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17話 悪夢再び


 俺は重複強化を使いオークとの距離を詰めナイフを強化し脹脛(ふくらはぎ)を切る。

 だがリーチが短いせいで浅い傷しか残すことができない。

 さて、どうするか〜。


 瞬間オークは高く跳躍しその棍棒を振り下ろす。

 、、、イけるか。

 俺は跳躍し腕を強化しその棍棒に向かってその拳をぶつけた。


 それは衝突し、反発し強い風を巻き起こす。

 パワーは互角。

 俺は左手をかざしオークに向かって炎を飛ばす。

 オークも負けじと岩を生成し俺に向かって放つ。


 しまった!

 炎は岩にかき消され俺の体を軽々と覆うほどのその岩は俺を潰す勢いでのしかかる。


 俺は治癒(ヒール)と重複硬化でなんとか耐える。

 だがこれは時間の問題、次期に圧死する。

 だったら!

 俺はその岩に触れ亜空間収納(インベントリ)を使う。

 俺の予想通りその岩を収納することに成功した。


「排出」


 その岩はさっきと同じ勢いでオークに向かって射出される。

 オークは自分が放った攻撃が反射されている訳がわからず思考停止。

 その結果オークに着弾しその岩は砕け散る。


 今がチャンス、全力で殺し切る。

 俺は一瞬で距離を詰めその喉笛にナイフを当てがい切り裂いた。

 血飛沫で俺の体は赤黒く染まる。

 その攻撃でオークは再起動したように動きだし俺を掴もうと手を回す。


 だがすでに俺はオークの背後を取り天井を蹴りそのオークの背中に蹴りを見舞った。

 その衝撃でオークは床に急落下地面に激突した影響で血が吐き出される。


 その隙にもう1発入れようとしたがすぐに起き上がりその棍棒を薙ぎ俺は吹き飛ばされた。

 予想外の攻撃で反応が遅れた。

 砕かれてしまった腕を部位治癒(ヒール)で治す。

 だが予想していなかった。

 オークは喉を治さずに俺に攻撃を仕掛けてきた。


「なっ!」


 その攻撃をモロにくらい俺空高く吹き飛ばされた。

 追撃、野球のスイングのごとく俺はボールとして飛ばされ何回も壁や床、天井をバウンドする。

 だが俺も治癒(ヒール)と重複硬化でなんとか凌ぐ。

 だがありとあらゆる骨たちにヒビが入る。

 もう1発は耐えきれねぇ、治す隙なんか無いか。

 オークの攻撃は眼前に迫っていた。

 いくら脚を強化してもこれは避けきれない、そう直感した。

 どうするどうするどうする、頭をぶん回せ何か何かこの状況を打開できる策は、、、


 ーーーそして一つの答えに行き着いた。

 そうだあるじゃないか俺にしかできないとっておきが。

 俺はその棍棒に向かって跳躍する。

 その攻撃が俺に届き俺を押し潰しそうになったその瞬間その言葉を口にした。


「収納」


 次の瞬間その棍棒はこの世界から消失した。

 俺は宙を舞いながらその言葉を口にする。


「排出」


 その言葉を言い終わると同時に轟音が鳴り響く。

 排出したその武器はそのオークを押しつぶすに至った。

 お、終わった〜。

 俺は一気に肩の力が抜けその場に倒れ込んだ。


 キッツゥ、オーク強すぎだろ、何あいつ。

 というか収納時に加わってた力ってそのまま保存されるんだな。

 岩を反射した時と棍棒を排出した時を思い出す。


「てか、身体中の筋肉が悲鳴あげてやがる」


 多分身体強化の反動だな。

 能力値に強化がついてきてねぇんだ。

 俺は体を治しオークとハイゴブリンの死体を回収した後ノアの待つ部屋へ走り出した。


___________________


 そこからはよく覚えていない。

