19話 死合
「っぶね!」
俺はハイオークの攻撃をすんでのところで避けたあと、一度後ろに下がる。
「、、ふぅ」
重複使ってるとはいえ流石ハイオーク、身体強化使ってねぇとはいえ素の身体能力の向上がえげつねぇな。
「グフゥゥゥゥ」
その縦長の通路にそいつは立っている。
こっちもMPに余裕ねぇからさっさとケリつけねぇと。
「ニン、、ゲン」
「、、、は?」
俺はその"言葉"に目を見開く。
あいつ喋ったよな、今。
「ワレ、カベナリ。
メイニヨリ。
ツヨクナリタクバ
ワレヲコエテミセロォォォォ!」
その瞬間そいつは飛び出した。
どういうことだ?!
強くなりたくばって超えて見せろってどういう、、、
その刹那、既にハイオークの攻撃は眼前まで迫っていた。
俺は身をかがめナイフを強化し、そいつの腹を引き裂いた。
考えてる暇はねぇか!
「ヌゥゥゥ!」
そいつは反転し、床を殴り壊し土埃を上げる。
これじゃ視界が、だったら、、、
俺は風を手に発生させようとした。
瞬間俺は奥まで吹き飛ばされた。
クソ、風作んのに意識さいちまった。
俺は体制を立て直し脚を強化そいつに突っ込む。
「やられっぱなしじゃ性に合わねぇ。
お返しだ」
俺はそいつとの距離を詰め、振りかぶり渾身の一撃を喰らわそうとする。
だが、そいつも右の大振りで俺を薙ぎ払おうとした。
ハイオークは反応が速くリーチの差でその大剣は俺に当たろうとしていた。
「釣られてんじゃねぇよ、バァカ!」
「ンゥ!」
俺は左手で火球を生成し爆ぜさせ、上に舞う。
その衝撃でハイオークの足元に行きそいつの片足の腱を引き裂いた。
支える足が無くなり自重で倒れ込む。
出来れば前に倒れて欲しかったが仕方がねぇ。
俺は身体強化を解除し背中に飛び乗り、触れる。
俺は鎌鼬を発生させ、背中を抉る。
俺はその傷口に手を突っ込む。
「出血大サービスだ!
残りの全MP、全部くれてやるよ!」
俺は火球を発生させそいつの内部が爆ぜた。
その衝撃で俺は後ろに吹っ飛ぶ。
煙が舞い視界が悪くなる。
「ッ痛」
右腕の火傷がひでぇな、治癒も使えねぇしどうしよ、、、
いや、まさか、、!
俺はその事実に気がついた。
ーーレベルが上がっていない。
「まさか!」
時既に遅し、俺は反応が遅れ大剣の攻撃を喰らい飛んでいった。
「クッッソォガァァァ、、」
俺は消えありそうな声でそう叫ぶ。
俺は震える体をなんとか叩き起こす。
煙が晴れていく、いたのは体は焼けこげ片足を引きずりながら致死量レベルの血を流しながらもまだ立ち続けているハイオークがいた。
「そこは死んどけよ、めんどくせぇなぁ」
「ッコンナモノカ!
ニンゲン!!」
「っうるせぇな!
いいぜやってやるよ!
こっからは泥試合だ、死ぬまで踊ろうぜ!」
下手な小細工は無しだ、全力で殺す!
俺はそいつに向かって走り出す。
それに呼応するようにハイオークも走り出した。
そっからは避け、殴り、切りを繰り返して行った。
身体硬化は使われてないおかげかナイフもなんとか通る。
ミスれば死ぬ。
喰らえば死ぬ。
止まれば死ぬ。
そのギリギリの、瀬戸際の状況。
死が今まで以上に眼前に迫る、その状況俺はかつてないほどに神経が研ぎ澄まされていた。
まただ、あの感覚。
誰かに命を繋ぎ止められているあの感覚。
だがそんなことどうでもいい。
今は全部かなぐり捨てて、こいつをぶっ倒す。
そんであの未来を止める。
だが、気のせいだろうか。
ハイオークのスピードがどんどんと上がっていっているような。
そいつがニヤリと不気味に微笑んだ。
「しまっ!」
俺はハイオークの攻撃をモロにくらい、飛ばされる。
何が、、起こって、、、
「カンシャスルゾ、ニンゲン」
その瞬間、ハイオークが謎の透明な膜に包まれた。
「んだよ、それ」
俺はその現象を理解しようと頭を回し続ける。
そして一つの答えに辿り着く。
「まさか!」
「イクゾ、ニンゲン。
【ケンキカイホウ】《ヴァングファング》」
その膜が大剣に集中する。
これはまさか、剣気か、、、
「これは前に見た飛ぶ光波か。
流石にもう動けねぇな」
「アリガトウニンゲン。
シネ、フウジン」
その瞬間、剣に込められた光波が俺に向かって飛んでくる。
俺はその光波を喰らう、そして体に触れた瞬間。
「収納」
そして、その光波は消失した。
「ナ、ニガ、、、」
「あとなぁ、人間人間うるせぇんだよ」
俺はなんとか立ち上がる。
「俺は伊藤慎二だ。
それだけ聞いて、死にやがれ」
「排出」
光波が再度現れ、ハイオークに向かって飛んでいった。
その瞬間、着弾と同時に無数の鎌鼬が発生し、体を抉り切り裂いた。
「っぱりな。
前オークと戦った時、生成された岩収納できた時何となく考えてたがうまくいったな」
俺は何とか起き上がりそいつに向かって歩く。
まだレベルアップしてねぇってことは、、
「おい!まだ生きてんだろ!」
俺はそのハイオークにそう叫ぶ。
「ァヨク、ワレヲコエテミセタ。
サキノコウゲキ、、、
コユウスキルカ」
「あぁ」
「シンジ、トイッタナ。
ヒトツアドバイスダ。
イマスグニココヲタチサレ」
ハイオークは俺にそう告げた。
「何言ってんだよお前、立ち去れってどこに行きゃあ」
「ヘヤ、ニダ」
「何でお前部屋のこと知って」
「、、ヤハリカ」
ハイオークの声がどんどん弱っていく。
「教えろ!何でお前が部屋のこと知ってる。
おい、おい!」
「カ、カメ」
レベルアップ、つまりこいつは、、、
俺はハイオークを収納する。
こいつは何かを知っていた。
まさかノアがなんかしたのか?
