18話 進化
こいつと戦うにあたっていくつか策を用意してきた。
まずはそいつを試してみるか、、、
そう考えているとそいつの持つ大剣が俺の目の前に現れる。
その横薙ぎの攻撃を剣に手をつきながら飛び越えることで避け高く飛ぶ。
俺は身を翻し天井を足場にクソオークに突っ込む。
んじゃ実験その一だ。
俺は部位強化《小》をナイフに纏わせそいつの背中に突き刺した。
、、浅いな。
そう考えているとそいつは俺が背中にいることに気づき体を思い切り揺らす。
俺はそれを跳躍し避けた。
うーん、《小》で傷できたんなら《中》使えば簡単に切れそうだ。
重複強化はかなり消費が激しい、そりゃ両方同時に発動したんだからな。
いざという時まで取っておこう。
「、、フゥン!」
クソアークは高く跳躍し、その剣を振りかぶり俺に振り下ろす。
考え事していたせいでそいつが近づいてくるのに気づかなかった。
ちょうどいいな、実験その二だ。
俺はその大剣に触れ亜空間収納を発動する。
こいつが使う力利用してミンチにしてやる。
そう思っていた。
ーー瞬間その大剣と俺の腕は反発し吹っ飛ばされる。
、、なんだ今の!?
まるで取り込まれることを拒絶した感じだ。
なんかノア剣に意思が宿る的なこと言ってたな、それとなんか関係があんのか?
思考を巡らせている中、クソオークは空いている左手を俺にかざし火球を打ちだす。
それは俺を覆うほどの巨大な火球。
間に合わねぇ!
それは俺に着弾したのち爆ぜ、あたりは煙で覆われる。
俺はまともに受けたせいで抵抗もできず飛ばされた。
なんとか姿勢を立て直す。
左半身は焼け爛れまるでゾンビのような様相となった。
治してる、、暇はねぇな!
俺は向かってくる攻撃を必死に避け、反撃の隙を見計らう。
クソオークは治させねぇと言わんばかりの形相で俺に大剣を薙ぎ続ける。
だったら、、!
俺は地面から脚を離し、大剣から放たれる突きをまともに食らう。
だがこれを待っていた。
俺は瞬時にその大剣に触れ亜空間収納で収納、拒絶されることで得た反発力を利用し、距離をとった。
俺は重複治癒《小中》を使い傷ついた内臓を中心にして治した。
俺が治したことを確認すると脚を止め、様子を伺う。
っぱり、そう簡単に突っ込んでは来ねぇか。
実験その三と行きたいとこだが、俺は深手を負わされたのにあいつは背中の傷しか負ってねぇ。
流石にもうちょっとは削っときたい。
まぁやられっぱなしは癪なのもあるがな。
「おい!クソオーク!」
俺が呼びかけるとそいつはびっくりしたようにこっちを向いた。
「こっちも全力で行くからな!
本気出すならさっさと出せよ、、」
ふぅ、、、
重複強化《小中》
こっからは全力で潰すーーー
瞬間俺は一瞬でクソオークとの距離を詰めその喉笛にナイフを突き刺す。
「ブゥ、ガァァァ!」
「そう、、怒んなよ!」
俺は拳に全ての力を込めその喉笛に突き刺したナイフを殴りつけた。
「グッッッ!」
その勢いでそいつはよろめき体制を崩す。
どうやら声帯が傷ついたようでその声にならない叫びとともに血が吐き出される。
だがクソオークも反撃、右手に持つ大剣を倒れ込みながら振り下ろす。
避けられねぇ、だったら、、、
俺はもう一度右手を強化し、向かってくる大剣に拳を思い切り叩き込んだ。
今の俺ならイケるよなぁ!
その瞬間俺の力の方が勝り大剣は弾かれその反動でそいつは倒れ込んだ。
俺はその隙を見逃さずそいつの首元に落下し、傷口に手を突っ込み、埋め込まれたナイフを収納した。
「あんま使う機会なかったがここでお披露目だ!」
鎌鼬!
俺はMPを風に変換しその傷口を抉り続けた。
火球を使ってもいいが、治癒ぶん回されて耐えられんのがオチだろうからな!
