12話 借り
まずは小手調べ、オークはスピードが鈍いということは知っている。
俺は身体強化を脚に回しクソアークとの距離を詰め死角に潜り込む。
狙うならアキレス腱とかだろ。
俺は短剣を振りかぶりその足に向かって薙いだ。
メキメキ
刺した途端に金属音が鳴り響く。
クソ、体が硬すぎて攻撃が遠らねぇ。
どういう体の作りしてんだよ!
その瞬間、オークは一歩後ろに退きその大剣を俺めがけて振り下ろす。
俺はそれを避け、その大剣を駆け上る。
じゃあ狙うなら喉、体の構造は人間とさほど変わりわない。
頸動脈を引き裂く!
俺はそいつの首に刃を振るう。
メキメキ
だがまた同じように金属音が響く。
瞬間、左手が俺を掴もうと襲いかかる。
それを飛んだよけ、火球を生成し放つ。
前やったように目の前で爆ぜさせ、煙幕を張り距離を一旦取る。
ふぅ、一旦考えろ。
俺の攻撃は奴には届かない。
だが俺が刺す瞬間必ずその部分の筋肉が謎に膨れ上がる。
おそらく身体強化の応用。
それがある限り俺の攻撃は届かない。
だが、俺が攻撃をする瞬間その部分だけ硬くなるのなら他の部分はどうなんだ?
俺は知っている、身体強化を回していないところにダメージを喰らうと致命傷になりかねない。
あいつもそうなんだとしたら、、、
試してみる価値はあるか。
煙が晴れると同時にクソオークは俺との距離を詰めるため、走り出した。
俺は土操作で壁を作るがクソアークはその壁をクッキーのようにパリパリと割っていき、やがて全て砕かれる。
だがもうそこに俺の姿はない。
俺は高く跳躍しハイゴブリンにやったことと同じように、天井を蹴りその背中に刃を突き立てる。
だがそれを読んでたかのようにクソオークは身を翻し、逆に大剣を俺に振るう。
リーチの差で大剣の方が当たるのが速い。
大剣が俺の衣服に触れた瞬間、、、
クソオークの両腕は爆ぜた。
そうくるのを予測して壁が砕かれる前に火球を仕込んでおいた。
予想通り強化を回していなかった腕は、見事火傷を負った。
それが功を奏し致命的な隙ができた。
俺は全神経を集中させクソオークの腹に刃を突く。
「ブファァァ!」
だが突いた瞬間、俺はそいつに体を掴まれ壁に向かって思い切りぶん投げられた。
俺はその勢いのまま壁にぶつかった。
「ゲホッ、ゲホッ」
そのせいで俺は内臓がやられ、血を吐いた。
クソオークは俺に近づいてくる。
やがて俺の目の前に立ち、俺を掴み上げる。
瞬間俺の骨は潰される。
「あ゙あ゙、ぁぁ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ッ!!」
内臓も骨も潰された痛みで俺は叫びを上げる。
その声と連動するようにオークは高らかと不気味な笑い声を上げる。
今にも気絶してしまいそうな痛みに襲われる。
クソクソクソ!やっぱり俺は勝てないのか、俺はここで死ぬのか?!
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!
俺はまだ渚さんに謝ってない、ルナさんにお礼もしてない。
俺はまだ死にたくない!
クソオークは俺を喰らうため口に近づけ、大きく開ける。
俺は力つき、気絶しかける。
そいつが俺を頬張ろうとした瞬間。
"慎二"は、オークの拘束を力尽くで振り解き、オークの顔に飛び乗る。
慎二はオークの目に手を入れ、火球を生成爆ぜさせる。
「グァ゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ッ!!」
慎二はその衝撃で後ろに利用し、オークの背後に飛ぶことに成功した。
どうなった?
俺は助かったのか、、、
いやまだだ。
俺は力を振り絞り脚を強化、とにかく走る。
俺は必死に逃げる。
少しクソオークの様子を見た瞬間。
そいつの大剣は光を発し、それを俺に向かって振る。
謎の光波が俺に向かって飛んできた。
だがそれを俺は避け、必死に走り出す。
慎二はとにかく逃げるため、走る。
走った走った走った走った走った走った走った走った走った走った走った走った……
俺は朦朧とする意識の中でただ生きなきゃ、逃げなきゃという気持ちしか残っていなかった。
痛いのに苦しいのに俺は走った。
俺はそこに導かれるように走った。
俺はドアノブに手をかけその扉を開け、倒れ込むように中に入る。
《随分と長旅でしたね》
ノアの言葉を最後に俺の意識は途絶えた。
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《あと少し、もう少しで器は満ちる》
そのPCは不敵にそう告げるのだった。
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もう1話多分投稿すると思います!
感想、レビュー、ブクマ、評価、待ってます!!
【 名 前 】 伊藤慎二
【 レベル 】 180
【 H P 】 ???/18900
【 M P 】 0/1890
【 S P 】 5/150
【 魔 力 】 0/0
【 筋 力 】 370
【 脚 力 】 370
【 抵 抗 】 80
【 感 覚 】 80
【 スキル 】 身体強化《小》治癒《中》隠密 火操作 水操作 風操作 土操作
【固有スキル】 亜空間収納
【ステータスポイント】 75




