27話 改良
キリサメのいう通り風呂を浴びてきた俺たちはまた庭に戻っていた。
「さて、シャワーも浴びたところで修行を始めるぞ」
「てか、修行って言っても何するんだよ?」
俺はその疑問をキリサメに向かって放った。
「まぁ主に"気"の上限上げたり、お前の場合身体強化を正したりとかか?」
「ちょ、ちょっと待ってくれ。
まず、気ってなんなんだ?
それと身体強化を正すって……」
急に知らない単語や、思いもよらない発言が飛び出した。
キリサメは「あぁ、言ってなかったな」とそう告げ、まず"気"について教えてくれた。
「まぁ、気っていうのはお前らでいうMPだな」
「なんで、気なんて呼んでんだ?
昔はそう呼ばれてたのか?」
「あぁ、昔はMPとかじゃなくて気って呼ばれてたしそう簡単にみんな扱えるもんじゃなかったからな。
まぁ見りゃわかる、ほれ」
キリサメは自分のステータスを俺に向かって見せてきた。
【 名 前 】 キリサメ
【 レベル 】 999
【 生 命 】 100800/100800
【 気 】 40000/40000
【 体 力 】 500/500
【 筋 力 】 2000
【 脚 力 】 2000
【 抵 抗 】 850
【 感 覚 】 850
【固有スキル】 領域
【ステータスポイント】 0
「「んだよこれ!」」
それをみた俺と慎は驚きのあまりキリサメに向かって思い切り叫んでしまった。
俺たちのステータス画面と違いすぎる。
HP、MP、SPがなんか変わってるし、何よりスキルがねぇ。
どうなってるんだ、しかもありえねぇくらいに能力値も高い。
それを見るだけでどれだけの鍛錬を積んできたのかがわかる。
というか、、、
「なんで慎も驚いてるんだよ。
見たことなかったのかよ」
「俺も初めて見たんだよ。
こんなに違うとは」
「んだよ、お前ら驚きすぎだろ」
「「誰のせいだよ!」」
俺らがそう叫ぶとキリサメはギョッと驚いた。
どう考えてもおかしいだろこれ、なんでこんなに……
「まぁ、俺のは古いやつだからちょっと違うんだろ。
ジェネレーションギャップってやつだな!」
「「はぁ……」」
「オメェらなんなんだよ、んなことどうでもいいだろ。
誰のせいだと思って……はぁ。
てか雫はちょっと違うかもだが俺以外のエリアボスのやつ見てみろ、俺と同じだから」
「「マジかよ!!」」
「お前ら、本当に仲良くなったな」
キリサメが呆けた顔でそう告げたかと思えば、慎がキリサメに気になったことを聞いた。
「あのオーガってどれくらい強いんだ?
師匠が勝てるくらいか?」
慎がそう言うとキリサメは少し困った顔をしながら答えた。
「まぁ、ガチで戦ったのは本当に昔の頃だったからな。
通算で言ったら勝率は五分五分ってとこかな」
「俺そんなんに勝てるようになるのかよ」
「そこら辺は多分大丈夫だ。
あいつはギリギリの戦いを楽しむタイプだから、お前がある程度のレベルまでいけば倒せる可能性は十分ある」
「へぇ、、てかキリサメ【固有スキル】持ってたよな?
オーガも持ってんのか?」
「あぁ、持ってんぞ」
「それ使われたらどうなる?」
キリサメは頭をポリポリとかきながら答える。
「その瞬間お前の勝率は0になる、どれだけ楽に死ねるかが勝負だ。
まぁ多分そんなこと考える間もなく首が飛ぶ」
「そん、、なのどうやって勝てば……」
キリサメがそこまで言うほどの強敵、俺は血の気が思わず引いた。
だがその怖がる俺を嘲笑うようにキリサメは言葉を続けた。
「大丈夫だ、あいつは自分のスキル使いたがらねぇから。
使ったとしても一瞬、、部位だけとかだろうな」
俺はその言葉を聞いて少しだけ安心した。
けどもしかしたら使ってくるかもしれないのか……
「てかさっさと修行始めんぞ」
キリサメはそう言うとさっきの身体強化を正すという発言について説明した。
「まぁ結論から言うと、これからお前にはスキルを介さずに身体強化をしてもらう」
「ス、スキルを介さずに……?
どうしてそんなこと」
俺がそう言うとキリサメはその理由を教えてくれた。
「単純にスキルを介しちまうと気が多く取られちまうんだよ。
それとスキルじゃ強化する倍率が決まってるけど、自分ですることで自由に倍率が変えられるからな」
「な、なんでスキルを介するとその気ってのが多く取られるんだ?」
「勘違いしないでもらいたいのが、スキルと身体強化はイコールじゃねぇ、それぞれに役割があんだ。
スキルは身体強化をオートで使うための装置みたいなもんだから、起動するときに消費しちまう。
強化する倍率が高けりゃ高いほど取られるから、スキルを介さない方がいいんだ」
「ナルホド」
ただでさえ、筋力や脚力じゃあの亜人やオーガに負けてんだ、それで少しは差を埋めないと。
「さて、長話はこれくらいにして身体強化使ってみろ。
もちろんスキルを介さずにな」
「わかった」
俺は目を瞑り、集中する。
いつもスキルを使う時感じていた、おそらくその気っていうのは腹部分にある。
スキルを使うと腹がまず最初に熱くなるからな。
そこから気を取り出し、体内に循環。
最初に身体強化使った感覚思い出せ!
