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21話 街

 俺はその部屋で目を覚ました。


「どこだここ?」


 俺はあの、クソオークと戦ってて………

 よく、覚えていない。

 そんなことより俺は周りを見渡す。

 目の前には襖、畳、電気もあるし布団。

 しかも服も変わってる。

 まさか戻ってきたのか、元の世界に。

 いやそんなわけ、、、

 その考えと裏腹にその想像に俺は胸を躍らせる。

 一旦出るか。


 俺は襖を開ける。

 廊下だ。

 なんか廊下見るだけで感動を覚えそうだ。

 とりあえず探索だ。

 俺は廊下を歩いていく。

 ここ、リビングか?

 そこにはテーブルと座布団があった。

 そして奥にはキッチンがある。


 俺は目を見開く。

 そこには冷蔵庫、コンロ、水道があったのだ。

 俺はコンロに近づき火をつけてみる。

 そうすると青白く光る炎が現れた。

 本当に戻ってきたのか、、、、


「あら、やっと起きたのね」


「誰だ!」


 俺は後ろから聞こえたその声に反応し振り向く。

 そこにいたのは少し老けている女性だった。

 髪は白髪、花柄の和服、目は少し細いがそこから覗かせる綺麗な白い瞳。

 見るからに60代だろうか。


「そんなに、警戒しなくてもいいわよ。

 疲れているでしょう?」


 敵意は感じない、悪い人ではないのか?

 俺は警戒を緩める。


「失礼、取り乱してしまいました。

 俺は伊藤慎二と言います。

 少し聞きたいのですが、ここはどこなのでしょうか?」


「これはご丁寧に。

 私は雫と言います。

 その質問に答えるには見てみたほうが早いかもしれないね。

 見てみなさい」


 雫さんはそう言い左を向きその襖を開き外を見せつける。

 俺は雫さんのいう通り外を見てみる。


「、、、は?」


 そこはダンジョンではあった。

 だが、そこには町があった。

 江戸時代の町みたいな景観。

 上から一望できる。


「驚いているようですね?」


「ダンジョン内にこんなものがあったら誰でも驚くと思いますが、、、」


「それはそうですね」


 雫さんはクスクスと笑う。


「主人が帰ってくるまで少し時間があるので、少し街を見回るのはいかがでしょう?」


 分からないことだらけ、情報が不足している。

 その提案は願ってもないことだ。

 俺は首を縦に振った。


「では前着ていた服に着替えて行きましょうか」


 俺は雫さんが持ってきた服に着替える。


「少し汚れが目立っていたので洗っておきました」


「ありがとうございます」


「では玄関に案内しますね」


 俺は玄関に案内され、靴を履く。


「申し訳ありませんが、私は少しやらなければならないことがありますので一緒に行くことはできません」


「いえいえ、大丈夫です。

 よくしていただきありがとうございました」


 俺は頭を下げ、その家を出ていった。


***


 俺はその街を見回っていた。

 着物を着た、人達が賑やかに歩いている。

 ここがダンジョン内だなんてマジで信じられないな。

 ぐ〜

 俺の腹が鳴り響く。

 そっか、俺まだ起きてから何も食ってないんだった。

 空腹状態が相まって敏感になっている嗅覚がその匂いをとらえた。


 これはまさか、焼き鳥の匂いだと。

 俺はその匂いの方向に向かう。

 そこには屋台があり、デカデカと焼き串と書かれていた。

 めっちゃ、美味そうだ、、、、

 食べたい。

 思わず涎が垂れてしまう。


「おう、兄ちゃん。

 めっちゃいい顔で見てくるじゃねぇか」


「あっ、すみません。

 起きてから何も食べていなくてすごく美味しそうな匂いがしていたのでつい、、、」


 俺は垂れている涎を拭く。


「というか、お前見ない顔だな。

 新入りか?」


「まぁ、新入りと言えばそうになると思います」


「そうか!そうか!