 あいつと戦ってからも多くのモンスターと対敵した。

 斬って斬られて、殴られ、折られ死に物狂いで戦った。

 意識が朦朧とし、今にも気絶してしまいそうな疲労感に襲われながら、血に塗れた体を必死に叩き起こしながら歩いていた。

 そうするとカコカコと足音がこの場所で鳴り響いた。


 そこから出てきたのは骸骨だった。

 いや、正確にはアンデッドモンスターというべきだろうか。

 その骸骨は鉄の胸当て、甲冑、剣を携えその2本の足で立っていた。

 骸骨は俺を視認すると、まるで獲物を見つけた狩人のように目をボッと光らせかけ出した。


 俺は疲労困憊の中、その骸骨が繰り出す攻撃を避けて避けて避けて避けて、

 そしてもう一太刀浴びせようと剣を振りかぶった瞬間、その骨のみで構成されている腹に拳を入れる。


 見事に直撃し、その勢いでその骸は吹き飛ぶ。

 あまり、大したことなかったな、、

 俺が立ち去ろうと歩き出すと同時に、その宿主を失った剣は俺に向かって飛来した。

 疲れていたせいか、勝利したことによる油断のせいか、俺はその攻撃を喰らい、腹を貫かれた。

 堪らず血を吐き出した。


 まずい、、

 その剣は俺の体を貫くと同時に反発し合うかのように飛んで行こうとしたがなんとか抑えようと手を切りながら掴む。


 それと同時に俺は一つ気がついた。

 その剣のつかの部分にはさっき倒した骸骨の腕があった。

 俺はそれに気を取られてしまいその剣は俺の元から離れた。


 俺は瞬時に治癒(ヒール)を使い、止血をする。

 さっき破砕した骨の破片が一つの場所に向かって突如として動き出した。

 頭蓋を起点とし、砕かれた体は再構成されていく。

 そうして一つの骸がまた生まれた。


 目の前の状況に呆然としていた。

 だがこのままではいけないと思い、地を蹴りその骸に向かって走り出す。


 そこからは泥試合だった。

 殴っては砕け散り、また戻るその繰り返し。

 そうして時間を稼いでる中俺は思考を巡らす。

 あいつの再生、治癒(ヒール)とはまた違った力。


 俺は必死に乱雑された思考力を手繰り寄せ考える。

 治癒(ヒール)は欠損した部位を治すが、あいつの場合は再構成される。

 そこに何かあるのか。

 そのような考え事をしているとその骸は俺にをかざす。

 それと同時に俺より数倍でかい光を発する物体が生成された。


 ーー火球だった。

 なんだこのデカさ、、

 俺は瞬時に床を操作し壁を作る。

 着弾し爆発、煙が舞い上がる。


 そういうことか、、

 その骸は俺との距離を詰めその剣を振りかぶる。

 その瞬間俺は飛び出しそいつの腕に触れ火球を生成し爆ぜさせる。


 煙が晴れると予想通りの光景が待ち受けていた。

 左腕は再生されなかった。

 やっぱりあいつの体、恐らくMPを込めた攻撃じゃないと効かないのだろう。


 あいつは恐らくMPに特化したモンスター、総量がとてつもなく大きいのだろう。

 そして多分あの再生と関係してるんだろうな。


 俺は骸がその攻撃に驚いている隙に距離を詰めその胸当てに手を当てて先と同じように攻撃する。

 予想通り骸の体は爆発と同時に粉々に砕かれ、再生することはなかった。

 カランカランと音が鳴り俺の足元に転がってきたのはさっき殺した骸の頭蓋だった。


 まだ生きてるのか、、、

 俺はこのままでも別に問題ないだろうと背を向け歩き出した。


「アリ、ガ、トウゥ」


 ーは?

 俺は聞こえるはずのないその言葉に驚き振り向く。

 だが先ほど生きていたその骸は灰となり消えていった。

 今、喋ったのか?