腹から込み上がる熱に体中が支配されるあの感覚。
腹から手足にかけて熱が迸り、感覚がどんどん鋭敏になっていくあの感覚を。
身体強化
「上出来だ。
その状態で動けるか?」
「ま、まぁちょっとだけなら。
身体強化使うのに意識割いてるから、キリサメのいう倍率を上げることはまだ難しいけと思う」
力んだまま喋っているせいで顔は革張り声が掠れてしまう。
「まぁできるだけいいさ。
どんどん慣れていけばいい、それ俺がいいっていうまで続けたろ」
「……冗談じゃあ、、ないっすよね〜〜」
俺はどうにかしようと考えたが、キリサメの圧に負けてしまい口を閉ざした。
できるだけ早く終わってくれ!!
「さて、次は治癒をやってみよう。
治癒できるか?」
「まぁスキルは持ってるけど」
「んじゃあ、慎二少し腕出せ」
キリサメはニヤニヤしながら刀を構えた。
「キリサメまさか、俺の腕を……?」
「プッ、切り落とすわけねぇだろバカが」
「師匠はそんな厳しくねぇよ。
て、てか切り落とすってどんな戦いしてきたんだよ」
キリサメは刀を納めて俺に指を刺しながら笑い、それに同調するように慎も少しニヤけている。
よし後で殴ろう。
「安心しろ少し切り傷入れるだけだ」
そういうとキリサメは差し出した腕に手を当て、俺の皮膚を少し割いた。
俺はさっきと同様、腹が熱くなり傷口に意識を集中させる。
傷を治す、治す、治す……
あれ、これ死ぬほどむずくね。
血が固まり、細胞一つ一つを想像してそれを増やしそして皮を再生させる。
こんな切り傷治さなきゃ、これ以上の怪我した時も治せねぇだろ。
「できねぇか、やっぱりなぁ。
てかお前なんでできねぇのにスキル持ってんだよ。
一回だけでも成功させねぇとスキル獲得できねぇはずだろ?」
「まぁ俺のスキル獲得の経緯は少し特殊だから仕方ねぇな。
というかそんないうならキリサメはできんのかよ!」
「まぁアンデッドモンスターは体が気そのものでできてるからな。
治すのは結構簡単なんだよ」
キリサメがそう言うと、慎が俺の方にポンと手を置き「まぁ、元気出せよ。"人には"得意不得意があるもんさ」とめっちゃニヤニヤしながら言う。
こいっつ、舐めやがって〜!
「お前俺に負けたからって、煽るとかダセェと思わねぇのか!」
「あぁ?!
もう一回やってやろうかテメェ!
今度はバチボコのギタギタのボロ雑巾にして風呂にも入れねぇ体にしてやんよ!」
「負け犬が吠えやがって。
いいぜやってやるよ!」
「落ち着けお前らぁ!!」
そう言うとキリサメは拳を振り上げ拳骨を喰らわせた。
「痛ってぇ!
師匠部位強化使ったろ!?」
「へっ!
身体硬化する方が悪りぃんだ」
「んな理不尽な!」
その瞬間キリサメはあることに気づき目を見開く。
「慎二、お前」
「おぉ、勿論キリサメのいう通り身体強化使いっぱだったからな。
身体硬化、ちょっとだけできるようになったぜ」
俺はキリサメに向かってグッと親指を上げてドヤ顔を向けた。
「い、いやそれもあるけどよ」
震える手でキリサメは俺の頭を指さした。
俺は頭に手を当ててみるとなんかでけぇ膨らみがある。
これってまさか……
「「「タンコブじゃねぇか!!!」」」
「おっ、お前も身体硬化使ってんのにめっ、めっちゃタンゴブが……む、無理死ぬ。
笑い死ぬ」
「こりゃ傑作じゃねぇか!
そんなタンコブ初めて見たぜ!」
「全員ぶち殺してやる!」
俺は亜空間収納の中からナイフを取り出し、そいつらを怒りのまま追いかけ回しのだった。
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【 名 前 】 伊藤慎二
【 レベル 】 376
【 H P 】 37000/38500
【 M P 】 3700/3850
【 S P 】 180/250
【 魔 力 】 0/0
【 筋 力 】 786
【 脚 力 】 785
【 抵 抗 】 177
【 感 覚 】 177
【 スキル 】 身体強化《大》身体強化《中》治癒《中》治癒《小》隠密 火操作 水操作 風操作 土操作
【固有スキル】 亜空間収納
【ステータスポイント】 30