 大変だっただろう、これは俺の奢りだ。

 何でも頼んでくれ!」


「マジですか?!」


 何だこのいい人。

 無料でくれるなんて、ノアだったら絶対金取ってくんのに!

 だったら、お言葉に甘えさせてもらうしかない!


「「焼き鳥1本ください!」」


 その瞬間同時に俺と誰かの甲高い声が聞こえた。

 俺はその声の方向を向く。

 黄緑色の髪と瞳、ツンとした狐目、ゴブリンと同じくらいの身長、目鼻立ちも整っている。


「リリちゃんじゃないか!

 久しぶり、大きくなったな、今日はルルちゃんと一緒じゃないのか?」


「うん、今日はルルとは別行動!

 あと久しぶりなんかじゃないよ、一昨日あったじゃん!」


「いやいや、この二日間でさらに可愛くなったよ」


 リリちゃんと呼ばれている少女はその言葉に嬉しそうに胸を張る。


「というか、この人誰なの?

 見ない顔だけど」


 その少女は俺に指を刺しながらそういう。

 人を指差すのは良くないよ。


「いや、新入りらしいのよ。

 えっと名前聞いてなかったな、なんて言うんだ?」


「あっ、伊藤慎二と申します。

 よろしくお願いします」


「伊藤慎二?

 どっかで聞いた名前だなぁ?」


 リリはそう言い首を傾げる。


「それよりもごめんねリリちゃん。

 実は焼き鳥あと一本でさ、今回はこと兄ちゃんに譲ってくれねぇか?」


「えっ!?

 もう一本しかないの?」


「いえ!

 それだったらいいですよ、リリさんに差し上げます」


 俺はリリに譲ろうとする。

 流石にこの子のやつ奪ってまで食べたくはない。

 めっちゃ腹は減っているけれども!


「いやいや、いいわよそんなの!

 新入りだったら一度はこの味を味わってみなさいよ!」


「優しいなぁ、リリちゃんは。

 じゃあ新しく入荷した時一本おまけしてやるよ!」


「ありがとう!」


 リリは目を輝かせながらそう言う。

 なんか、めっちゃ申し訳ないんだが、、、

 だが背に腹は変えられない。

 お言葉に甘えさせてもらおう。

 そうこうしているうちに焼き鳥が出来上がり俺に渡された。


「これが、、、」


「食べてみなさい、マジで美味しいから!」


 俺は刺さっている肉を一つ頬張る。

 これは、、!

 甘辛いタレに、噛めば噛むほど肉汁と旨みが溢れてくる。

 今まで食ってきた焼き鳥の中でもダントツで美味い!

 肉とかノアが高値で売りつけてくるから全然食べれなかったからなぁ。


「美味しい、美味しいです!」


「口にあったようで何よりだ!」


 美味しい、美味しい、、、、

 俺がそういうとリリはとても嬉しそうな顔で俺を眺めていた。


「というか、ここにくるってことは慎二、あなた相当強かったんでしょう?

 生きてた時は何してたの?」


 リリは俺にそう聞いてくる。

 生きてた時ってどう言うことだ?


「いや、生きてた時ってどう言うこと?

 今も生きてるよ」


「、、え?」


 その瞬間空気が止まった。

 屋台の人とリリの顔が強張ることがわかった。

 どうしたんだ、、、?


「もしかして、、、慎二あなたって人間?」


「そうだけど、、、」


 その瞬間通行人達含め全員俺のことを見る。

 まさか、、、

 さっきの生きているっていう質問、人間かの確認、ここはダンジョン内だということ。

 まさか、まさかこいつら!


