化は、筋力、脚力を上げれば上がるほど強化できる倍率はどんどんと上がっていく。

 だがスキルの身体強化には《大》までしか強化ができない。

 だが、スキルを介さずにすることでその上限は意味をなさない。

 俺は許容上限を超え、身体を強化することに……成功した。


 ──限定強化


「5分だ……5分以内にテメェを倒す!」


 俺はライオッドにそう告げるのだった。


 【 名 前 】 伊藤慎二

 【 レベル 】 490

 【 H P 】 25000/49900

 【 M P 】 4500/7590

 【 S P 】 200/400

 【 魔 力 】 0/0

 【 筋 力 】 989 

 【 脚 力 】 989 

 【 抵 抗 】 261 

 【 感 覚 】 261 

 【 スキル 】 身体強化《大》身体強化《中》治癒(ヒール)《中》治癒(ヒール)《小》隠密 火操作 水操作 風操作 土操作

 【固有スキル】 亜空間収納(インベントリ)

 【ステータスポイント】 25


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