クソオークは俺に向かって手を伸ばし俺を鷲掴もうとする。
「んじゃ、治せねぇように蓋だけしとくぜ」
俺は岩を生成し、その傷口に蓋をした後俺は跳躍しその手から逃れる。
まだだ、、、
俺は跳躍後火球を生成しそいつに向かって放とうとした。。
その瞬間もう俺の眼前には大剣が迫っており、俺はその攻撃を喰らい地面に叩きつけられる。
なんとか体制を立て直し距離を取る。
「、、やっと使いやがったか」
身体強化。
奴は俺が跳躍した瞬間身体強化を使い反撃をした。
そいつは喉の蓋を指で抉り取り、治癒をして、脚と喉を治した。
俺はッペと口に溜まる血を吐き出して口元を拭う。
行くぞという面持ちのオークは俺を身構えさせるのには十分なほどの覇気を孕んでいた。
俺は息をつき眼、脚、ナイフに強化を回しその瞬間を待つ。
「仕切り直しだ」
先に動いたのはクソオークだった。
脚に強化を回し一瞬で距離を詰める。
だが俺もそれを瞬時に理解し、その大振りを危なげなく避けその腹に火球を放ち、俺は跳躍しその頬を蹴り飛ばす。
だがそいつも反応しており次の瞬間俺は右腕を掴まれ骨を折られる。
「ッツ!」
痛みで一瞬思考が固まる。
次の瞬間俺は宙を舞っていた。
投げ飛ばされたのだ。
その暴投にオークは追いつきその大剣を薙ぐ。
腹に直撃。
バキバキと骨が悲鳴を上げる。
だがなんとか大剣を飛び越えることで受け流し、俺はその通り過ぎようとするオークの顔に触れ鎌鼬を発生させる。
顔には無数の切り傷ができた。
瞬間俺たちは同時に振り向きかけ出した。
避けては殴り、突き刺し受け流しその繰り返しにいつしかどちらも疲弊する。
両腕はもう使い物にならないほど無惨な姿にされ、顔は自分の血か相手の血がわからないほど血に塗れていた。
自分でも何故生きているのかわからない。
まるで誰かに無理やり、生かされているような。
そんな気さえしてくる。
そろそろ行くか、、、
俺はクソオークの横薙ぎの攻撃をスライディングで避け走り出した。
「さぁ!鬼ごっこだ」
俺は逃げに徹し、"ソレ"がいるであろう場所までそいつを誘導する。
逃げて逃げて逃げて、、、
足ももつれそろそろ限界だったが俺はソレを見つけニヤリと笑う。
俺は振り向き追ってくるクソオークに対し顔に向かって火球を放つ。
それによって煙が舞い、俺をあいつの視界から外す。
静寂。
いつでも来いと、言わんばかりのそのオークの目はぎらついていた。
その静かな世界をぶち壊したのは一つの疾走音だった。
煙の微細な変化に反応し、その黒い影は呆気もなく吹っ飛ばされた。
ニヤリとオークは笑う。
「何勝った気でいんだよ」
「ッブゥ!」
俺は油断していたそいつの眼球を抉ろうとし、やつの間合いに飛び込んだ。
だがすぐにそれを感知し俺を手で羽虫のごとく叩き潰そうとする。
「ッチ!」
俺はそいつの手をうまくかわし、火球を射出俺もろとも爆発させる。
限界近づいてんな、、、
「鬼ごっこは俺の負けか、、」
ドスンとこちらに向かって歩いてくるクソオークを見据えながらそう言った。
「知ってるか?
最近よぉ〜ゴブリンたちの中では罠が流行らしいんだぜ」
その目の前に立つオークにそう告げる。
そいつもハァハァと息を荒げておりどちらも限界が近いようだ。
「ハァハァ、俺は、その罠にかかったことあんだが、何故か遠くに逃げても先回りされて逃げきれなかったんだ。
何故かな、と思ってよノアに調べてもらったんだ」
そいつは何を言っているんだと言いたげな様子でこちらを見る。
そしてもういいだろうと思ったのか大剣を振り上げる。
「まぁ、何が言いてぇのかというとなぁ、、、
ーー臭せぇんだよ、お前」
その瞬間、クソオークを覆うほどのでかい2つの影がそいつを襲う。
瞬間、クソオークはそいつらに叩きつけられた。
「危ねぇなぁ、俺は一旦逃げさせてもらうぜ〜」
俺は脚を強化した後攻撃の余波が届かない程度のところまで離れる。
ふぅ、危なかったぜ。
俺は亜空間収納の中からポーションを取り出し手では持てないから口で咥え上を向くことで流し込む。
流石に油断させるためとはいえ、あそこまで疲弊するのは不味かったか?
まぁいい、そんなことよりこの試合を観戦しようか。
俺は考えるのを一旦やめ、その光景を眺める。
そこには俺が丹精込めて作り上げた、ヘロヘロのクソオークと、相対するはオークと二体にハイゴブリンが五体。
えっ、やばくね?
まぁ深手を負ってないとはいえ、かなり体力は使わせたから流石にこれは負けるだろう。
てか、同族同士って敵対しないはずだが、半分賭けだったが上手くいったらしい。
他のモンスターはめてとかで試せればよかったが、何せ次は何が出るかわからなかった。
流石にオーク2匹はきつい、その判断は正解だったな。
だが文字通り鬼の形相でクソオークのこと殴ってんだよなぁ。
怒っている様子だ、なにか理由あるのか?
