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37話 精霊


「っふわぁ〜」


 俺はその部屋で目を覚ました。

 ここは、、俺の部屋か……

 剣気のやつ終わってから記憶ないな、、キリサメとか慎が運んでくれたのか?

 てか、毎回なんか俺眠って起きて繰り返してるよな……

 俺はリビングにならキリサメや慎かリリがいるのではないかとリビングへと向かった。


「おっ目覚めたか」


 リビングで茶を啜っているキリサメは俺に向かって嬉しそうな声色でそういう。


「調子はどうだ?」


「まぁ普通だな。

 強いて言えば何か頭いてぇ」


 俺はそう言いながら頭をさすった。

 キリサメはそれを聞き少し慌てた様子を見せる。


「いや、、それはまぁ……

 、、そうだ、経験だよ大量の経験を取り込んだからそんな頭痛いんだ!」


 キリサメはそう言い少し顔を引き攣らせる。

 絶対嘘ついてんな、、まぁいいけど。


「てか慎はどこ行ったんだよ?

 1人で修行してるとかか?」


「いや、あいつには今ノヴァのところ行ってお前の刀を取りに行かせてる。

 もう直ぐできるって連絡あったからな。

 にしても流石に遅すぎるか、あいつら何して……」


「あぁ、今多分焼き鳥屋いんな。

 てか多分ノヴァも一緒にいる」


「、、、」


 俺がそういうと師匠は茶を啜る手を止め、目を見開いて驚いている。


「どうかしたか?」


「、、、いや何でもねぇよ」


 キリサメは少し嬉しそうな顔をしながら茶を啜る。


「てかお前、剣気してた時めっちゃ汗かいてたからもう一回風呂入ってこいよ」


「えぇ、またかよ」


「今日はノヴァから刀もらってお前が主人になら契約交わさなきゃならねぇ。

 今日は刀の修行はしねぇからさっさと行け」


 俺は不貞腐れした表情をしながら、仕方なくキリサメのいう通り浴場へ向かった。

 、、俺そんな汗クセェかな?


 俺はそんなことを考えながら浴場へと歩を進める。

 この家には女湯と男湯がある。

 この家シェアハウスみたいなもんでいろんな奴家にくるからキリサメが家を改築して作ったらしい。

 流石この街の長、浴場の広さも半端じゃない。


 そんなことを考えていると、風呂から出てくる1人の少女の姿を捉えた。

 あれはリリ、、、じゃねぇルルか。

 俺はリリと似た姿に一瞬見間違えるが、直ぐにルルであることに気づいた。


「あっ、伊藤慎二」


 ルルも俺に気づいた。


「よっ、ルル。

 こうして2人きりで話すの初めてじゃないか?」


「そうだっけ?」


 ルルはそう言い、首を傾げた。

 この感じなんかルナさんと似てるな。

 でも、、なんかいつも無気力な表情なんだよな。

 ルナさんは魔術とかしてる時は本当にいい表情見せるけど。


「暇かルル?

 少し話さないか?」


 俺がそういうとルルは渋りながら「うん」と言い、俺たちは庭に繋がっているベランダへ向かいそこに向かい、腰を据えて話す。


「話って何?」


「ただの世間話だよ、あんま俺たち話してないじゃん。

 ここで友好関係を築こうって思ってな」


 俺がそういうとルルは静かに「そう」と告げる。

 なんか、今までうるさい奴らばっかだったから久しぶりの静かな感じ、、なんかすげぇ落ち着くな。


「それじゃあ聞きたいんだが、お前らはいつ頃ここに来たんだ?」


「2年前とかかな?

 キリサメに連れられてここに……」


「、、?

 ちょっとこんなこと聞くのもあれかもしれないけどいいか?」


 ルルはキョトンとした顔で「別にいいよ」と頷いた。


「さっきの口ぶりからして、ここに来たのは連れられてなんだよな?

 他の奴らとかって、、ほらアンデッドモンスターだろ?」


「あぁ、そっか慎二は知らなかったっけ」


 ルルはそういうと自分たちの生い立ちについて話していった。


「私たちはね、精霊なんだよ。

 アンデッドモンスターとは少し違う存在」


「精霊、、?

 少しっていうけどどこが違うんだ?

 気配的には同じみたいに感じるけど」


「精霊はね、自然に発生するんだよ。

 気とかってね、空気中に漂ってるんだよ。

 人とかみんなが何回も気を使えば使うほど空気中に多く漂う。

 それが形を成して現れたのは精霊っていう存在。

 アンデッドは死人の魂に漂ってる気がまとわりついて体を形成してるんだよ。

 私はちゃんとした精霊じゃないけどね。

 ただの、、リリの紛い物」


「それって、、どういう……」


「、、、聞きたい?」


 ルルは悲しそうな、だがどこかそれを聞いて欲しそうな表情をした。

 ぁあ、この表情……

 俺はそこで初めて、、ルルの本当の表情を見た気がする……

 そしてもう、こんな見ていて苦しくなるような表情を見たくないとそう思った。


「実はね……」


「お前ら何話してんだよー!」


 ルルが話そうとするその瞬間帰ってきた慎たちが割り込む。

 慎は俺たちに駆け寄ってくる。


「慎二、無事だったか?

 怪我とか何もねぇか?」


「お前はオカンかよ、、

 何もねぇよ、でも強いて言えば頭が少し」


 俺がそういうと慎は少し怒った顔で「師匠のところ行ってくる」と言い、先にリビングへ向かった。

 そのあとリリとノヴァが駆け寄ってくる。


「あんたたちが話してんなんて珍しいじゃないの、何話してたのよ?」


「ただの世間話だよ。

 ノヴァさん、久しぶりって程でもないか?」


 俺はそう言うが、ノヴァさんは俺を見ると驚いた様子で俺の腹を見つめた。


「……増えてやがる」


「なんかいったか?」


 ノヴァは耳を触りながら静かに言うが、俺はそれを聞き取れなかった。

 「何でもねぇよ」と言いノヴァさんは刀を包んであるであろう包みを持ち、リリと玄関へと向かった。


「ルル、、」


「いいよ、この話は終わりで。

 リビングへ早く行こう?」


 ルルは必死に笑顔を作りながら、その翡翠のような瞳を震わせリビングへと向かった。


 俺は、後悔をすることになる。

 この時、もしもルルの手を無理にでも掴んでいたら。

 もっと寄り添ってあげていられたら。

 もしかしたらあの最悪の出来事は、起こらなかったかもしれないのに。


 【 名 前 】 伊藤慎二

 【 レベル 】 440

 【 H P 】 35000/44900

 【 M P 】 5090/5090

 【 S P 】 250/350

 【 魔 力 】 0/0

 【 筋 力 】 886 

 【 脚 力 】 885 

 【 抵 抗 】 227 

 【 感 覚 】 227 

 【 スキル 】 身体強化《大》身体強化《中》治癒(ヒール)《中》治癒(ヒール)《小》隠密 火操作 水操作 風操作 土操作

 【固有スキル】 亜空間収納(インベントリ)

 【ステータスポイント】 50


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