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38話 霜月


「お前たち、何してんだ?」


 俺がルルと共にリビングへ戻ると、しゅんとした顔で座らされてるキリサメとその目の前で鬼の形相で立っている慎がいた。

 ノヴァとリリは笑いを堪えながら座っていた。


「ほら師匠」


 慎がそう言うとキリサメは俺に向き、事情を説明する。


「いやなぁお前頭いてぇとか言ってただろ?

 実はな、お前が剣気終えた後ちょっと暴れ出してよ。

 そんで、、ボコしました」


「だからこんなに頭痛いのかよ。

 てか、そうなら言えばよかったのに」


「いや、、ホント、、すんません」


「別にいいよ、暴れたのは俺の力不足なんだからさ」


 キリサメはそう言うと申し訳なさそうに頭を下げて、自分の座布団へ腰掛ける。

 キリサメがこんなにヘコムなんて、慎そんな怒ったのかよ、、

 俺はその状況に少し呆れながら座布団に座った。


「とりあえず、慎二。

 ご注文の刀を打ってきたぜ」


 ノヴァはそう言うと包みを俺に渡す。

 俺はそれを笑顔で受け取り、その包みを開けた。


「そいつは俺が丹精込めて打った刀。

 名を『霜月』と言う」


 俺はそれを聞きその刀を抜きじっくりと眺めた。

 長さは目測で70以上ありそうだ、80くらいか?

 そしてその刀身は、雪のように白く輝いていた。


「中々いい刀打ったじゃねぇかよノヴァ。

 これで本格的に修行に移れんな」


 キリサメはそう言うと俺に「そいつに気流し込め」と言う。

 俺はキリサメのいう通り刀に気を流し込む。

 『布都御魂』の時と何ら変わらない。

 そしてその瞬間、刀に吸い込まれる感覚と同時に世界は真っ白に染まる。

 

「ここが『霜月』の中……

 なんか既視感あるな」


 俺はあのナイフで剣気をしたことを思い出しながらとりあえずこの世界を見渡していると、ズボンを小さな力で引っ張られていることに気づいた。

 そして俺はそこを見ると、全身が真っ白な小さな人の形をした何かがいた。


「お前が『霜月』か、、」


 俺はそいつに手を差し伸べるとハムスターのようにトコトコよじ登ってきた。

 まるで小動物を相手にしているような愛らしさに思わず心がほぐれる。

 俺は手を『霜月』と向かいあえる高さまで持っていく。


「かわいいな、、お前」


 俺は人差し指でそいつの体に触る。

 まるで柔らかいクッションをつついてる感覚、中にクッションでも入っているのだろうか。

 俺が愛でていると『霜月』は俺の手に向かって手を突き上げる。


「合わせろってことか?」


 俺がそういうと『霜月』はコクリと首を振る。

 俺は人差し指でその手に触れた。

 その瞬間、淡い光が漏れたかと思ったら世界が煌めき思わず目を瞑る。

 その光が収まってきたと思うと、俺の意識は元の世界へと帰っていた。


「よし、出来たな」


「こんなんで本当にいけてんのかよ?」


 俺は試しにその刀に気を纏わせる。

 そうすると前使っていたナイフのように気が刀を包み込んだ。


「まぁその刀はまだ出来立てホヤホヤだからな。

 古くたくさんの人に使われていた武器ほど、剣気を使うのはより困難になっていくんだぜ。

 覚えてろよ?」


 ノヴァはそう言うと満足そうに席を立つ。


「帰んのか?」


「あぁ、見たいもんも見れなしな。

 んじゃ頑張れよ慎二」


 ノヴァはそう言うとリビングを出て行った。

 ノヴァが出ていくとキリサメが庭にこいと命令する。

 俺たちはいう通り庭に向かうのだった


──────────────────


「やぁぁ!」


 僕、樋口慶は中庭でアリウスさんに稽古をつけてもらっていた。

 僕が木刀を振り下ろすとアリウスさんはその攻撃を難なく避けその隙に腹部に木刀を振り上げる。

 だが僕は木刀を地面に突き、上に跳躍しその攻撃を避ける。

 着地考えてな……


「ヘグッ!」


 僕はそんな情けない声を上げ、背中を地面に打ちつけた。

 アリウスさんは僕の額に木刀をコツンと当てる。


「避けるまではよかったですがその後どう行動してどう攻撃に繋がるかを考えたほうがいいですね」


「はい!」


 僕がそう言うと「ここらで休憩をしましょうか」とアリウスさんは言い僕は地面に倒れ込んだ。

 僕がアリウスさんに稽古をつけてもらってから1週間、佐々木さんはなんとか意識を取り戻し、今は鈍った剣の腕を取り戻すように必死なようだ。


「そうでした、、、

 樋口くん、あなたのスキルはどれほど進化していますか?」


「剣鬼まで行っています」


「そうですか、それなら」


 そう言うとアリウスさんの持っている木刀が白く光り出す。

 次の時にはその光は緑に変わり木刀を振ると纏っている光が斬撃のように飛ぶ。

 これって……


「剣鬼まだ行っているというのなら、できるはずです」


 僕はそれを見て、あの仮面のこととそれを僕が使ったことも思い出す。


「はい、できます」


 僕は立ち上がり木刀を握り、前の感覚を思い出す。

 あの時、いつも体を纏っている何かを剣にも纏わせるイメージで。

 その瞬間、木刀が白くひかる。


「できました!」


「お見事です」


 なるほどあの時は気づかなかったけどこれはMPをまとわせているのか。

 僕がそういうとアリウスさんは顔を背けクスッと笑った。


「その力の名は剣気と言います。

 剣に気持ちの気と書いて剣気です。

 それをすることで剣の切れ味と耐久力を上げることができます」


「なるほど、、、」


 剣気と剣鬼名前が同じなのは何か関係があるのだろうか、、、

 僕がそう考えているとアリウスさんはそろそろ仕事に戻らなくてはならないようで、中庭を去って行った。

 僕はその新しく手に入れた剣気を使い、1人修行に励むのだった。


 【 名 前 】 伊藤慎二

 【 レベル 】 440

 【 H P 】 35000/44900

 【 M P 】 5090/5090

 【 S P 】 250/350

 【 魔 力 】 0/0

 【 筋 力 】 886 

 【 脚 力 】 885 

 【 抵 抗 】 227 

 【 感 覚 】 227 

 【 スキル 】 身体強化《大》身体強化《中》治癒(ヒール)《中》治癒(ヒール)《小》隠密 火操作 水操作 風操作 土操作

 【固有スキル】 亜空間収納(インベントリ)

 【ステータスポイント】 50


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