「それなら、、、

 ごめんね、あなたには悪いけどあなたが人間なら死んでもらうわ」


 その瞬間、リリの右手には杖が現れ謎の風によって俺は吹き飛ばされる。

 俺は焼き鳥を収納し、何とか体制を立て直す。

 それと同時に通行人達は走って逃げ、店の人たちは一斉に店を閉じた。


「人間達はもうここに侵入してきたのね、、、

 みんなは、絶対に殺させない!」


 その瞬間床から木の根が飛び出し、俺に向かって突っ込んでくる。

 俺はそれを危なげなく避ける。

 だが、その木の根は方向転換し俺に向かって飛んでくる。


「なっ!」


 予想外の攻撃で俺は反応が遅れる。

 何とかしゃがんで避けたが少し髪にかする。

 俺はその木の根をぶん殴ってどかし、距離を取る。

 あの木の根、リリが杖持ってんの見るに魔法使って動かしてんだろうな。


 あの木の根まるで鉄を殴ってるみたいだった。

 まともに食らったら流石にまずいな。


「やるわね、じゃあこれならどうかしら」


 その瞬間3本の木の根が出現、飛来する。

 だったら、、、

 俺は飛来してくる木の根を避け、飛び乗りリリに接近する。


 その瞬間木の幹が変形し針のようになり俺の太ももを貫く。

 そのせいで俺の身動きを封じる。

 その瞬間俺に向かって風が放たれ。

 2本の木の根が方向転化し俺の背後を取る。


 引けば串刺し、進めば胴体が分かれる。

 えぐいこと考えるな。

 だが、、、

 俺は飛来する風を収納しを下に向かって排出、太ももに刺さっている針を切断し、しゃがみ込んで根を避ける。


「なっ!」


 俺はリリと距離を詰める。


「リリ!

 いいんだな、お前は、敵で!」


「いいに、、、いいに決まってるでしょう!」


 その瞬間床としての役割を持っていた根が上に飛びものすごい勢いで俺を高く上げる。

 俺は焼き鳥を排出全部食べ切る。

 狙うなら、あの杖か。


 部位強化で指先を強化し、思い切りその杖に向かって投擲する。

 予想外の攻撃で串に杖が弾かれ飛んでいく。

 俺は天井に足をつける。

 敵で、、いいんだな。

 情報を聞きたいから殺しはしないが痛い目くらいはみてもらう。

 身体強化《中》


 ナイフを排出し俺は天井を蹴りリリに向かって飛んでいく。

 肩を狙い振り下ろす。

 すんでのところで後ろに飛ばれ避けられる。

 部位強化で目を強化したか、でも体制は崩した。

 俺はナイフのつかの部分で攻撃する。


「ダメだよ伊藤慎二」


 その瞬間地面から水の鎖が飛び出し俺の手を止める。

 俺はその声の方向に振り向く。

 リリと似た少女が俺の眼前で杖を構えていた。

 俺は体の振り向きざま左手を振りかぶり攻撃する。


「止めだ、お前ら」


 その瞬間俺とその少女の間に何者かが現れ俺の右手と杖を掴み静止していた。

 こいつ何者だ?

 しかも掴まれた腕がぴくりとも動かねぇ。

 しかもこいつ、どこかでみた気が?


「お前が伊藤慎二だな?」


「もしかして、、お前」


 真っ赤な紅色の髪と瞳。

 ポニーテールに刀を腰に携えている。

 俺は記憶の中を掘り起こしその人物が誰かを理解する。

 俺が転移するその前日ニュースで紹介されていたあの男。


「神童、大雲慎!」


 俺はそう言い、その出会いに驚きをあらわにするしかなかった。


___________________


感想、レビュー、ブクマ、評価、待ってます!!


 【 名 前 】 伊藤慎二

 【 レベル 】 370

 【 H P 】 37900/37900

 【 M P 】 3750/3790

 【 S P 】 240/250

 【 魔 力 】 0/0

 【 筋 力 】 786 

 【 脚 力 】 785 

 【 抵 抗 】 177 

 【 感 覚 】 177 

 【 スキル 】 身体強化《大》身体強化《中》治癒(ヒール)《中》治癒(ヒール)《小》隠密 火操作 水操作 風操作 土操作

 【固有スキル】 亜空間収納(インベントリ)

 【ステータスポイント】 0

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