クソ、わからねぇ、とりあえず、傷治すか。
俺は自分の体を見渡した。
どういうことだ、右腕の火傷が治ってる。
それだけじゃない他の傷も既に、、、
「血、乾いてねぇな」
「ーーーは?」
そこに、そこにいたのは、オーガだった。
ハイオークとほぼ変わらなかったが、一つ決定的に変わっているところがある。
それはオーガにはツノが生えている、こいつにはそれがある。
こいつ、こいつ!
強くなったからわかる、こいつさっきのハイオークよりも何倍も、つまりこいつがこの階層のゴブリンのエリアボス!
「あのくそ野郎の気感じてきてみれば、何でここに人間が?
あのクソ女の話じゃ、まだ60階層で止まってるって話だったんだが、、、」
こいつ、流暢に言葉を、、、だがそんなことはさておき。
俺はナイフを持ち臨戦体制をとる。
「そんなこたぁ、いいか。
とりあえず、、、殺しとくか」
俺は気づいたら距離を取らされていた。
そいつに気圧された。
殺気、敵意その言葉を発した瞬間空気が切り替わった。
思わず吹き出す汗を拭う。
今のおれじゃこいつに勝てねぇ、だったら逃げるしか、、、
「【剣気解放】《ヴォルカニカ》
風刃」
その瞬間、もう目の前には既に攻撃が迫っていた。
直感、これを食らったら死ぬ。
俺は神がかり的な反応速度でそれを収納しようと手を伸ばす。
俺は腕を抉られながらなんとかその攻撃を掴もうと手を伸ばし続けた。
「うおぉぉぉぉ!」
俺の腕が弾け飛ぶと同時にその攻撃は姿を消した。
「はぁはぁ、、、」
「あぁ?俺の攻撃が消し飛んだ、いや吸い込まれたみたいな感じか。
固有スキルか、まぁいいその腕を見る限り攻撃喰らってるみてぇだな。
んじゃもう一発」
「ッ!排出」
そのオーガが攻撃を繰り出す直前に俺は先の攻撃を飛ばした。
その衝撃で後ろに飛ばされる。
「おっ!」
そのオーガは予想外の攻撃か、反応が遅れるがその手に携えた大剣でその攻撃を打ち消した。
その出来事からオーガは考えていた。
なんだ、今の。
俺の攻撃を跳ね返した?
カウンター系か、もしくは技の再現?
もし後者なら、俺と、、、
「ッあいつ!逃げやがった!」
俺はこのままじゃ死ぬ、治癒使わねぇと。
そう考えていると足の力が不意に抜け地面に倒れた。
もう、立てない。
早く、早く治さ…ない、と。
視界が歪み、目が掠れていく。
は…やく……
そして、そして……
そ̶し̶て̶俺̶は̶生̶き̶絶̶え̶た̶
俺はこのままじゃ死ぬ、治癒使わねぇと……
あれ、、これなんか違和感が……
そう考えていると足の力が不意に抜け地面に倒れた。
早く、早く治さ…ない、と。
視界が歪み、目が掠れていく。
今にも死にそうなその瞬間全身が謎の不快感に包まれる。
なんだ?!
その瞬間、俺は自分の体を見渡す。
傷が全て治っていた……
どういうことだ、なんかこれデジャヴ感がある。
だがそんなこと今はどうでも良い。
今は早く逃げなければいけない。
速く、あいつから逃げねぇと、今の俺じゃ絶対に勝てない。
俺が角を曲がろうとしたその瞬間一つの衝撃が走り俺は後方へ吹っ飛ばされた。
「、、なにが?」
「見〜つけた!君が最近モンスター狩りまくってるっていう、、、人間!?」
そいつは、肌は黄色、ライオンみてぇな耳、異様に発達した足。
そこにはおそらく虎の亜人がいた。
だが、いつもの亜人とは違かった。
そいつは言葉を発し、そして2本の足で立っていた。
そう、まるで"人間"のように。
___________________
そして俺は息絶えたの部分は訂正線が入っています。
PCとかバグが起きている方がいたらこれ訂正線入ってるって思って見てください。
感想、レビュー、ブクマ、評価、待ってます!!
【 名 前 】 伊藤慎二
【 レベル 】 370
【 H P 】 800/37900
【 M P 】 300/3790
【 S P 】 10/250
【 魔 力 】 0/0
【 筋 力 】 786 +163
【 脚 力 】 785 +162
【 抵 抗 】 177
【 感 覚 】 177
【 スキル 】 身体強化《大》身体強化《中》治癒《中》治癒《小》隠密 火操作 水操作 風操作 土操作
【固有スキル】 亜空間収納
【ステータスポイント】 0