俺はその戦いを見届ける。
クソオークは必死にまとわりつくハイゴブリンたちを薙ぎ払いながら、オークを必死に切りまくる。
うおぉ、頑張るなぁ。
まぁとりあえずさっきの戦いでレベルが上がったからステ振りするか。
【 名 前 】 伊藤慎二
【 レベル 】 305
【 H P 】 19800/31400
【 M P 】 1440/3140
【 S P 】 100/250
【 魔 力 】 0/0
【 筋 力 】 623 +41
【 脚 力 】 623 +41
【 抵 抗 】 177 +22
【 感 覚 】 177 +21
【 スキル 】 身体強化《小》身体強化《中》治癒《中》治癒《小》隠密 火操作 水操作 風操作 土操作
【固有スキル】 亜空間収納インベントリ
【ステータスポイント】 0
まぁ、一旦これでいいか、、、
その瞬間一つのでかい衝撃音が響き、それによって俺の意識は引っ張られた。
なんだ?
そこには左手に息絶えているオークの首を掴み首筋から胸にかけてでかい切り傷がつけられているクソオークがそこにいた。
マジか、あれ全部殺ったのか?!
まぁ、いいかあいつも満身創痍速攻でトドメを、、、
だがその考えは一瞬にして打ち砕かれた。
デカい衝撃音とともに腹に激痛が走り飛ばされた。
「ッゲホ、なにが、、、」
俺はそいつと向かい合う。
その瞬間そいつの体が眩く光る。
ーーそれは進化だった。
光が収まるとともにそいつな様相はさっきとまるで変わった。
牙が発達し、筋肉は膨れ上がり目は赤黒く染まった。
ハイオークと成った。
感覚のステータスをあげたからわかる。
やばい。
さっきのスピード明らかにさっきの比じゃねぇ!
重複強化は眼だけに回せ!
その瞬間既にその大剣は眼前に迫っていた。
ギリギリでブリッジをするように避ける。
そ後ろに倒れ込みそうになり、必死に体制を立て直す。
避けんのは間に合わねぇ、攻撃は硬化で凌げ!
俺は振り向きあいつを視認しようとする。
だがもうそこにそいつはいなかった。
影が俺を覆う。
上か!
瞬間その大剣は振り下ろされる。
火球を打ち出し、その反動で吹っ飛び、胸を掠りながらも避ける。
「っぶね」
大剣は地面に叩きつけられ、石と衝撃波が発生土埃が舞う。
もう目の前には緑色の脚が迫っており俺は飛ばされた。
硬化したのに、腹からはゴキゴキバキバキと骨が砕け散る音が聞こえる。
俺は飛ばされ、壁に叩きつけられ、一瞬息ができなくなる。
腹の奥が潰れたような衝撃。
何かが込み上げ、口から血が吐き出された。
まただ、また同じ感覚だ。
気のせいじゃない、誰かに無理やり生かされている。
慎二は重複治癒を使い治していく。
痛い、死ぬのか?
憎悪、恐怖、不安、怯え、怒り、さまざまな感情が湧き上がりなんともいえない。
ハイオークはもうすでに目の前に立っている。
もしも、誰かに生かされてるんならそれすらも利用してやる。
最後まで諦めない、、、
俺は立ち上がり口元に垂れている血を拭いとる。
その瞬間その大剣は振り下ろされる。
腕のみを硬化し、衝撃に耐えられるよう体を強化する。
次の瞬間には俺の体には今までかかったことのないほどの圧が俺を押し潰そうとする。
まるで、重力が何十倍にも強くなったと錯覚させるほどだ。
全力で身体強化、治癒を回し続けろ、気張れ、命を手繰り寄せろ。
「ゥゥゥウォォォォ!」
「死んでぇぇ、たまるかァァ!」
声が張り裂けそうになりながら叫び続けた。
次の瞬間でかい衝撃音とともにその声はぷつりと消えた。
土埃が舞い床が粉々に砕かれる。
「ウオォォォォ!」
雄叫びを上げたハイオークは後ろを向き、死体を確認しようと目を向けた。
ーー次の瞬間ハイオークは殴り飛ばされ後ろによろめき体制を崩した。
「ぃやっと進化したぜぇスキルがよ!」
重複強化《中大》
「さぁさぁ、最終ラウンド行こうか!」
俺はそう言い、ハイオークに飛びかかっていった。
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【 名 前 】 伊藤慎二
【 レベル 】 305
【 H P 】 19800/31400
【 M P 】 1440/3140
【 S P 】 100/250
【 魔 力 】 0/0
【 筋 力 】 623 +41
【 脚 力 】 623 +41
【 抵 抗 】 177 +22
【 感 覚 】 177 +21
【 スキル 】 身体強化《大》身体強化《中》治癒《中》治癒《小》隠密 火操作 水操作 風操作 土操作
【固有スキル】 亜空間収納
【ステータスポイント】 0