 、、そんなわけないか。

 俺はもう一度背を向け歩き出すのだった。


___________________


《おかえりなさいませ》


 ノアがそう告げるとともに俺の体の傷はみるみるうちに癒えた。


「おぉすげぇ、てか初めて見たかも自分の傷が治されんの」

《まぁ治す時大体気絶しますもんね》


 さてと。

 俺は亜空間収納(インベントリ)の中にあるモンスターの死体を換金した後血に塗れた服と体を洗うことにした。

 俺はその金で念願の風呂を買い部屋に置いておいたシャンプーボディソープを持ち風呂へ入った。

 風呂の中は純白の石で覆われそこにはシャワー、湯船が存在した。


「ぷはぁ、いい湯だぜぇ」


 俺は体を速攻で洗い、湯船に浸かっていた。

 俺は目を瞑り壁に腰掛け天を仰ぐ。

 流石に疲れたなぁ、連戦に続く連戦。

 最下層なだけあって雑魚と呼べる敵が存在しないのがなぁ。


 俺は先ほどの出来事を思い出す。

 あの骸、最後喋ったのか?

 喋るモンスター、聞いたことないが最下層なのだから何が起こるのかわからない。


 アンデッドモンスターは元は人間だったと本で読んだ。

 つまり俺がさっき殺したあのモンスターも、、、

 考えてみればおかしなことだらけだ。

 ゴブリンや亜人ダンジョンやこのステータスこれを神がやった、、


 そもそも神とはなんなのだろうか。

 なぜ文献にそのようなものが書いてあるのか。

 わからない、わからないことだらけだ、、、

 俺は元人間だったモンスターを殺した。

 それは人間を殺したのと同じこと。


 今は何も思わない、だが俺が本当に生身の人間を殺した時はどのように思うのだろうか。


___________________


 俺はその部屋で目を覚ました。

 、、そうか俺は風呂から出た後飯食ってすぐに寝たんだ。

 俺は起き上がりショップで大量のポーションを購入した後、

 重複強化と同じ要領で治癒(ヒール)もできるのではないかと思い、治癒(ヒール)《小》を買った。


 さて、行くか。


 俺は背を向けその扉を開けるべく歩き出した。


《健闘を祈ります》

「あぁ」


 俺は扉を開け、走り出した。

 今のレベルは280。

 感覚を上げたことで研ぎ澄まされた五感を使い、その場所へ向かう。


 あそこか、、、


 俺はその曲がり角に目を向ける。

 俺は一度走るのをやめ、ナイフを取り出しその曲がり角に向かい歩き出す。


「チッ」


 気づいたら手が恐怖に負け震えてしまっていた。

 俺はそれを抑え歩き出す。

 ここまでたくさんのことがあった。

 何度も死にかけたり、初めてモンスターを殺したり、他にも色々。

 それも全部この時のため、全部出し切ってやる。


 俺がその角から体を出すと同時に俺に向かって熱を発し飛来する物体が現れる。

 俺はそれを前もって構えていたナイフを振り上げ掻き消した。


「んだよ今の火球、前の意趣返しってか?」


 そして俺は"ソレ"と向かい合う。

 それは緑色とところどころ血で赤黒く染まった肌を持ち俺の数倍でかい巨体。

 そしてその左眼は抉られ塞がっていた。

 己を鼓舞しろ、でかい声で取り繕え。

 虚勢を張れ!


「似合ったんじゃねぇか、その隻眼!

 今回はテメェの全部もらうぞ!」


「ゥヴォォォォォ!」


 その咆哮とともに俺らは同時に走り出すのだった。



感想、レビュー、ブクマ、評価、待ってます!!

 【 名 前 】 伊藤慎二

 【 レベル 】 280

 【 H P 】 28900/28900

 【 M P 】 2780/2890

 【 S P 】 245/250

 【 魔 力 】 0/0

 【 筋 力 】 582 +83

 【 脚 力 】 582 +83

 【 抵 抗 】 155 +42

 【 感 覚 】 156 +42

 【 スキル 】 身体強化《小》身体強化《中》治癒(ヒール)《中》治癒(ヒール)《小》隠密 火操作 水操作 風操作 土操作

 【固有スキル】 亜空間収納(インベントリ)

 【ステータスポイント】 0


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